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第7部 雪子と2人の恋のライバル
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「あの、…芳沢さん…て…」
私は少し戸惑いながらも切り出してみると、榊原さんはコーヒーを飲みながら私を見て、
「あぁ。なんか、八王子の分署が閉鎖されちゃってね。それで、うちに異動してきた。検挙率高いし、男の中にいても引けを取らないタイプだから、刑事としては有能だ。前は坂井と組んでたけど、こっちでは今は臨時。改めて相棒は他の人と組ませるつもりだけど…なに?なんか気になるの?」
と心配そうに言うと、私はドキッとして頭を小さく左右に振って俯いた。
「大人の人って感じがするから…」
「まぁ、そりゃね。彼女もさ、色々あったんだよ。離婚してね。子供、旦那に取られちゃってさ。一時は荒れてたよ」
「え?!そんな…」
私は意外な話に驚いて顔を上げた。榊原さんと目が合うと、榊原さんは穏やかに微笑んでいた。
「刑事だから、時間に自由はない。会社に拘束されることが多いだろ?子供との時間なんてなくて、母親として責任が持てないから、という家裁の判断でね。親権を取られちゃったんだ。今はだいぶ元気になったし、立ち直れたけど、寂しいって気持ちはあるかもね。でも、悪いヤツじゃないから、あまり気にしないでやってよ。坂井も、前みたいに荒れてないし、今は雪子ちゃん一筋なんだから」
私は少し戸惑いながらも切り出してみると、榊原さんはコーヒーを飲みながら私を見て、
「あぁ。なんか、八王子の分署が閉鎖されちゃってね。それで、うちに異動してきた。検挙率高いし、男の中にいても引けを取らないタイプだから、刑事としては有能だ。前は坂井と組んでたけど、こっちでは今は臨時。改めて相棒は他の人と組ませるつもりだけど…なに?なんか気になるの?」
と心配そうに言うと、私はドキッとして頭を小さく左右に振って俯いた。
「大人の人って感じがするから…」
「まぁ、そりゃね。彼女もさ、色々あったんだよ。離婚してね。子供、旦那に取られちゃってさ。一時は荒れてたよ」
「え?!そんな…」
私は意外な話に驚いて顔を上げた。榊原さんと目が合うと、榊原さんは穏やかに微笑んでいた。
「刑事だから、時間に自由はない。会社に拘束されることが多いだろ?子供との時間なんてなくて、母親として責任が持てないから、という家裁の判断でね。親権を取られちゃったんだ。今はだいぶ元気になったし、立ち直れたけど、寂しいって気持ちはあるかもね。でも、悪いヤツじゃないから、あまり気にしないでやってよ。坂井も、前みたいに荒れてないし、今は雪子ちゃん一筋なんだから」
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