続・君につづく道

第15部 合コン大作戦 前編

8

「食べました！優しい女子がいて、相席してあんたの愚痴聞いてもらってたのよ」

「お前、勝手に人を悪者扱いにして話してたんだろ」

呆れた口調で坂井が言うと、南崎はニコッと笑った。

「当たり前でしょ！でも綺麗な子だったなぁ。連絡先くらい交換すれば良かった」

「へぇ。それよか、ファイル」

坂井が手を出して催促している。南崎はイラッとして坂井を睨むと、

「あんた、本当に最低！」

と怒鳴って、拳を振り上げた。

「うわっ、なんだよ！暴力反対！！」

坂井は両手で頭を庇いながら、そう叫んで肩をすくめた。仕方なく南崎はファイルの封筒を坂井に渡すと、坂井は顔を上げて南崎を見つめた。

「なぁ、ちょっと相談があんだけど」

「な、なに？」

「飲み会で女に優しくするって、どうやんの？」

「はぁ？！」

南崎は呆れて口を開けたままポカーンとしている。

「一課の邑田がさ、彼女に詰め寄ってんだよ。で、飲み会に勝手に誘ってんだ。それに参加しないなら連絡先教えろとか言って、まじで迷惑してるんだよ。彼女のほうもね。連絡先教えるくらいなら、一度飲みに行けば気が済むんだろうって彼女も諦めモードだよ。頭にきたから、俺もその飲み会参加してやろうと思ってね。どうせなら邑田の鼻をあかしてやりたいから、俺もたまには本気出そうかと思ってさ」