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第5部 別れてもすきな人
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警部に上がるために勉強をしてるのは、なんのためなんだろう。俺から別れを切り出したくせに、雪子のために安定した肩書を望んでいる、なんて。
そんな俺を、榊原警部が引き戻しに来た。
「そろそろ、会いに行ってあげればいいだろ。雪子ちゃんは、まだお前を待ってるんだから。彼氏は出来たみたいだけど、全然幸せそうじゃない。悲しそうだ。俺は、雪子ちゃんを悲しませたくない」
榊原警部がそう言うと、俺は榊原警部を見て、
「榊原さんは、なんでそんなに雪子のこと、気にかけるんだ?」
と訊ねると、榊原警部は苦笑して肩をすくめた。
「彼女はね、俺の妹に似てるんだ。昔、ある事件で殺されたんだけどね。だから、ほっとけないんだ。彼女の瞳を曇らせるものは、許さない。坂井。お前なら、彼女を幸せにしてあげられるんじゃないのか?」
榊原警部の言葉は優しい毛布のように、凍える俺の胸を温めてくれた。泣きたくなるくらい、切ない。
俺が、雪子のそばにいてもいいのなら…。
そんな俺を、榊原警部が引き戻しに来た。
「そろそろ、会いに行ってあげればいいだろ。雪子ちゃんは、まだお前を待ってるんだから。彼氏は出来たみたいだけど、全然幸せそうじゃない。悲しそうだ。俺は、雪子ちゃんを悲しませたくない」
榊原警部がそう言うと、俺は榊原警部を見て、
「榊原さんは、なんでそんなに雪子のこと、気にかけるんだ?」
と訊ねると、榊原警部は苦笑して肩をすくめた。
「彼女はね、俺の妹に似てるんだ。昔、ある事件で殺されたんだけどね。だから、ほっとけないんだ。彼女の瞳を曇らせるものは、許さない。坂井。お前なら、彼女を幸せにしてあげられるんじゃないのか?」
榊原警部の言葉は優しい毛布のように、凍える俺の胸を温めてくれた。泣きたくなるくらい、切ない。
俺が、雪子のそばにいてもいいのなら…。
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