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第1章 さよなら、果樹園
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祐兄さんがいなかったら、お姉ちゃんと滋がまとまっていたに違いない。滋は、最後までひたむきにお姉ちゃんを愛していたと思う。
それを引きずってか、滋の恋は長続きしない。
明るい笑顔の裏に隠された悲しみを、私は見て見ぬフリをしなくてはならない。
みんなで鉄板を囲んで焼肉をしていると、圭太兄さんが隣にいて、なんだかんだと焼けたお肉を取ってくれる。
「お前、もっと食って太れよ」
「なんで?」
私は首を傾げて圭太兄さんを見ると、
「これから凜がいたら、かなり体力使うぜ?こいつの元気はハンパナイ。底無しだ」
と言いながら向かい側に座る凛ちゃんを見て言うと、凜ちゃんには意味がよくわからなかったみたいで、ニコニコ笑っている。
「でも、おじいさんのことは残念だったわね。私も寂しい。静岡じゃなかったらお葬式行けたんだけど、行けなくてごめんね。辛かったよね、美夜。おばあさん、一人で大丈夫なの?」
とゆき姉はビールを飲みながら言うと、私は小さく肩をすぼめた。
「…ほんとは離れたくなかったよ。だけどおばあちゃん、私を見てるのが辛いのかなって思って……そしたら、離れた方がおばあちゃんのためなのかと思ったの。でも、辛いよ」
私がそう言うと、圭太兄さんは私の額を小突いて、
「馬鹿だな。辛くなんかあるもんか。おばあさんもおじいさんも、美夜といれて幸せだったと思うよ。だから、そんな風に思っちゃ駄目だよ」
と優しく叱ると、私は頷いて圭太兄さんを見た。
それを引きずってか、滋の恋は長続きしない。
明るい笑顔の裏に隠された悲しみを、私は見て見ぬフリをしなくてはならない。
みんなで鉄板を囲んで焼肉をしていると、圭太兄さんが隣にいて、なんだかんだと焼けたお肉を取ってくれる。
「お前、もっと食って太れよ」
「なんで?」
私は首を傾げて圭太兄さんを見ると、
「これから凜がいたら、かなり体力使うぜ?こいつの元気はハンパナイ。底無しだ」
と言いながら向かい側に座る凛ちゃんを見て言うと、凜ちゃんには意味がよくわからなかったみたいで、ニコニコ笑っている。
「でも、おじいさんのことは残念だったわね。私も寂しい。静岡じゃなかったらお葬式行けたんだけど、行けなくてごめんね。辛かったよね、美夜。おばあさん、一人で大丈夫なの?」
とゆき姉はビールを飲みながら言うと、私は小さく肩をすぼめた。
「…ほんとは離れたくなかったよ。だけどおばあちゃん、私を見てるのが辛いのかなって思って……そしたら、離れた方がおばあちゃんのためなのかと思ったの。でも、辛いよ」
私がそう言うと、圭太兄さんは私の額を小突いて、
「馬鹿だな。辛くなんかあるもんか。おばあさんもおじいさんも、美夜といれて幸せだったと思うよ。だから、そんな風に思っちゃ駄目だよ」
と優しく叱ると、私は頷いて圭太兄さんを見た。
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