続・君につづく道

びぅむ

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第2部 雪子のメル友

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俺は雪子の手からまた紙バッグを取って自分の肩に掛けると、

「容赦ねぇな、お前は」

と言って微笑むと、雪子はチラッと俺を横目で見上げた。

「まったく。すぐ助けに来なかったくせに」

「困ってたら助けるつもりだったよ」

「ナンパなんかに困りません。馬鹿馬鹿しくて。爆弾の雨を降らせてやりたかったわ」

「…やるなら外でな」

「…そうね。はいはい」

本当に、冷静だな。俺はそう思うと、なんだか笑みがこぼれて雪子の肩を抱き寄せると、雪子は頬を赤く染めて俺を見上げた。

「な、なに?」

「触りたかったから。ケツとか触ると怒るだろ?」

「ぶちます」

照れてるくせに。

「だから、肩だけな」

「…うん」

口では冷たいことばかり言うくせに、こう言うとこ可愛いんだよな。なんだっけ。ツンデレっていうのか?こういうの。

雪子の肩を抱きながら歩いていると、俺の携帯電話が鳴った。俺は雪子の肩から腕を離して、パーカーのポケットから携帯電話を取り出して開いてみた。

「ん?警部だ」

「え?あ、出ていいよ」

雪子が俺の腕を軽く押して言うと、俺は携帯電話の受話ボタンを押して左耳に当てた。
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