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第3章 汚れた記憶
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私がそう言うと、祐兄は頷いて微笑んだ。
「再婚だったけど、親父は中学の頃からずっと、お母さん………祥子さんのことが好きだったんだ。祥子さんを追って、せっかく決まった高校も変更して、祥子さんと同じ高校にしたらしい。だけど、なかなか手に入らない祥子さんをものにしたくて、オヤジは卑劣な手を使って祥子さんを手に入れたんだ」
祐兄は運ばれてきた料理を見て、箸を持った。私は緊張したまま、
「…卑劣な手段…て?」
と尋ねると、祐兄と滋は顔を見合わせて悪そうに俯いた。
「…眠らせて、暴行した…」
祐兄が小さく言うと、私は息を飲んだ。
「訴えられなかったの?!」
「梶原の父親が、揉み消した。二人は付き合ってた、ということにしてね……」
「!!!」
私は思わず涙が溢れて、はっとして涙を拭った。
「祥子さんは苦しみ、悩んで、でも果樹園を守りたかったんだと思う。噂は悪い方に広まっていくからね。そのことも示談で弁護士から言われたらしい。祥子さんの将来に傷がつく、とかね。仕方なく梶原家が出した提案を受け入れて、二人は付き合い始めたよ。やがて東京に来て大学に通うようになって、小沢俊一さんと会った。萌梨の父親だよ。オヤジと別れて、祥子さんは小沢さんと付き合い始めた。二人はうまくいってたらしい。オヤジは諦めてなかったみたいだけどな。小沢さんと祥子さんは、オヤジの会社に就職した。オヤジは二人に当て付けするように、結婚したんだ。その相手は、小沢さんの元カノだったそうだ」
「再婚だったけど、親父は中学の頃からずっと、お母さん………祥子さんのことが好きだったんだ。祥子さんを追って、せっかく決まった高校も変更して、祥子さんと同じ高校にしたらしい。だけど、なかなか手に入らない祥子さんをものにしたくて、オヤジは卑劣な手を使って祥子さんを手に入れたんだ」
祐兄は運ばれてきた料理を見て、箸を持った。私は緊張したまま、
「…卑劣な手段…て?」
と尋ねると、祐兄と滋は顔を見合わせて悪そうに俯いた。
「…眠らせて、暴行した…」
祐兄が小さく言うと、私は息を飲んだ。
「訴えられなかったの?!」
「梶原の父親が、揉み消した。二人は付き合ってた、ということにしてね……」
「!!!」
私は思わず涙が溢れて、はっとして涙を拭った。
「祥子さんは苦しみ、悩んで、でも果樹園を守りたかったんだと思う。噂は悪い方に広まっていくからね。そのことも示談で弁護士から言われたらしい。祥子さんの将来に傷がつく、とかね。仕方なく梶原家が出した提案を受け入れて、二人は付き合い始めたよ。やがて東京に来て大学に通うようになって、小沢俊一さんと会った。萌梨の父親だよ。オヤジと別れて、祥子さんは小沢さんと付き合い始めた。二人はうまくいってたらしい。オヤジは諦めてなかったみたいだけどな。小沢さんと祥子さんは、オヤジの会社に就職した。オヤジは二人に当て付けするように、結婚したんだ。その相手は、小沢さんの元カノだったそうだ」
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