優しい夜のうた〜美夜篇〜

第4章 愛されなかった子供

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「もう、いちいちうるさい圭太はいない。好きにやらせてもらうぜ」

リュウはそう呟くと、目の前に現れた杉本を見て眉をひそめ、あからさまに嫌そうな目つきになった。

「別れたろ？顔見せるなよ。引き際の悪い女って、ミジメ～！」

とリュウが冷たく笑いながら言うと、周りの男子たちも顔を見合わせて笑い合った。

「春川美夜はリュウと寝取ってないって言ってたの。大嫌いだ…って。ねぇ、リュウ。ホントは嘘なんでしょ？別れるなんて」

と杉本が涙ぐみながら言うと、リュウはクッと笑いをこらえて杉本を見た。

「……そんなに俺が好きか？雅美」

「好きよ！！」

「じゃあ、美夜を連れてこい！」

リュウが冷たく言うと、杉本は驚いて目を丸くした。

「俺の部屋まであいつを連れてくることが出来たら、またお前を抱いてやる。それが出来るまでは、俺に近づくな。LINEも電話もするな」

「でも、あの子とは絶交したわ！私の言うことなんて…」