続・君につづく道

びぅむ

文字の大きさ
上 下
173 / 652
第12部 泡沫の夢

11

しおりを挟む
男2人はそそくさと売店を出ていくと、俺はふうっとため息を吐き出した。雪子の浴衣の胸元を見ると、確かに少し開いている。ノーブラだし。そう思って、胸元を少し整えて、

「もっと、ここは閉じろ」

と言うと、雪子はまだ不思議そうに俺を見上げている。

「もしかして、さっきの人たち、ナンパしようとしてた?」

「そう。ここ、見てた」

「そうなの?馬鹿だね。あんなの私1人でも軽く追っ払えるわよ」

「エロい目で見てたからな。ちょっと許せなくて」

俺がそう言って雪子の肩を抱くと、雪子はプッと吹き出して、

「1番エロいのは、理だけどね」

と呟くと、俺はにっこりと笑った。

「俺は許されるからいいんだよ」

「いや、許してないけど」

「え?!」

「お部屋、戻ろうか」

雪子は微笑んで俺の顔を見上げて言うと、俺は大きく頷いた。

「早く戻ろう!」

「だから、ナニする気なのよ」

俺たちは何も買わずに売店を出ていくと、部屋まで少し急ぎ足で歩いて行った。
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!


処理中です...