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第11部 旅行先では溜めときましょう
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「おぉ。やっと傷が治ったね」
私のおでこの傷口が消えたのを間近で確認した理は、嬉しそうに微笑んで私の頬を両手で包み込んで、額にキスをしてくれた。
2月入ってすぐの土曜日。
朝食を食べ終わって、ソファで2人でゴロゴロしていた。
「傷も治ったし、どっか、いく?」
「え?!」
私は驚いて理の肩に腕を回して、膝の上に跨った。
「ホント?デート、する?!」
「え、まぁ、うん。行きたいとこあるなら」
「行きたいとこ?そうだなぁ」
私はそう言って首を傾げると、理は私を見つめて穏やかに微笑んでいて、
「ねぇ、理」
と話しかけてみた。
「あ?」
「ほんとは、出掛けるのめんどくさい?デートとか…好きじゃない、んだよね…?」
ずっと気になっていたことを聞いてみた。知るのは怖かったし、聞いても答えてくれないと思ってた。でも、今ならなんとなく答えてくれるような気がする。もし出掛けることとかが、嫌いなら、無理には出かけたくない。無理は、して欲しくない。
「俺、…トラウマなんだよ。デート」
「え?」
ちょっと驚いて理を見つめると、理はバツが悪そうに目を泳がせている。
私のおでこの傷口が消えたのを間近で確認した理は、嬉しそうに微笑んで私の頬を両手で包み込んで、額にキスをしてくれた。
2月入ってすぐの土曜日。
朝食を食べ終わって、ソファで2人でゴロゴロしていた。
「傷も治ったし、どっか、いく?」
「え?!」
私は驚いて理の肩に腕を回して、膝の上に跨った。
「ホント?デート、する?!」
「え、まぁ、うん。行きたいとこあるなら」
「行きたいとこ?そうだなぁ」
私はそう言って首を傾げると、理は私を見つめて穏やかに微笑んでいて、
「ねぇ、理」
と話しかけてみた。
「あ?」
「ほんとは、出掛けるのめんどくさい?デートとか…好きじゃない、んだよね…?」
ずっと気になっていたことを聞いてみた。知るのは怖かったし、聞いても答えてくれないと思ってた。でも、今ならなんとなく答えてくれるような気がする。もし出掛けることとかが、嫌いなら、無理には出かけたくない。無理は、して欲しくない。
「俺、…トラウマなんだよ。デート」
「え?」
ちょっと驚いて理を見つめると、理はバツが悪そうに目を泳がせている。
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