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第2部 雪子のメル友
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雪子は俺の手から紙バッグを取り上げて、
「いいよ。行って。仕事でしょ」
と言うと、俺は何だか胸が締め付けられた。
離れたくない。けど、仕方ない、か。
俺はため息をつくと、ふと思い立って顔を上げて、雪子の手からまた紙バッグを取ると、雪子の手を繋いだ。
「え?理さん…?」
「署に、一緒に来てみるか?」
「え?!」
「おいで」
俺は右手で紙バッグを抱えて、左手で雪子の手を繋いでショッピングビルを出て行った。雪子はまだ不思議そうに首を傾げているが、構わずに駐車場に向かい、俺は少し少年のようにワクワクして、俺の所属している署へと向かうことにした。
俺が所属するのは、台東区の湯島の国道から少し逸れた道にある第三上野署。人員もそんなに多くないので、みんなが些細な事務仕事までやっている。
署の前の駐車場に車を停めて、買い物した紙バッグは車の中に残し、俺は雪子を連れて署の中に入った。平日だと連れてくるのは難しいけれど、土日なら人も少ないから問題ないだろう。彼女を連れて行くことなんて、今までなかった。俺にしちゃ、初めてのことだ。
「いいよ。行って。仕事でしょ」
と言うと、俺は何だか胸が締め付けられた。
離れたくない。けど、仕方ない、か。
俺はため息をつくと、ふと思い立って顔を上げて、雪子の手からまた紙バッグを取ると、雪子の手を繋いだ。
「え?理さん…?」
「署に、一緒に来てみるか?」
「え?!」
「おいで」
俺は右手で紙バッグを抱えて、左手で雪子の手を繋いでショッピングビルを出て行った。雪子はまだ不思議そうに首を傾げているが、構わずに駐車場に向かい、俺は少し少年のようにワクワクして、俺の所属している署へと向かうことにした。
俺が所属するのは、台東区の湯島の国道から少し逸れた道にある第三上野署。人員もそんなに多くないので、みんなが些細な事務仕事までやっている。
署の前の駐車場に車を停めて、買い物した紙バッグは車の中に残し、俺は雪子を連れて署の中に入った。平日だと連れてくるのは難しいけれど、土日なら人も少ないから問題ないだろう。彼女を連れて行くことなんて、今までなかった。俺にしちゃ、初めてのことだ。
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