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第12部 泡沫の夢
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そこに、
「お隣、よろしいかしら?」
と聞き覚えのある女性の声がして、俺は目を開けた。え?今、いやな声が。
隣のマッサージチェアに腰を降ろしたのは、芳沢唯子だった。俺は身を乗り出して、
「お前…!なんで!」
と思わず声を上げると、はっとして思い返した。松林たちと来たのか…!あいつら、さっきそんなこと一言も言ってなかったぞ。完全に言い忘れてたな。
「雪子ちゃんの裸、見ちゃった。白くて綺麗ね」
「あ?!オッサンみたいなこと言うな。てか、見るな」
「そんなに警戒しなくても、あの子に悪いことはしないわよ。大人気ないこと、しないわ」
「よく言うよ。こないだまで食いつきそうな勢いだったくせに」
俺は諦めてまた背もたれに寄りかかり、目を閉じた。
「私は…あの時は確かに軽い気持ちだったわ。でも、会えなくなってから、気になっちゃったの。感情なんかなかったはずなのに。セフレじゃなくて、本気になったのよ」
素直に芳沢がそう言うと、俺は返答に困った。
「あのまま、また抱いてほしいのに、もう私とは寝ないんでしょ?なんか、そう思ったら悔しくなったのよ。同じ刑事同士なら、うまくやれると思うのに。なんでだめなのかな…」
「お隣、よろしいかしら?」
と聞き覚えのある女性の声がして、俺は目を開けた。え?今、いやな声が。
隣のマッサージチェアに腰を降ろしたのは、芳沢唯子だった。俺は身を乗り出して、
「お前…!なんで!」
と思わず声を上げると、はっとして思い返した。松林たちと来たのか…!あいつら、さっきそんなこと一言も言ってなかったぞ。完全に言い忘れてたな。
「雪子ちゃんの裸、見ちゃった。白くて綺麗ね」
「あ?!オッサンみたいなこと言うな。てか、見るな」
「そんなに警戒しなくても、あの子に悪いことはしないわよ。大人気ないこと、しないわ」
「よく言うよ。こないだまで食いつきそうな勢いだったくせに」
俺は諦めてまた背もたれに寄りかかり、目を閉じた。
「私は…あの時は確かに軽い気持ちだったわ。でも、会えなくなってから、気になっちゃったの。感情なんかなかったはずなのに。セフレじゃなくて、本気になったのよ」
素直に芳沢がそう言うと、俺は返答に困った。
「あのまま、また抱いてほしいのに、もう私とは寝ないんでしょ?なんか、そう思ったら悔しくなったのよ。同じ刑事同士なら、うまくやれると思うのに。なんでだめなのかな…」
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