10 / 652
第1部 デートの主導権は譲らない
10
しおりを挟む
そうして、私と坂井さんは有楽町にやってきた。
私が好きなショップは、有楽町のショッピングビルに入っている。電車移動が嫌いな坂井さんは、嫌な顔せず意外にすんなりと有楽町まで車を出してくれた。私が助手席に乗るのも、定着してきたかな。
無精髭は剃ってもらったし、緑色のシャツにジーパン。パーカーを羽織って、私の後ろでキョロキョロしながら店内を見渡している。
レディース服の店は20代~30代のカジュアル向けで、土日は若者が集まっている。彼氏と来る人も多いけれど、坂井さんがいるのは何気に違和感がある。
部屋着やパジャマを見て回っていると、
「雪子。俺タバコ」
「駄目です」
とりあえず、即答しといた。油断するとすぐタバコ吸いにいくんだから。
チラッと横目で坂井さんを見ると、坂井さんは残念そうに肩を落としている。
べ、ベッドでは主導権は譲るけど(敗北感…)、昼間は私が主導権を握るんだから。
「ねぇ、坂井さんは何色が好きなの?緑?」
「あ?色?…特にないけど、赤とか紫は苦手かな。こないだ、滋が誕プレとか言って、赤いトレーナーくれたけど、外で恥ずかしくて着れるかってんだよ」
「坂井さんが赤のトレーナー?!滋の嫌がらせだね、それ」
私は想像したら笑ってしまった。それ、映像化できないっ。
私が好きなショップは、有楽町のショッピングビルに入っている。電車移動が嫌いな坂井さんは、嫌な顔せず意外にすんなりと有楽町まで車を出してくれた。私が助手席に乗るのも、定着してきたかな。
無精髭は剃ってもらったし、緑色のシャツにジーパン。パーカーを羽織って、私の後ろでキョロキョロしながら店内を見渡している。
レディース服の店は20代~30代のカジュアル向けで、土日は若者が集まっている。彼氏と来る人も多いけれど、坂井さんがいるのは何気に違和感がある。
部屋着やパジャマを見て回っていると、
「雪子。俺タバコ」
「駄目です」
とりあえず、即答しといた。油断するとすぐタバコ吸いにいくんだから。
チラッと横目で坂井さんを見ると、坂井さんは残念そうに肩を落としている。
べ、ベッドでは主導権は譲るけど(敗北感…)、昼間は私が主導権を握るんだから。
「ねぇ、坂井さんは何色が好きなの?緑?」
「あ?色?…特にないけど、赤とか紫は苦手かな。こないだ、滋が誕プレとか言って、赤いトレーナーくれたけど、外で恥ずかしくて着れるかってんだよ」
「坂井さんが赤のトレーナー?!滋の嫌がらせだね、それ」
私は想像したら笑ってしまった。それ、映像化できないっ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
7
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる