続・君につづく道

びぅむ

文字の大きさ
上 下
223 / 652
第14部 恋の障害

21

しおりを挟む
私の腕を片手で掴んだまま、もう片方の腕で邑田さんの襟首を掴んで詰め寄った。私は涙が溢れてきて、

「も、もういいよ、理っ!」

と言って理の腕にしがみつくと、邑田さんはため息をついて、

「はいはい。すいません。キスしようとしたことは、謝るよ。ごめんごめん」

と軽く謝っているけど、誠意の欠片も感じない。私はそんな邑田さんの顔も見たくなくて顔を背けていると、

「じゃ、飲み会参加決定ね。今週末だよ」

と言って、坂井さんの腕を振り払って警察署に歩いて入っていくと、理は両手で私をきつく抱きしめてくれた。

「ほんとに…後一歩遅かったら、お前…!」

「ご、ごめん…。油断した…」

「指一本、誰にも触らせるなよ!!」

何故か、涙が溢れてきた。理の目が怒ってる。そう思うと胸が苦しくなって、涙が溢れてくる。

「な、なんで泣くんだ?」

理は少し驚いて、怒っていた目が柔らかくなった。それが分かると、また、涙がこみ上げてきた。

「キス、されるかもと思ったら…怖かった!ものすごくいやだったよ!!」

「雪子?」

「怖かった!嫌、だった!なのに、なんで怒られるのよっっ!馬鹿ッ!!」
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!


処理中です...