続・君につづく道

びぅむ

文字の大きさ
上 下
137 / 652
第10部 恋に落ちる前から好きでした

11

しおりを挟む
その時、梶原が一度私の家に来たこともあって、事情を説明するために警察署に行った。その帰り、理が送るよと言って車を出してくれて、目の下にクマを作っているのに私のことを気遣ってくれたんだ。

「梶原が雪子ちゃんのとこに行くとは思わなかった。ごめん。怖かったろ?」

理は悪そうにそう言って、落ち込んでいる。梶原がうちに来た理由は、風邪で寝込んだ萌梨を理の部屋で面倒を見ていたから、萌梨を探しに、友人である私の家に「萌梨を引き取り」に来たんだ。でも萌梨はうちにはいなかったから、怒った梶原が私を殺すだの、親の仕事にも圧力をかけるだの、脅してきたんだ。その時、一瞬私は梶原に首を絞められた。本気で殺される、と思って動けなくなった。何を言っても言葉が全然通じなくて、本当に怖くて、気味の悪い人だった。私は梶原の脅迫に負けて、萌梨が理の家にいる、と白状してしまったんだ。

情けない。所詮、私は子供なんだ。

「あいつ、気持ち悪かった」

素直に私が言うと、理は横目で私を見て車を路肩に停めると、私は首を傾げて理を見つめた。
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!


処理中です...