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第2章 セブンティーン
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「美夜。おいで」
オトウサンは、幼い私を呼んだ。
初めて書斎に呼ばれた時は、確かワクワクしながら書斎に向かったことを覚えている。
「可愛い美夜。僕のものだ。世界で一番、可愛いよ」
まるで口癖のように、いつもそう言って私の体に触れてくる。
最初は頭。
優しく髪を撫でて、肩をぎゅっと抱き寄せる。
例えばそこに、圭ちゃんが入ってきて、
「美夜!今日学校で、お前の好きな人形の…」
と言ってきても、オトウサンは私を離さずにギロッと圭ちゃんを睨む。
「後にしなさい。美夜は今、僕と話をしてるんだ」
オトウサンはそう言って、圭ちゃんを追い返す。その時の圭ちゃんの傷ついた顔。
……子供心にも、なんだか辛かった。
でも、なんて言えばいいのか分からなかった。
それが辛くて、私はある時勇気を振り絞り、オトウサンに話してみた。
「圭ちゃん、かわいそうだよ。美夜、圭ちゃんのとこに行ってきてもいい?」
私がそう言うと、今度はオトウサンが傷ついた顔をした。
「でも、オトウサンが誰より一番、美夜を愛してるんだ」
「オトウサン…?」
なんだかオトウサンの様子がおかしくて、急に怖くなって、
「…圭ちゃん………!」
と言いながら書斎を出ようとすると、オトウサンは私の体を突き飛ばした。
え?
私はソファーに手をかけながら転んで、オトウサンを見上げた。
「美夜、愛してる!何処にも行くな!僕以外の誰に呼ばれても、お前のことを好きなのは、僕だけなんだ!」
「美夜。おいで」
オトウサンは、幼い私を呼んだ。
初めて書斎に呼ばれた時は、確かワクワクしながら書斎に向かったことを覚えている。
「可愛い美夜。僕のものだ。世界で一番、可愛いよ」
まるで口癖のように、いつもそう言って私の体に触れてくる。
最初は頭。
優しく髪を撫でて、肩をぎゅっと抱き寄せる。
例えばそこに、圭ちゃんが入ってきて、
「美夜!今日学校で、お前の好きな人形の…」
と言ってきても、オトウサンは私を離さずにギロッと圭ちゃんを睨む。
「後にしなさい。美夜は今、僕と話をしてるんだ」
オトウサンはそう言って、圭ちゃんを追い返す。その時の圭ちゃんの傷ついた顔。
……子供心にも、なんだか辛かった。
でも、なんて言えばいいのか分からなかった。
それが辛くて、私はある時勇気を振り絞り、オトウサンに話してみた。
「圭ちゃん、かわいそうだよ。美夜、圭ちゃんのとこに行ってきてもいい?」
私がそう言うと、今度はオトウサンが傷ついた顔をした。
「でも、オトウサンが誰より一番、美夜を愛してるんだ」
「オトウサン…?」
なんだかオトウサンの様子がおかしくて、急に怖くなって、
「…圭ちゃん………!」
と言いながら書斎を出ようとすると、オトウサンは私の体を突き飛ばした。
え?
私はソファーに手をかけながら転んで、オトウサンを見上げた。
「美夜、愛してる!何処にも行くな!僕以外の誰に呼ばれても、お前のことを好きなのは、僕だけなんだ!」
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