続・君につづく道

第15部 合コン大作戦 前編

15

雪子たちが顔を上げてこっちを向いた。やっと雪子と目が合うと、俺の隣の男は笑いながら、

「こっちきて話そうよ」

と叫ぶと、雪子はニッコリと微笑んで、

「いえ。そっちも盛り上がってそうですので、私はここで。特にお構いなく」

と言って、小さく手を振った。

なんだと？！

雪子…てめぇ、邑田と話してる方がいいって言うのか？！

「えぇ？！何言ってるのよ。坂井さんはこっちで話すんですよ。ねぇねぇ、坂井さん！刑事さんて、土日休みなんですか？」

「どんな女の子がタイプなの？」

女二人はまだ俺に質問してくる。隣の男は面白くなさそうに頬を膨らませ胡座をかくと、

「なに？俺の存在無視？普通のリーマンじゃダメか？」

とつまらなそうに言うと、女たちは我に返って顔を見合わせて苦笑いになった。

「そ、そんなことないですよー。じゃ、またここらで乾杯し直しましょう！」

そうして女二人と男二人で、乾杯した。俺はため息をついて雪子を横目で見ると、雪子はさっきより少し笑みを浮かべ始めて、向こうで邑田や千春たちと話している。

え？

笑ってる？

もしかして、楽しくなってきたのか？

雪子の方には雪子と千春さん。男は邑田と、もう1人。暫くすると、向こうは席替えを始めて、邑田は雪子の隣に座り、千春さんは向かい側の男の隣に座り、とうとうワインをボトルで注文し始めた。

あー。

それ、いっちゃったかぁ。

俺は知らないぞぉ。