続・君につづく道

びぅむ

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第1部 デートの主導権は譲らない

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「え?ちょっと、増えてない…?」

店員は 、ハンガーから黄色のワンピースを外し、タグなどを確認しながら、バーコードの値札を外していく。

黄色のワンピース。
ラベンダー色のワンピースとカーディガンのセット。
白地にピンクの小さな花柄プリントのパジャマ。

「後、欲しいのある?」

「え?もう、ない、かな」

「んじゃ。買い物終わり」

「は?」

そうして、何故か坂井さんが支払いを始めた。カードでもなく、現金で払っている。私は驚いて坂井さんの腕を掴んで、

「え?いいよ。自分で払うわ」

「いい。払う。大丈夫」

「買ってもらうなんて、そんなつもりで来た訳じゃ」

私がそう言って坂井さんの腕を掴むけれど、構わずに坂井さんは支払いを済ませてしまった。大きな紙バッグを肩に抱えると、坂井さんは私の手を繋いでショップを出て、

「さて。タバコタバコ…」

と言ってキョロキョロして喫煙所を探し始めた。
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