続・君につづく道

第16部 合コン大作戦 後編

3

「いろんな男の人たちと、こうして話してみるのも、楽しめるでしょ？」

邑田さんがニコニコ笑ってワインを注いでくれると、私はため息をついた。

「邑田さん。あなた、本気で誰かを好きになったことはないの？」

私が言うと、邑田さんは目を丸くして私を見つめた。千春さんも、他の人たちも私を見つめている。

「私は、今、本気で愛してる人がいるの。やっと掴んだ恋よ。遠回りしたり、廻り道をしたり。年の差を気にしたり。それでも、私は彼以外愛せない。こんな気持ちにさせてくれるのも、イライラさせられるのも、ムカつかせるのも、彼だけなの。邑田さん。あなたは私のことなんか好きじゃないのよ。彼に勝手に張り合ってるだけ。興味を持っただけ。だからなんの感情も、私に伝わってこないのよ」

「雪子ちゃん」

「せっかくイケメンなんだから、自分のことばかりじゃなくて、ちゃんと恋愛してみてよ」

私がそう言ってワインを飲み干すと、邑田さんは私の腕を掴んで立ち上がらせて、

「ちょっときて」

と言って個室を出て行こうとした。私は咄嗟に振り向いて理を見ると、理は私たちを見上げて眉をしかめていた。

＊

「な、なになに？あの2人」

女2人は顔を見合わせて頬を赤く染めて言うと、千春も心配そうに顔を上げた。

「え？大丈夫？雪子さん。酔ったのかな」