続・君につづく道

びぅむ

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第5部 別れてもすきな人

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他にも2人捜査に加わり、刑事4人で保険会社に向かった。2人組で捜査をする。データや資料を調べるのと、社員の聞き込み、などなど。

とりあえず、朝一に保険会社の役員たちと会議室で捜査の流れを大まかに説明して、就業開始時刻に会議室から出ていくと、早速雪子とばったり再会した。

胸が、きゅんと苦しくなった。

雪子も驚いて俺を見つめている。

やっぱり、好きだ。

会ってしまったら、認めざるを得ない。こんな気持ち、初めてだ。30過ぎにもなって、今更こんな気持ちは初めてなんだ。

いつから好きだったのかなんて、分からない。あいつを「綺麗だ」と思ったその日から、ずっと好きだったのかもしれない。好きだから、触れたかった。感じたかった。全てを自分のものにしたいと思うくらい。まだ、俺のことを好きでいてほしいと、心から願う。

なのに。

「大嫌い!キスなんか、しない!」

発言。

俺は、奈落の底へと真っ逆さまに落下した。

雪子は、今付き合っている彼氏と結婚してドイツに行くと言い出した。

ドイツ。

ドイツ?!

ドイツって、どこだよ!!
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