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第10部 恋に落ちる前から好きでした
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「いや。俺が話す。雪子。ちょっと待ってろ。車に乗っててもいいし。マツ、頼むな」
後ろにいる松林に言うと、松林は微笑んで大きく頷いた。
「え?でも、理。私、別に…」
と雪子が俺の腕を掴むと、俺はまた雪子に向き直り頭をそっと撫でた。
「待ってろよ。大丈夫だから。心配するな。大事にしたくないんだろ?」
「うん。そう。私、訴えないし」
「分かってる。だから大丈夫。任せとけ」
俺が微笑んでそう言うと、雪子は少し心配そうに俺を見つめているが、俺は警察官達とまた二階に上がっていき、松林は残された雪子の肩に手を置いて、一階のロビーに向かった。雪子は心配そうに、何度か振り向いて俺の方を見上げていた。
ぜってーフルボッコにしてやる…!!
*
そんなに強く殴られてはいなかった。
咄嗟に避けたし(運動神経は良い方)、警備員たちも駆け寄って来ておじさんを押さえてくれたから。でも、おじさんの拳がおでこを掠めて、少し痣と爪の先か何かで額を切ってしまった。病院ですぐに手当てをしてもらってから、事情を聞きたいからと言われて警察署に連れて行かれた。
管轄は理のところじゃないけれど。
病院では少し大袈裟に頭に包帯を巻かれてしまった。包帯を巻く程ではないと思うけれど…なんか恥ずかしい。
後ろにいる松林に言うと、松林は微笑んで大きく頷いた。
「え?でも、理。私、別に…」
と雪子が俺の腕を掴むと、俺はまた雪子に向き直り頭をそっと撫でた。
「待ってろよ。大丈夫だから。心配するな。大事にしたくないんだろ?」
「うん。そう。私、訴えないし」
「分かってる。だから大丈夫。任せとけ」
俺が微笑んでそう言うと、雪子は少し心配そうに俺を見つめているが、俺は警察官達とまた二階に上がっていき、松林は残された雪子の肩に手を置いて、一階のロビーに向かった。雪子は心配そうに、何度か振り向いて俺の方を見上げていた。
ぜってーフルボッコにしてやる…!!
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そんなに強く殴られてはいなかった。
咄嗟に避けたし(運動神経は良い方)、警備員たちも駆け寄って来ておじさんを押さえてくれたから。でも、おじさんの拳がおでこを掠めて、少し痣と爪の先か何かで額を切ってしまった。病院ですぐに手当てをしてもらってから、事情を聞きたいからと言われて警察署に連れて行かれた。
管轄は理のところじゃないけれど。
病院では少し大袈裟に頭に包帯を巻かれてしまった。包帯を巻く程ではないと思うけれど…なんか恥ずかしい。
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