続・君につづく道

びぅむ

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第1部 デートの主導権は譲らない

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この人にとっては、キスは『やらしいこと』には入らないのだという。で、「やらしいこと」は、キスのその先だから、という概念。  

いやいや。

当時10代だった私に、あんなキスしといて、よく言う……。

てか、そもそも「やらしい」って、なんだろう?既に基準がわからない。この人の基準が私の基準とは違うんだろう。

ともかくこの人は、正真正銘の本物のいやらしいオッサンだ。

普段ダラダラしているくせに、エッチとなると、無理してでも元気になるタイプだ。私を全然休ませてくれない。とことん体を開拓していく。激しくて、でも優しくて、この私がまるで飼い慣らされるみたいに。そんな坂井さんにいいようにヤラれて、逆らえなくなるんだ。

だけど、私のバージンの相手が坂井さんじゃないことが悔まれる。出来るなら、私の『初めて』ごと坂井さんに捧げたかった。

そう。…私の初めての人は、坂井さんとは真逆の人だった。優しくて、紳士的で、魅力的な人ではあった。不満はなかった。

でも、やっぱり私には物足りないんだ。

私には優しいだけの人は、ダメなのかもしれない。なんて…。世の中の女子全員を敵に回しそうな発言は、やめておこうかな…。
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