優しい夜のうた〜美夜篇〜

第6章 温かいラブソング

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今日は、滋を呼んで私が何かご馳走を作る約束をしていた。最近忙しくて、なかなか早く帰れない祐兄にも、早めに仕事を切り上げてもらって、私は得意のメカジキのマスタードソース焼きを作ってみんなに食べてもらった。

サラダ、メインのメカジキ、そしておばあちゃん仕込みの信州そばを茹でて、冷たくして食べると、みんなは満足して誉めてくれた。

食べ終わってから、祐兄が後片付けを手伝ってくれて、滋は凜ちゃんと遊んでいた。凜ちゃんが寝た後、私達はソファーに座ってコーヒーを飲んでいた。




私は、リュウに言われたことをみんなにちゃんと話したくて、だけど、なんだか怖くてなかなか切り出せずにいた。

祐兄と滋は笑い合って、私の頭を優しく撫でたり、肩を抱いたりしてくれる。

大好きな人。

大切な人………。

「美夜…？」

と突然滋に言われて、私はハッと我に返った。祐兄と滋は、不思議そうに私を見つめている。頬に、生暖かい涙が流れていて、私は自分が泣いていることにようやく気がついた。