続・君につづく道

第11部 旅行先では溜めときましょう

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17時過ぎに旅館に到着すると、女将さんと思える雰囲気の和服の女性がやってきて、

「いらっしゃいませ。坂井様。奥様」

と微笑んで歓迎してくれると、私と理は顔を見合わせた。

奥様…！

響きが、素敵…！

理も照れているのか、頬が赤い。

女将さんに案内されて、三階の奥の部屋にやってくると、私と理はお膳を挟んで向かい合わせに座った。理は胡座を描き、私は正座をしていると、女将さんは微笑みながらお膳の上の急須にポットからお湯を入れて、煎茶を入れてくれた。

「良かったらお先に下の大浴場もありますので、お使いくださいませ。お部屋の露天風呂ももういつでも入れる状態です。新しいタオルが必要になれば、お気軽にフロントまでお電話下さいませ。女性のお客様には、アメニティなども用意しておりますので、アメニティが必要で有れば、一階の大浴場の女湯の方に用意しておりますので、ご自由にお使いくださいませ」

丁寧に女将さんが頭を下げて言うと、理はお茶を一口飲んだ。私も小さく会釈をした。

「お食事は18時半、19時、19時半とありますが、何時ごろがよろしいでしょうか？」

女将さんが問いかけると、私と理は顔を見合わせた。