優しい夜のうた〜美夜篇〜

びぅむ

文字の大きさ
上 下
25 / 104
第2章 セブンティーン

10

しおりを挟む
「…お姉ちゃんのことなんだけど」

改めて私が言うと、祐兄は少しキョトンとして私を見つめた。

「あの時は子供だったから、意味がよく分からないこともあった。今なら、分かると思うの。お姉ちゃんと同じ歳なんだよ。あの時のお姉ちゃんの気持ち、改めて知りたい。どうして私は圭ちゃんと兄弟なのか。お母さんの気持ちとか。改めて、教えてほしいの…。分かってるつもりだけど、現実に直視できずにいたところもあるから。ちゃんと、全部聞きたいの」

「美夜…」

祐兄は、驚いて私をじっと見つめている。

「そうか。もう、あの頃の萌梨と同じ年になるのか」

「うん」

「そうだな。何となくは分かってるだろうけど、改めて話したことはないよね。週末、外に食べにいこう。そこで話すよ」

優しい祐兄がそう言うと、私は嬉しくなってニッコリと笑った。

「あとね。バイトもしたい!」

「ゲッ!」

祐兄の笑顔が、苦いものを食べちゃった時みたいに困った表情になって、私は吹き出してしまった。

祐兄の自宅から電車で10分程、スクールバスで10分くらいのところに、私がこれから通う高校がある。祐兄はついてくるって言ってくれたけれど、私は一人で行くことを選んだ。自転車で行ける距離だと思ったけれど、祐兄は「ダメだ!危ない。ここは静岡のあの町とは違うんだから」の一点張りだ。過保護だなぁ。

でも、私はそんな祐兄の愛情が嬉しかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

【R18】散らされて

月島れいわ
恋愛
風邪を引いて寝ていた夜。 いきなり黒い袋を頭に被せられ四肢を拘束された。 抵抗する間もなく躰を開かされた鞠花。 絶望の果てに待っていたのは更なる絶望だった……

完結【R―18】様々な情事 短編集

秋刀魚妹子
恋愛
 本作品は、過度な性的描写が有ります。 というか、性的描写しか有りません。  タイトルのお品書きにて、シチュエーションとジャンルが分かります。  好みで無いシチュエーションやジャンルを踏まないようご注意下さい。  基本的に、短編集なので登場人物やストーリーは繋がっておりません。  同じ名前、同じ容姿でも関係無い場合があります。  ※ このキャラの情事が読みたいと要望の感想を頂いた場合は、同じキャラが登場する可能性があります。  ※ 更新は不定期です。  それでは、楽しんで頂けたら幸いです。

皇太子夫妻の歪んだ結婚 

夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。 その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。 本編完結してます。 番外編を更新中です。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

処理中です...