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第5部 別れてもすきな人
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「じゃ、他の人に頼むよ。隣の君」
俺は雪子の隣の席の女子を見て話しかけると、雪子はデスクにドンッと手をついて立ち上がり、
「私がやりますから」
と言うと、俺はホッとして微笑みそうになったけど、あえて隠して無表情を装った。
作戦成功!
でも。まだ怒ってんのかな。俺のこと嫌いって言ったこと、本気だったのかな。本当は、こんなことも迷惑なのか。
キスもしたくないって。
キスもしたくないって……!
演技のつもりが、ほんとに落ち込んできた。
とりあえず横領に関するデータなどを倉庫で調べているので、倉庫に雪子を連れてきた。雪子は自分のパソコンを小脇に抱えてきて、キョロキョロしている。他の奴らは、今はいない。署に戻ったのかもしれない。
雪子は空いているデスクにパソコンを置いて、ネットや電源などを繋いでいる。
その後ろ姿を見ているだけで、なんでこんなに胸が苦しいんだろう。泣きたくなる。こんなに苦しくなるなんて…。
耐えきれなくて、俺は雪子を背中から抱きしめた。
やっと、触れられた。
雪子の匂い。
柔らかい感触。
いつものシャンプーの匂い。
「な、何を」
「やっぱり、触りたい。頼むから、嫌いなんて言うなよ」
俺は雪子の隣の席の女子を見て話しかけると、雪子はデスクにドンッと手をついて立ち上がり、
「私がやりますから」
と言うと、俺はホッとして微笑みそうになったけど、あえて隠して無表情を装った。
作戦成功!
でも。まだ怒ってんのかな。俺のこと嫌いって言ったこと、本気だったのかな。本当は、こんなことも迷惑なのか。
キスもしたくないって。
キスもしたくないって……!
演技のつもりが、ほんとに落ち込んできた。
とりあえず横領に関するデータなどを倉庫で調べているので、倉庫に雪子を連れてきた。雪子は自分のパソコンを小脇に抱えてきて、キョロキョロしている。他の奴らは、今はいない。署に戻ったのかもしれない。
雪子は空いているデスクにパソコンを置いて、ネットや電源などを繋いでいる。
その後ろ姿を見ているだけで、なんでこんなに胸が苦しいんだろう。泣きたくなる。こんなに苦しくなるなんて…。
耐えきれなくて、俺は雪子を背中から抱きしめた。
やっと、触れられた。
雪子の匂い。
柔らかい感触。
いつものシャンプーの匂い。
「な、何を」
「やっぱり、触りたい。頼むから、嫌いなんて言うなよ」
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