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第五章
過去を区切るガードレール
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彼は深い眠りに着き、現実か
夢か分からない光景の中に居た。
彼は、人気の無い県道を歩いていた。なだらかな坂道で、その先には枯れ木の間から夕日が覗いていた。
その坂道を上り詰めると木々の下に緑色の湖が広がっていた。
彼は県道と湖を隔てるガードレールを一区切り、また、一区切り、何かを確かめるように見ながら歩いて登った。
すると、左手先に電柱が見えてきた。
彼は早足にその電柱を目指した。電柱まで来ると、彼はまたガードレールを点検するかのようにまじまじと見つめた。
彼はあの場所に来たことを既に承知していた。
あの夏、彼がガードレールを突き壊し、車体ごと湖に落ちた、あの現場であることを、
あのダム湖であることを
また、彼は覚えていた。そこにある電柱を彼の車がかすめるように、今、彼が見つめているガードレールを突き壊したことを
ガードレールはその箇所だけが明らかに他のものとは違って、あたかも転校生のように、気まずそうに周りと違う白色を纏っていた。
そのガードレールのダム湖側に生える竹藪は、何事もなかったかのように周りと同化して自然と生え揃っていた。
彼はそこから道なりに下り、50メートル先の舟屋を目指した。
時刻は午後4時前をさし、ダム湖は夕陽に照らされ、本来のどす黒い水面を隠していた。
彼は、ガードレールが途切れ、ダム湖に繋がる木製の階段を降り、桟橋の左手にある舟屋に入って行った。
舟屋には、鮒釣り用のレンタル竿や仕掛け、餌などが用意されており、レジのカウンターの向こうに、丸椅子に座り、煙草を咥えた老人が1人座っていた。
おそらく、この舟屋の店主であると彼は思った。
店主は、レジカウンターに彼が近づいて来るのをやっと感じ取り、慌てて今日は終わりだよ、
と一言だけ言うと、後は知らぬと言わんばかりに煙草を蒸し、足元にあるストーブに手をかざした。
彼は思った。俺のことは覚えてないな。もう、30年以上も前のことだからと
彼は店主と一言も言葉を交わす事なく店を出て、桟橋を戻り、
また、木製の階段を登り県道に出ると、道路の向かい側にある喫茶店に入って行った。
喫茶店は赤煉瓦の屋根に白漆喰の壁といった外観を呈していた。
彼が片扉を引き開けるとチャリンチャリンと客の訪れを告げる鈴が鳴った。
店の中にはカウンター席と4人がけのテーブル席が2組設置されていた。
カウンター席には、作業服姿の男性の客が1人座っており、カウンター越しにマスターらしき男性の老人と話していた。
老人は、彼を見て、いらっしゃいとだけ言い、また、その客との話を続け出した。
彼は灰皿があるかテーブルを見渡し、ガラス製の丸い灰皿が置かれたテーブルを選び、窓側の椅子に腰掛けた。
老人が冷水を運んできたので、彼はコーヒーを頼んだ。
そして、彼は煙草を取り出し、火をつけ吸い始めた。
一本の煙草を吸い終わる頃に老人がコーヒーを運んできた。
彼のもとにコーヒーとミルク、砂糖、お手拭きを置くと、カウンターの中に戻って行った。
彼が2本目の煙草に火をつけ、一口、コーヒーを飲み、カップをテーブルに戻すと、
その段階を待っていたかのように、カウンターの客が彼に大声で話しかけてきた。
鮒釣りに来たんか?今は全く釣れんで!と
彼は舟屋に行ったが営業時間が終わっていた。と言った。
客は、釣れよん時は、今から夕闇まで釣らせてくれるんやが、釣れんけんなぁ~と、
老人に向かって笑いながら言った。
そして、客は彼に向かい、あんた、ここによう釣りに来るんかい?と尋ねた。
彼は、前は来ていた。それもかなり昔で学生の頃だと嘘を言った。
客は、あんた、今、こっちに居らんのか?と何気なく聞き直した。
彼は今は東京に居るとだけ言った。
客は、東京から来たんかえ~、そりゃ、遠いわなぁ~と、
また、老人に向かって笑いながら話した。
そして、今度は、どちらに言うわけでもなく、
今、ここは鮒釣りより、自殺に来る人の方が多いけんのぉ~と、
客は大笑いしながら大声で言った。
どうも、客は、本当はその事を先ず一番に彼に言いたかったようであった。
彼がそうであるかのように
自殺の名所ですか。と彼は応じた。
客は、そうや!毎月1人は死んどる。車ごと突っ込むからのぉ~と、
煙草を上着の胸下のポケットから取り出しながら、
やっと、幕が開いた演者のように、詩美やに答えた。
彼も3本目の煙草に火をつけ、そして客に言った。
でも、ガードレールはしっかりと付いてますよね。と
客は、首と手を同時に忙しく振りながら、
こっち側やないで!向こう側やで!
こっち側は、走り屋、飛ばす奴が多いけん、警察がよう見張っちょるけん、おらんのや!と言った。
すると、カウンターの中に居て一言も会話に入って来なかった老人が急いで割り込み、こう言った。
でん、前、あったやんか!学生がダムに落っこちて、女の人だけ死んだ事故が!と
客がうんうんと頷きながら、
そうそう、あったあった!女の人だけ死んだやつやろ!
ヤンキーが逆走して、にいちゃんの車がダムに弾き飛ばされた事故やったわな!と言った。
老人が嬉しそうに続いて言った。
あれからやわ。警察がよう来てくれ出してのぉ~、若いもんが飛ばさんようになったわと、
客が言う。
でんなぁ~、ワシらはようなったが、あの舟屋の大将はさっぱりやったけんのぉ~と、
椅子からひっくり返るかのように仰け反り、笑いで涙が出たかのように、お手拭きで目頭を押さえ、大笑いに捲し立てた。
ここで、彼が、舟屋は何かあったんですか?と尋ねた。
客は彼の方に回転椅子を振り向け、こう言った。
いやいや、ダムに落ちた車のガソリンがいっぱい流れ出してのぉ~、
3ヶ月ぐらい、あそこの前の水面はガソリンで滲んでのぉ~、
そいで客足がさっぱり途絶えてしまってなぁ~と、
人の不幸ほど面白いものは無いかのように、客は笑いを一生懸命に堪えながら言い放った。
老人が、
まぁ~、今は、何も知らん県外の人がよう来だしたけん、舟屋ももっちょる。
とオチを言った。
客も今日のネタはこれでお仕舞いかのように、話を続ける事なく、頷くだけであった。
彼は4本目に吸おうとした煙草を箱に戻し、残りのコーヒーを飲み終え、勘定を払い、喫茶店を出た。
そして、来た道を引き返し、あの電柱の前に止まり、ガードレールをじっと見た。
彼は、徐にガードレールを跨ぎ、竹藪をダムに向かって降りて行った。
よく見ると、一定の幅だけ、竹が低いようにも思えた。
彼は、湖岸まで降りると、竹を片手に掴み、足元を確認して、腰を下ろし、四本目の煙草を取り出した。
そして、彼は煙草に火をつけ、湖の中を覗くように見た。
彼がこのダム湖の中を上から見るのは、初めてであった。
彼は、やっと帰って来れたと、一言呟いた。
それから、彼は靴を脱ぎ、あの時、助けることが出来なかった彼女の名を呼ぼうとした。
その瞬間、突然、彼の喉はまるで麻酔を打たれたかのように麻痺し、声が出せなくなった。
彼は、懸命に何度も何度も彼女の名前を叫ぼうとしたが、ますます喉が麻痺し、全く声が出せない状態に陥って行くのを感じた。
彼は思った。
「玲奈」が止めていると。俺が死ぬのを、あの時の水の中と同じようにと
彼は遂に諦め、靴を履き直した。
そして、また、いつもの考えを彼の心の引き出しから取り出した。
あの時で過去は終わったんだと、
現在からあの時までの過去は、違う過去であり、それは、これからもそうであり、彼が死ぬまで、そうであるという考えを
彼は煙草を吸い終わると、躊躇すことなく、悔し紛れに吸い殻を湖に指で弾き捨てた。
そして、彼は同じ崖を竹を持ちながら登り、あのガードレールを跨ぎ、県道に出た。
彼はそのガードレールを改めて見下ろし、こう感じた。
この線が、過去の中の区切り線だと。
そして、向こう側にある過去、湖の中に残された過去、
その真実を述べる時が、来るべき時が到来したことを、
彼は確実に感じ取った。
夢か分からない光景の中に居た。
彼は、人気の無い県道を歩いていた。なだらかな坂道で、その先には枯れ木の間から夕日が覗いていた。
その坂道を上り詰めると木々の下に緑色の湖が広がっていた。
彼は県道と湖を隔てるガードレールを一区切り、また、一区切り、何かを確かめるように見ながら歩いて登った。
すると、左手先に電柱が見えてきた。
彼は早足にその電柱を目指した。電柱まで来ると、彼はまたガードレールを点検するかのようにまじまじと見つめた。
彼はあの場所に来たことを既に承知していた。
あの夏、彼がガードレールを突き壊し、車体ごと湖に落ちた、あの現場であることを、
あのダム湖であることを
また、彼は覚えていた。そこにある電柱を彼の車がかすめるように、今、彼が見つめているガードレールを突き壊したことを
ガードレールはその箇所だけが明らかに他のものとは違って、あたかも転校生のように、気まずそうに周りと違う白色を纏っていた。
そのガードレールのダム湖側に生える竹藪は、何事もなかったかのように周りと同化して自然と生え揃っていた。
彼はそこから道なりに下り、50メートル先の舟屋を目指した。
時刻は午後4時前をさし、ダム湖は夕陽に照らされ、本来のどす黒い水面を隠していた。
彼は、ガードレールが途切れ、ダム湖に繋がる木製の階段を降り、桟橋の左手にある舟屋に入って行った。
舟屋には、鮒釣り用のレンタル竿や仕掛け、餌などが用意されており、レジのカウンターの向こうに、丸椅子に座り、煙草を咥えた老人が1人座っていた。
おそらく、この舟屋の店主であると彼は思った。
店主は、レジカウンターに彼が近づいて来るのをやっと感じ取り、慌てて今日は終わりだよ、
と一言だけ言うと、後は知らぬと言わんばかりに煙草を蒸し、足元にあるストーブに手をかざした。
彼は思った。俺のことは覚えてないな。もう、30年以上も前のことだからと
彼は店主と一言も言葉を交わす事なく店を出て、桟橋を戻り、
また、木製の階段を登り県道に出ると、道路の向かい側にある喫茶店に入って行った。
喫茶店は赤煉瓦の屋根に白漆喰の壁といった外観を呈していた。
彼が片扉を引き開けるとチャリンチャリンと客の訪れを告げる鈴が鳴った。
店の中にはカウンター席と4人がけのテーブル席が2組設置されていた。
カウンター席には、作業服姿の男性の客が1人座っており、カウンター越しにマスターらしき男性の老人と話していた。
老人は、彼を見て、いらっしゃいとだけ言い、また、その客との話を続け出した。
彼は灰皿があるかテーブルを見渡し、ガラス製の丸い灰皿が置かれたテーブルを選び、窓側の椅子に腰掛けた。
老人が冷水を運んできたので、彼はコーヒーを頼んだ。
そして、彼は煙草を取り出し、火をつけ吸い始めた。
一本の煙草を吸い終わる頃に老人がコーヒーを運んできた。
彼のもとにコーヒーとミルク、砂糖、お手拭きを置くと、カウンターの中に戻って行った。
彼が2本目の煙草に火をつけ、一口、コーヒーを飲み、カップをテーブルに戻すと、
その段階を待っていたかのように、カウンターの客が彼に大声で話しかけてきた。
鮒釣りに来たんか?今は全く釣れんで!と
彼は舟屋に行ったが営業時間が終わっていた。と言った。
客は、釣れよん時は、今から夕闇まで釣らせてくれるんやが、釣れんけんなぁ~と、
老人に向かって笑いながら言った。
そして、客は彼に向かい、あんた、ここによう釣りに来るんかい?と尋ねた。
彼は、前は来ていた。それもかなり昔で学生の頃だと嘘を言った。
客は、あんた、今、こっちに居らんのか?と何気なく聞き直した。
彼は今は東京に居るとだけ言った。
客は、東京から来たんかえ~、そりゃ、遠いわなぁ~と、
また、老人に向かって笑いながら話した。
そして、今度は、どちらに言うわけでもなく、
今、ここは鮒釣りより、自殺に来る人の方が多いけんのぉ~と、
客は大笑いしながら大声で言った。
どうも、客は、本当はその事を先ず一番に彼に言いたかったようであった。
彼がそうであるかのように
自殺の名所ですか。と彼は応じた。
客は、そうや!毎月1人は死んどる。車ごと突っ込むからのぉ~と、
煙草を上着の胸下のポケットから取り出しながら、
やっと、幕が開いた演者のように、詩美やに答えた。
彼も3本目の煙草に火をつけ、そして客に言った。
でも、ガードレールはしっかりと付いてますよね。と
客は、首と手を同時に忙しく振りながら、
こっち側やないで!向こう側やで!
こっち側は、走り屋、飛ばす奴が多いけん、警察がよう見張っちょるけん、おらんのや!と言った。
すると、カウンターの中に居て一言も会話に入って来なかった老人が急いで割り込み、こう言った。
でん、前、あったやんか!学生がダムに落っこちて、女の人だけ死んだ事故が!と
客がうんうんと頷きながら、
そうそう、あったあった!女の人だけ死んだやつやろ!
ヤンキーが逆走して、にいちゃんの車がダムに弾き飛ばされた事故やったわな!と言った。
老人が嬉しそうに続いて言った。
あれからやわ。警察がよう来てくれ出してのぉ~、若いもんが飛ばさんようになったわと、
客が言う。
でんなぁ~、ワシらはようなったが、あの舟屋の大将はさっぱりやったけんのぉ~と、
椅子からひっくり返るかのように仰け反り、笑いで涙が出たかのように、お手拭きで目頭を押さえ、大笑いに捲し立てた。
ここで、彼が、舟屋は何かあったんですか?と尋ねた。
客は彼の方に回転椅子を振り向け、こう言った。
いやいや、ダムに落ちた車のガソリンがいっぱい流れ出してのぉ~、
3ヶ月ぐらい、あそこの前の水面はガソリンで滲んでのぉ~、
そいで客足がさっぱり途絶えてしまってなぁ~と、
人の不幸ほど面白いものは無いかのように、客は笑いを一生懸命に堪えながら言い放った。
老人が、
まぁ~、今は、何も知らん県外の人がよう来だしたけん、舟屋ももっちょる。
とオチを言った。
客も今日のネタはこれでお仕舞いかのように、話を続ける事なく、頷くだけであった。
彼は4本目に吸おうとした煙草を箱に戻し、残りのコーヒーを飲み終え、勘定を払い、喫茶店を出た。
そして、来た道を引き返し、あの電柱の前に止まり、ガードレールをじっと見た。
彼は、徐にガードレールを跨ぎ、竹藪をダムに向かって降りて行った。
よく見ると、一定の幅だけ、竹が低いようにも思えた。
彼は、湖岸まで降りると、竹を片手に掴み、足元を確認して、腰を下ろし、四本目の煙草を取り出した。
そして、彼は煙草に火をつけ、湖の中を覗くように見た。
彼がこのダム湖の中を上から見るのは、初めてであった。
彼は、やっと帰って来れたと、一言呟いた。
それから、彼は靴を脱ぎ、あの時、助けることが出来なかった彼女の名を呼ぼうとした。
その瞬間、突然、彼の喉はまるで麻酔を打たれたかのように麻痺し、声が出せなくなった。
彼は、懸命に何度も何度も彼女の名前を叫ぼうとしたが、ますます喉が麻痺し、全く声が出せない状態に陥って行くのを感じた。
彼は思った。
「玲奈」が止めていると。俺が死ぬのを、あの時の水の中と同じようにと
彼は遂に諦め、靴を履き直した。
そして、また、いつもの考えを彼の心の引き出しから取り出した。
あの時で過去は終わったんだと、
現在からあの時までの過去は、違う過去であり、それは、これからもそうであり、彼が死ぬまで、そうであるという考えを
彼は煙草を吸い終わると、躊躇すことなく、悔し紛れに吸い殻を湖に指で弾き捨てた。
そして、彼は同じ崖を竹を持ちながら登り、あのガードレールを跨ぎ、県道に出た。
彼はそのガードレールを改めて見下ろし、こう感じた。
この線が、過去の中の区切り線だと。
そして、向こう側にある過去、湖の中に残された過去、
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彼は確実に感じ取った。
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