続・君につづく道

びぅむ

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第10部 恋に落ちる前から好きでした

16

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「雪子、すげぇな!」

この時、初めて名前を呼び捨てにされて、ドキッとしてしまった。理は気兼ねもなく、私の肩に手を回して、

「この部屋で暮らして、こんな料理ここで作られたのは初めてかも!旨そうだな」

と言いながら、私の髪を撫でている。馴れ馴れしい。

しかも、さっきは触れないって約束したのに。何度誓いを破るんだろう。いや、むしろ、もう誓いのことは頭にないな、この人は。

「じゃ、盛るので、とりあえず顔洗ってきてください」

「はいっ!」

素直にそう言って、理は洗面台に駆け込んでいった。するとまたすぐに駆け寄ってきて、

「せ、洗濯物が無くなってる!!」

と叫ぶと、ハッとして部屋を全体的に見渡している。私はご飯を茶碗に盛りながら、理を見た。

「部屋が、綺麗になってる?掃除…してくれた?洗濯機、回ってる…!」

「うん。あまりにも汚くて(臭くて)。お節介だったら、ごめんなさい。でも掃除も洗濯も料理も好きだから、時々でよかったら、またしにきても良いですか?」

私はちょっと照れ臭かったけど、そう言ってみた。なんでそんなことを言ったのかは、分からないけれど。
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