優しい夜のうた〜美夜篇〜

びぅむ

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第3章 汚れた記憶

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すると、リュウは鼻で笑いながら、

「手回しがいいな。はいはい。今日は帰りますよー。だけど、美夜。必ずお前から俺のところに来るよ」

と言って私を見つめると、私は驚きながらリュウを見つめた。そうしてリュウたちが帰っていくと、私はきつく目を閉じた。

「あいつ、なんなんだ?圭太の友達?」

と祐兄が呟くように言うと、滋は溜め息をついて頭をかいた。

「圭太の高校の後輩なんだけど、暴力事件おこしたり、なんかいろいろと問題児なんだ。圭太とは特別仲がいいわけじゃないし、どっちかっていうとライバルみたいな、へんな関係。いちいち圭太のやることに反対したり、逆らったり。それでも、圭太は懲りずにあいつの面倒を見ようとしてた。救おうとしていたのかも。俺はほっとけって言ったんだけどな。タチが悪いんだ。リュウは…」

滋はそう言いながら私を見ると、

「…そのリュウと、なんで知り合い?美夜」

と尋ねてきて、私はギクッとした。

「…私のクラスメートの彼氏が、リュウだったの。それだけ……」

私が答えると、祐兄は眉をしかめて、

「危なそうな奴だな。美夜、気をつけろよ」

と優しく肩を叩いて、私たちは歩き始めた。

もう、あいつと寝た…なんて知ったら、キレるよね。

でも、あいつのあの言い方。

なんか、気になる。もう近づいてほしくない…。

怖い人…。
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