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第3章 汚れた記憶
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祐兄はそう言って、励ましているのに自分が泣きそうになっている。辛いのは、私だけじゃない。祐兄も、本当は離れたくないんだろうね。祐兄は離れ難そうに圭ちゃんの腕を掴んだり、肩を掴んだりしている。滋たちも、心なしか寂しそうな笑顔になっている。
「頑張れよ、圭太!」
坂井さんが力強く言うと、雪ねぇも負けずに、
「頑張って!私もそのうちロンドンに遊びにいくわよ!」
と微笑んで叫んだ。圭ちゃんは頷いて右手を上に上げて軽く左右に振ると、くるりと背中を向けた。
「じゃ、行ってきます」
圭ちゃんはそう言って、とうとう出発ロビーに歩き出した。私は溢れる涙で、圭ちゃんの笑顔も背中も見れなかった。
行かないで。
圭ちゃん。
そばにいてよ…!
涙で、向こうに消えていく圭ちゃんの姿が滲んでしまう。私は、声を上げて泣き出してしまった。
「うわあああっ…!」
そんな私を、祐兄は優しく抱きしめてくれて、私は祐兄の胸に頬をうずめて、さらに声を上げて、泣いた。
圭ちゃんは、何度か振り向いていたようだけど、そのまま出発ロビーを過ぎて、角を曲がり見えなくなってしまった。雪ねぇも少し涙ぐんでいて、坂井さんは慰めるようにそんな雪ねえの肩を抱いていた。
坂井さんと雪ねぇは先に帰っていき、私と祐兄は間に凜ちゃんを挟んで手を繋ぐと、私は振り向いて滋を見た。少し離れたところで、滋は携帯で誰かと話をしている。仕事の話しっぽい。
「頑張れよ、圭太!」
坂井さんが力強く言うと、雪ねぇも負けずに、
「頑張って!私もそのうちロンドンに遊びにいくわよ!」
と微笑んで叫んだ。圭ちゃんは頷いて右手を上に上げて軽く左右に振ると、くるりと背中を向けた。
「じゃ、行ってきます」
圭ちゃんはそう言って、とうとう出発ロビーに歩き出した。私は溢れる涙で、圭ちゃんの笑顔も背中も見れなかった。
行かないで。
圭ちゃん。
そばにいてよ…!
涙で、向こうに消えていく圭ちゃんの姿が滲んでしまう。私は、声を上げて泣き出してしまった。
「うわあああっ…!」
そんな私を、祐兄は優しく抱きしめてくれて、私は祐兄の胸に頬をうずめて、さらに声を上げて、泣いた。
圭ちゃんは、何度か振り向いていたようだけど、そのまま出発ロビーを過ぎて、角を曲がり見えなくなってしまった。雪ねぇも少し涙ぐんでいて、坂井さんは慰めるようにそんな雪ねえの肩を抱いていた。
坂井さんと雪ねぇは先に帰っていき、私と祐兄は間に凜ちゃんを挟んで手を繋ぐと、私は振り向いて滋を見た。少し離れたところで、滋は携帯で誰かと話をしている。仕事の話しっぽい。
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