続・君につづく道

びぅむ

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第10部 恋に落ちる前から好きでした

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「いや。俺が話す。雪子。ちょっと待ってろ。車に乗っててもいいし。マツ、頼むな」

後ろにいる松林に言うと、松林は微笑んで大きく頷いた。

「え?でも、理。私、別に…」

と雪子が俺の腕を掴むと、俺はまた雪子に向き直り頭をそっと撫でた。

「待ってろよ。大丈夫だから。心配するな。大事にしたくないんだろ?」

「うん。そう。私、訴えないし」

「分かってる。だから大丈夫。任せとけ」

俺が微笑んでそう言うと、雪子は少し心配そうに俺を見つめているが、俺は警察官達とまた二階に上がっていき、松林は残された雪子の肩に手を置いて、一階のロビーに向かった。雪子は心配そうに、何度か振り向いて俺の方を見上げていた。


ぜってーフルボッコにしてやる…!!





そんなに強く殴られてはいなかった。

咄嗟に避けたし(運動神経は良い方)、警備員たちも駆け寄って来ておじさんを押さえてくれたから。でも、おじさんの拳がおでこを掠めて、少し痣と爪の先か何かで額を切ってしまった。病院ですぐに手当てをしてもらってから、事情を聞きたいからと言われて警察署に連れて行かれた。

管轄は理のところじゃないけれど。

病院では少し大袈裟に頭に包帯を巻かれてしまった。包帯を巻く程ではないと思うけれど…なんか恥ずかしい。
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