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第1部 デートの主導権は譲らない
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「なんでそんなに買ってくれたの?何か頼み事があるとか」
「そんな疑うなよ。付き合う直前に、お前の誕生日、過ぎちゃったじゃん。なにも出来なかったから、せめてこれくらいさせろ」
私の誕生日は早生まれで3月の上旬にある。
再会して、正式に付き合い始めたのって、3月半ばあたりからだったから、確かに私の誕生日は過ぎていた。だから、別に大した期待もしてなかったのに、まさか気にしてくれていたなんて知らなかった。
「あと、歳が13も上なんだし。たまには年上らしいこと、させろよな。これくらい俺が買ってやる」
坂井さんが、らしくないことばかり言う。これ、夢?ほんもの?中身は祐さんとか滋が入ってるんじゃ…?
坂井さんは私の方に向き直ると、私はドキッとして坂井さんを見つめた。
「じゃ、お礼に…」
「お礼?」
「あのね?名前で…呼んでもいい?理…さん、とか。それとも呼び捨てがいい?」
「え?!」
坂井さんは顔が赤くなって驚いている。私は嬉しくなってきて、繋いだ手にギュッと力を込めた。
「理さん。ふふ。年上の彼氏っぽくなってきた」
「馬鹿…」
そう言うくせに、ちょっと嬉しそう。すると、喫煙所が見えてきて、
「あ、じゃ、五分だけ頂戴!ここで待ってろよ!」
と理さんはそう言って紙バッグを私に手渡すと、喫煙所があるガラスの壁の向こうに駆け出していった。私はそんな理さんの背中を見送りながら、腕を組んで微笑んでしまった。
まったく。
ほんとに、タバコ、大好きだよねぇ。
「そんな疑うなよ。付き合う直前に、お前の誕生日、過ぎちゃったじゃん。なにも出来なかったから、せめてこれくらいさせろ」
私の誕生日は早生まれで3月の上旬にある。
再会して、正式に付き合い始めたのって、3月半ばあたりからだったから、確かに私の誕生日は過ぎていた。だから、別に大した期待もしてなかったのに、まさか気にしてくれていたなんて知らなかった。
「あと、歳が13も上なんだし。たまには年上らしいこと、させろよな。これくらい俺が買ってやる」
坂井さんが、らしくないことばかり言う。これ、夢?ほんもの?中身は祐さんとか滋が入ってるんじゃ…?
坂井さんは私の方に向き直ると、私はドキッとして坂井さんを見つめた。
「じゃ、お礼に…」
「お礼?」
「あのね?名前で…呼んでもいい?理…さん、とか。それとも呼び捨てがいい?」
「え?!」
坂井さんは顔が赤くなって驚いている。私は嬉しくなってきて、繋いだ手にギュッと力を込めた。
「理さん。ふふ。年上の彼氏っぽくなってきた」
「馬鹿…」
そう言うくせに、ちょっと嬉しそう。すると、喫煙所が見えてきて、
「あ、じゃ、五分だけ頂戴!ここで待ってろよ!」
と理さんはそう言って紙バッグを私に手渡すと、喫煙所があるガラスの壁の向こうに駆け出していった。私はそんな理さんの背中を見送りながら、腕を組んで微笑んでしまった。
まったく。
ほんとに、タバコ、大好きだよねぇ。
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