優しい夜のうた〜美夜篇〜

びぅむ

文字の大きさ
上 下
27 / 104
第2章 セブンティーン

12

しおりを挟む
「春川美夜です。静岡から参りました。よろしくお願いします」

春川、という苗字はおじいちゃんの姓だ。みんなは温かく拍手で迎えてくれて、私は後ろの席に案内されると、ふと誰かの視線を感じて辺りを見回した。

誰かは分からないけど、なんだか妙な視線を感じる。

誰かが、私を知っている……?

でも苗字変わってるし、『あのこと』も知られるわけはない。私はそう思うようにしていた。



休み時間になると、隣の席の長い髪のかわいらしい女子が私の顔を覗き込み、

「春川さん。私、杉本雅美って言うの。よろしくね」

と言って髪を耳にかけながら微笑むと、私は頷いて笑った。

「よろしくね。杉本さん」

「あなた、きれいね。同い年なんて思えないくらいよ」

「ありがとう。残念だけど、同い年よ」

「残念~~!男だったらかなりのイケメンなのにぃ!」

彼女はそう言って肩をすくめるので、私とそばにいた他の女子たちも顔を見合わせて笑い合った。そこに数人の女子が集まってきて、

「よろしくね!今日帰りにハンバーガー屋寄ってくんだけど、いかない?」

と声をかけてくれると、私は笑いながら頷いた。

「うん!ぜひ!」

「春川さん美人だから、すぐに人気でるよ。男なんてみんなバカだから、声かけられても無視したほうがいいわよ」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

完結【R―18】様々な情事 短編集

秋刀魚妹子
恋愛
 本作品は、過度な性的描写が有ります。 というか、性的描写しか有りません。  タイトルのお品書きにて、シチュエーションとジャンルが分かります。  好みで無いシチュエーションやジャンルを踏まないようご注意下さい。  基本的に、短編集なので登場人物やストーリーは繋がっておりません。  同じ名前、同じ容姿でも関係無い場合があります。  ※ このキャラの情事が読みたいと要望の感想を頂いた場合は、同じキャラが登場する可能性があります。  ※ 更新は不定期です。  それでは、楽しんで頂けたら幸いです。

【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)

幻田恋人
恋愛
 夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。  でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。  親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。  童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。  許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…  僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

処理中です...