続・君につづく道

第15部 合コン大作戦 前編

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「遅れてごめん」

邑田が先頭に入っていくと、早速1番奥の雪子の席の向かい側に腰を降ろした。他の2人の男たちも邑田の隣に座っていくと、最後に俺が入っていった。すると、雪子とその隣にいる、確か…千春？さんは驚いて俺を見つめた。俺は「しっ」と唇だけ動かして頭を少し横に振り、1番ドアに近い席に腰を降ろした。個室の座敷は掘りごたつになっている。チラッと横目で雪子を見ると、もう雪子はいつもの冷静な顔に戻っている。さすがだな。滅多なことでは取り乱さない。

乱れるのは、夜だけかな。

ニンマリとしてしまうと、向かい側に座る髪の長い女性と目があって、彼女はにっこりと微笑んだ。邑田はムッとしていたけれど、なんとか表情を取り繕って、みんなの飲み物を注文して、飲み物が揃ったタイミングで立ち上がった。

「それでは、とりあえず乾杯しましょうか！それから、自己紹介していこう！」

持ち前の爽やかさでそう言ってジョッキを高く掲げると、みんなは声を揃えて「乾杯！」と叫んだ。雪子だけは、あまり笑ってもいないし、無表情のままジョッキを掲げただけで「乾杯」は声にしていなかったように見える。

いいぞ、雪子！