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第1部 デートの主導権は譲らない
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「雪子からもらったデスク用の置き時計、会社で大人気だよ」
「そうなの?デスクでよく寝るって言うから、目覚まし機能付きのね」
「そうそう。松林が悪戯にへんな音色にセットしてて、めっちゃ恥かいたけどな」
「松林さん、やりそう!誕生日は次回、何か考えるよ。再会した時には坂井さんの誕生日過ぎてたし」
私は笑ってしまった。すると、突然坂井さんが私の後ろから肩越しに顔を出して、
「あ、その色。雪子に似合いそう」
と指差すと、私は手に取っていた服を見た。薄いラベンダー色のモコモコ生地のワンピースの部屋着だ。ノースリブで、ベージュの薄いロングカーディガンもセットになっている。
「でも、これ紫…」
「俺には似合わないけど、お前には似合うだろ?紫って言っても、それ、薄い色だし、なんか、…春っぽくも見えるし。こういうの、お前たち世代は何色っていうんだ?」
「うーん。そうだなぁ。ラベンダー色かな」
「ラベンダー…。トイレの消臭剤…」
「やめて」
ギロッと坂井さんを睨むと、坂井さんは笑って誤魔化している。でも、坂井さんが気に入ってくれたなら、買おうかな。私はそう思って、そのワンピースを持って、
「試着する。試着室前にいてよ」
と言って坂井さんの腕を掴んで、ショップの奥の試着室コーナーに向かった。
「そうなの?デスクでよく寝るって言うから、目覚まし機能付きのね」
「そうそう。松林が悪戯にへんな音色にセットしてて、めっちゃ恥かいたけどな」
「松林さん、やりそう!誕生日は次回、何か考えるよ。再会した時には坂井さんの誕生日過ぎてたし」
私は笑ってしまった。すると、突然坂井さんが私の後ろから肩越しに顔を出して、
「あ、その色。雪子に似合いそう」
と指差すと、私は手に取っていた服を見た。薄いラベンダー色のモコモコ生地のワンピースの部屋着だ。ノースリブで、ベージュの薄いロングカーディガンもセットになっている。
「でも、これ紫…」
「俺には似合わないけど、お前には似合うだろ?紫って言っても、それ、薄い色だし、なんか、…春っぽくも見えるし。こういうの、お前たち世代は何色っていうんだ?」
「うーん。そうだなぁ。ラベンダー色かな」
「ラベンダー…。トイレの消臭剤…」
「やめて」
ギロッと坂井さんを睨むと、坂井さんは笑って誤魔化している。でも、坂井さんが気に入ってくれたなら、買おうかな。私はそう思って、そのワンピースを持って、
「試着する。試着室前にいてよ」
と言って坂井さんの腕を掴んで、ショップの奥の試着室コーナーに向かった。
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