続・君につづく道

びぅむ

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第13部 雪子vsセフレ

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すでに、あれから二時間以上。

ワインは5本目を半分以上飲んでいるところだ。どうやら、赤ワイン一本に絞っている。チャンポンするよりは、いいだろう。だが俺は気が気じゃなくて、日本酒を飲んでもちっとも酔えない。松林はお膳に顔を伏せて眠っているし。袴田もさっきから寝たり起きたり繰り返している。立原と俺は、雪子たちを見守っている。

「すげぇな、雪子ちゃん。ザルだったのか」

立原が言うと、俺も頷いた。

「俺もびっくりしてる。確かに酔っ払って帰ってきた時もないし、酔い潰れたって聞いたこともない。飲まないだけなのかと思ったけど…強かったんだ」

芳沢は時折何か呻き声を上げたり叫んだりして、ここで起きてる俺や立原たちに絡んでくるが、雪子は何杯飲んでもずっと冷静に芳沢の腕を掴んで引き戻し、

「ここで黙って飲みなさい」

と一言だけ言い放つ。

「雪子ちゃん、堂々としてて、カッコいいね。芳沢のこと、もしかしたらずっと気にしてたのかもな」

立原は雪子たちを眺めながら、話し始めた。

「え?」

俺は立原を見た。立原は今は水を飲んでいる。

「自分が勝ったら…っていう希望も考えてなかったし、負けた時のルールも適当だった。ただ、話してみたかったのかな。
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