続・君につづく道

第4部 初めてキスした日

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ほとほと呆れ果てていると、後ろから雪子が歩み寄ってきて、インターホンはまだ繋がったままなのに、雪子は俺に唇を重ねてきた。

え？

頭の中が、また真っ白になった。

とりあえず、その女とはインターホン越しでやっと別れた。

受話器を戻して、通話を終わりにした。女もやっと、諦めたようだ。そりゃそうだ。自分より若そうな女の声に気づいただろう。戦わずして、負けたんだ。傍に雪子がいて、俺を見上げて寄り添ってくる。キスしてきたその眼差しが、また俺を捉えて離さない。

やっぱり、触れたい。

まだまだ、その唇の感触を味わいたい。

俺はそう思うと、両手で雪子を抱きしめて、何度も何度もキスを繰り返した。




キスでとろけそうになる雪子の顔が、なんとも言えない妖艶さがあって、10代だなんて忘れさせる。

このキスで、俺の中でとうとう燻っていた炎が、燃え始めたんだ。でも、これ以上触れるわけにはいかない。

これはただのキスだ。

挨拶。

あいさつ！

やらしくない。

普通普通…！

と、訳わからない感情に、必死に蓋をした。ゆるゆるの、上に乗せただけの蓋だったけれど…。

それからは、部屋で二人で会う時、いつもキスだけするようになった。

胸にも触らない。

抱きしめることはあっても、胸も尻もあんなトコもこんなトコも、決して触らない。
そう、必死に誓いを一人で立てた。