続・君につづく道

びぅむ

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第12部 泡沫の夢

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「ほんとに、羨ましい。あんな綺麗な子と…。どうやったら付き合えるんだろうなぁ」

袴田も感心?しながらそう言う。が、俺はあえて反応しない。それは、自分でもとっくに謎だからだ。

「ある女の子の勇気の物語が発端でしたよね。彼女たちがいなかったら、こんな風に出会えて、付き合うこともなかったかもしれませんね」

松林は微笑んでそう言うと、俺はドキッとして松林を見た。が、あの事件のことはみんなもよく、知っている。

梶原萌梨。そしてその妹の美夜。2人を守るために、捜査一課総動員で動いた。アメリカまで行くこともあった。大手企業は警察本場にも手を回してきて、裏から手を回されたりもした。そうした悲しい事件は数年かけて、ようやく終幕を迎えたが、決してハッピーエンドではなかった。尊い犠牲もあり、幼い美夜の勇気が矢面に立つことにもなった。
だから、俺たちは必死に守る。
守りたかった。刑事なんて、法に雁字搦めにされて、何も出来なかったんだ。

ふと、袴田は肩まで温泉に浸かると、

「そういえば、こないだ横浜の方で、なんか結構でっかい事件が動いたって、知ってるか?」

と言うと、みんなは袴田を見た。
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