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第一話 転生したら推しの婚約者だった
脳筋じゃなくても直進で
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とは言っても、学校入学直前…ほんの3ヶ月しかない。何が出来るかと言われると……環境をガラッと変えられるほどの地位も、頭も無い私にはほぼ何も出来まい。解決策を考えなきゃ……
ー1ヶ月後ー
あと2ヶ月を切ったところで私はあの倒れた日以来合っていない、フェル様ともう一度対面する。
あの時は私がフェル様を見た衝撃で前世の記憶を思い出し、キャパオーバーにてオジャンになってしまったが。もう大丈夫!……大丈夫だよね?私。推し見てぶっ倒れないかな…
コンコンと軽快なドアのノック音が聞こえ、ドアの向こうから、ミルの声が響く。…フェル様が来たっと直感で気づいた。
「フェル•ライゼント様がお越しになられました。」
「どうぞ。」
ドアの回す音と共に入ってきた彼は……見事に当たり前のごとく、私のドタイプだった!!
姿を見て硬直。こんなことしてる暇では無いのに、唖然としてしまう。失礼します。という声と共にソファに腰掛けたフェル様、絵になるわぁ~。硬直した私の体とオタク脳は彼の声で一瞬として弾け飛んだ。
「改めまして、フェル•ライゼントと申します。エリーフェ•バレナティオ様にまた、ご挨拶出来る機会を楽しみに待っておりました。」
軽い会釈と固定された発言。彼の漫画でのセリフを借りるのであれば「全て予習通り。」であろうセリフ。婚約者に微塵も興味が無いことが滲み出てるぞ!フェル様!
…しかし、全くもってこちらには好都合だ。こちらに情がなければ物事も進めやすい。
え?推しと結ばれるのは諦めたんじゃ無いのって?まあまあ、こっからだわ。
「改めまして、エリーフェ•バレナティオです。こちらこそ、楽しみにしておりましたわ。フェル•ライゼンド様。」
仮面に仮面を貼り付けたような雰囲気、すっごく気持ち悪いけど仕方ない、どちらもガチで政略結婚の雰囲気だもの。
本来のエリーフェならばフェル様♡みたいな感じだろうけど。恋人みたいな雰囲気じゃなくて、取り引き相手の雰囲気のほうが圧倒的に話が進めやすい。
「急なのですが、フェル様と今後の話を2人でしたいのでミル。席を外していただけないかしら。」
「かしこまりました。」
ミルが出て行く音と共に、フェル様のムッ?とした顔。一体今何の話をこれからされるのか考えているところでしょう。私と言うオタクにはお見通しですよ!!
「話とは、どのようなことでしょうか。」
「いえ、大した話ですの。」
「…大した…話ですか。」
くだらないことを想定していたのか少し驚いている様子だった。これから話す内容に彼はびっくりするだろうか、それとも呆れた顔をするだろうか。正直どっちでもいい。どっちも可愛いし、幸せの一歩の筈だから。
「私!フェル様と別の方との恋路を応援したいのですが!!」
• • •ポカーン。今の空気に最高に会う効果音。
何を言ってるんだこいつはと言わんばかりの目で見ないでくださいフェル様!
目を大きく見開いてはすぐに目を細めてジッと観察されるように見られる。ガチで穴が開く。諦めるのは私とフェル様が結ばれる運命のみ!!
「彼女を知っているのか。」
…おっとこれは唐突の質問。てっきり、何を馬鹿げた話をとか。急にどうしたのですか。とか言われると思ったけど食いつきが良いですね。流石一途。
「いえ、ただフェル様がずっと一途に思っている方がいらっしゃると社交界の女性の間でも有名なものですから。そうなのかな…と。」
「……。」
それっぽいこと言えた。おし!いいのでは??いいのでは無いですか!でも彼ならこのくらいの内容じゃ多分婚約者としては成立する。どんなことにでも保険をかけて慎重に行動する、ちょっとやそっとの事では考えを変えない、悪く言いたくないけど言っちゃえばお堅い人なのだ。
どこまで掻い潜るか、ヒロインが学園に入るこの一年どうやって彼をヒロインの意中の男にしてやれるか。
「……君は、婚約破棄されても良いのかい?自分で言うのもなんだが、僕は地位や頭は持っている筈だが。政略結婚相手としても申し分ないと思うのだか。」
「そう言われると…微妙ですね。」
問題なのはお家の事だ。婚約破棄されちゃ私の父が黙ってない筈。いかに掻い潜れるか…
それにこの漫画じゃっかんヒロインがハーレム気味だから一歩間違えれば他の相手に転がってしまうかもしれない。
でも!面倒だって分かってる。難しいって知ってる。ここで曲げたら叶うもんじゃ無いことくらい理解してる!
「…微妙です、けど!なんとかしてみせます!」
「……。何故?何故貴方はそこまでその噂に執着するのですか。」
彼は首を少し傾けて背を反らせる。
「……そんなの、そんなの!
”推しの幸せな顔が見たいから”に決まってるでしょう!!」
「……はい?」
開始早々、やらかしたかもしれません。
ー1ヶ月後ー
あと2ヶ月を切ったところで私はあの倒れた日以来合っていない、フェル様ともう一度対面する。
あの時は私がフェル様を見た衝撃で前世の記憶を思い出し、キャパオーバーにてオジャンになってしまったが。もう大丈夫!……大丈夫だよね?私。推し見てぶっ倒れないかな…
コンコンと軽快なドアのノック音が聞こえ、ドアの向こうから、ミルの声が響く。…フェル様が来たっと直感で気づいた。
「フェル•ライゼント様がお越しになられました。」
「どうぞ。」
ドアの回す音と共に入ってきた彼は……見事に当たり前のごとく、私のドタイプだった!!
姿を見て硬直。こんなことしてる暇では無いのに、唖然としてしまう。失礼します。という声と共にソファに腰掛けたフェル様、絵になるわぁ~。硬直した私の体とオタク脳は彼の声で一瞬として弾け飛んだ。
「改めまして、フェル•ライゼントと申します。エリーフェ•バレナティオ様にまた、ご挨拶出来る機会を楽しみに待っておりました。」
軽い会釈と固定された発言。彼の漫画でのセリフを借りるのであれば「全て予習通り。」であろうセリフ。婚約者に微塵も興味が無いことが滲み出てるぞ!フェル様!
…しかし、全くもってこちらには好都合だ。こちらに情がなければ物事も進めやすい。
え?推しと結ばれるのは諦めたんじゃ無いのって?まあまあ、こっからだわ。
「改めまして、エリーフェ•バレナティオです。こちらこそ、楽しみにしておりましたわ。フェル•ライゼンド様。」
仮面に仮面を貼り付けたような雰囲気、すっごく気持ち悪いけど仕方ない、どちらもガチで政略結婚の雰囲気だもの。
本来のエリーフェならばフェル様♡みたいな感じだろうけど。恋人みたいな雰囲気じゃなくて、取り引き相手の雰囲気のほうが圧倒的に話が進めやすい。
「急なのですが、フェル様と今後の話を2人でしたいのでミル。席を外していただけないかしら。」
「かしこまりました。」
ミルが出て行く音と共に、フェル様のムッ?とした顔。一体今何の話をこれからされるのか考えているところでしょう。私と言うオタクにはお見通しですよ!!
「話とは、どのようなことでしょうか。」
「いえ、大した話ですの。」
「…大した…話ですか。」
くだらないことを想定していたのか少し驚いている様子だった。これから話す内容に彼はびっくりするだろうか、それとも呆れた顔をするだろうか。正直どっちでもいい。どっちも可愛いし、幸せの一歩の筈だから。
「私!フェル様と別の方との恋路を応援したいのですが!!」
• • •ポカーン。今の空気に最高に会う効果音。
何を言ってるんだこいつはと言わんばかりの目で見ないでくださいフェル様!
目を大きく見開いてはすぐに目を細めてジッと観察されるように見られる。ガチで穴が開く。諦めるのは私とフェル様が結ばれる運命のみ!!
「彼女を知っているのか。」
…おっとこれは唐突の質問。てっきり、何を馬鹿げた話をとか。急にどうしたのですか。とか言われると思ったけど食いつきが良いですね。流石一途。
「いえ、ただフェル様がずっと一途に思っている方がいらっしゃると社交界の女性の間でも有名なものですから。そうなのかな…と。」
「……。」
それっぽいこと言えた。おし!いいのでは??いいのでは無いですか!でも彼ならこのくらいの内容じゃ多分婚約者としては成立する。どんなことにでも保険をかけて慎重に行動する、ちょっとやそっとの事では考えを変えない、悪く言いたくないけど言っちゃえばお堅い人なのだ。
どこまで掻い潜るか、ヒロインが学園に入るこの一年どうやって彼をヒロインの意中の男にしてやれるか。
「……君は、婚約破棄されても良いのかい?自分で言うのもなんだが、僕は地位や頭は持っている筈だが。政略結婚相手としても申し分ないと思うのだか。」
「そう言われると…微妙ですね。」
問題なのはお家の事だ。婚約破棄されちゃ私の父が黙ってない筈。いかに掻い潜れるか…
それにこの漫画じゃっかんヒロインがハーレム気味だから一歩間違えれば他の相手に転がってしまうかもしれない。
でも!面倒だって分かってる。難しいって知ってる。ここで曲げたら叶うもんじゃ無いことくらい理解してる!
「…微妙です、けど!なんとかしてみせます!」
「……。何故?何故貴方はそこまでその噂に執着するのですか。」
彼は首を少し傾けて背を反らせる。
「……そんなの、そんなの!
”推しの幸せな顔が見たいから”に決まってるでしょう!!」
「……はい?」
開始早々、やらかしたかもしれません。
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