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第三章

ナルシスト『デビルマン』の登場

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 …茂樹君が結婚したいほど好きな人って誰なんだろう…

 おいおい、美咲、何、ぼぉーと、してるんだヨー、

 はいはい、分かってますよ。バスケの練習見に行くんでしよう。
 付き合いますよ。

 サンキュー!美咲!
 吉川君のバスケしてる姿、チョウかっこイィ~からねぇー、行こ行こ行こ!

 (…仕方がない、茂樹君が野球部の時、紫穂に付き合って貰ってたからなぁ~、吉川君の何処が良いのか?、まっ、お付き合いしましょう…)

 あそこ、あそこ、吉川君!
 2年でレギュラーなんだよ~、凄いねぇ~、かっちょいい~!

 紫穂、本当に吉川君、好きなんだねぇ~

 うん!あっ、こっち見てるよー、美咲!笑顔笑顔!

 はいはい、ミーハーにきゃー!って言えばいいんでしょ。

 きゃー、カッコいい!

 そうそう、でも美咲!私より目立ってはルール違反だからね!
 私の後ろからハモるようにお願い。

 はいはい!

 (…ハモるようにミーハーって、ムズイは…)

 おい、吉川!また、来てるぞ、お前のクラスの2人、藤田と井上が!俺、目当てかな!

 違うよ!俺だよ!藤田、俺のこと好きなんだよ~、よく目が合うんだ!

 まさか!お前のいつものナルシストさ!このデビルマンが!

 俺の何処がデビルマンなんだ!
 お前らには、俺の良さが分からないのさ!

 当たり前だ、俺はホモじゃないぜ!
 しかし、藤田美咲、美人だよなぁー、本当、彼氏、居ないのかなぁー?

 居るさ!俺だよ!俺のこと美咲は好きなんだよ!

 お前、その悪魔みたいな顔、整形してから言えよな!

 良いんだよ、美咲はこのままの俺が好きなんだからさ!

 じゃあ、告ってみてみれよ!
 絶対、お前、藤田から振られるぜ!

 賭けても良いよ!必ず、美咲は俺を受け入れるよ!

 では、1週間、学食代、賭けようぜ!

 それ乗った!

 やっぱ、吉川君、カッコいい!
 美咲もそう思うでしょ!

 (…他のクラスの男子からデビルマンって言われてるの、この子、知らないんだな、可哀想…)

 うん、バスケ、上手いよね!

 うん!ありがとう!

 (やれやれ、一仕事終了…)

~~~~~~~~~~~~~~~
【次の日】

 藤田、昨日、練習見に来てくれてありがとう!

 (…吉川君、何で私に先に言うかな…)

 うん、紫穂が一緒に行こって言ってくれたからね、吉川君、上手いね、バスケ!ねぇ、紫穂!

 (…やばい、怒ってるわ、紫穂たん…)

 井上もありがとう!また、見に来てな!
 藤田、ちょっといいかい?

 (…最悪の展開だわ…)

 えっ、何ぃ?

 いいから、こっち来て!

 (…あーあ、紫穂たん、完全に口聞いてくれないよ…)

 あのさ、藤田、いや、美咲、お前、俺と付き合わないか!

 (…何、こいつ、笑って告ってるは、凄い自信家!…)

 えー、急に言われても、ちょっと~、困るなぁー

 (…これでよし、当たり障りのないナイスな拒否!…)

 急じゃないって、ずっと、俺、お前の視線、感じてたんだ!
 俺と美咲なら、お似合いって、俺、思ってたんだ!

 (…凄すぎる、この自信…)

 でも~、吉川君のこと好きな子、沢山居るから、私なんて、無理だよ~

 (…しまった、これはいかん、誤解を産んでしもうた…)

 俺は美咲以外、彼女にはしないよ!

 (…どうしよう…、茂樹君、どうせ、結婚するくらい好きな人いるし…、…私…じゃ…ないもんね…)

 うん

 ありがとう、美咲!
 今日、部活休みなんだ!
 一緒に帰ろ!

 うん

 じゃ、また!

 うん

(…一番好きな人と恋人にもなれないのか…、どうせ、茂樹君、私のことなんか知らないし、そろそろ、片想い卒業するかな…)

 紫穂、ごめん、吉川君から告白されて、付き合うことになりました。
 申し訳ありません。

 いいよ!美咲!ずっと彼氏、居なかったんだから、美咲なら、許す、気にしないで!

 (…うーん、あまり嬉しくないが…、高2だもんね、彼氏ぐらい居ても良いよね…、どうせ、茂樹君、結婚するほど好きな人居るからさ…)

 ごめんねー、また、バスケ、見に行こう!

 もう行かないよ!美咲、1人で行けば!

 (…やっぱ、こうなるよね…)

  美咲、帰ろう!美咲の家、どっち側、家まで送るよ!

 うん、こっちなんだ。

 手を繋いで良いかい?

 うん

 美咲、バスケ好きなんだ!

 うーん、実は私、野球派なんだ。

 そうなんだ。じゃ、バスケじゃなくて、俺、見に来てたんだね。
 ありがとう!

(…何、本当、凄すぎる…)

 うん!

 あれ~、あいつ3組の堀内じゃないか?
 あいつ、野球部、やめたんだってな
 美咲、一緒の中学だろう?
 あいつ、本当に女嫌いなの?
 こわこわ、目が合ったら絡まれるぜ!
 こっち行こう!

(…茂樹君、やっぱ、1人で帰ってる…)

 やべぇ、こっち見てるぜ!
 知らん顔しような。

 うん

 何だよ、あの眼、こわこわ!

(…茂樹君、何で睨むの…)

 おい、手を離すなよ!

 いいの!手は繋がない!

 何だよ急に!

(…だって、茂樹君、怒ってるもん…、手なんか繋いでいるところ、茂樹君に見られたくないもん…)

 じゃ、ありがとう。ここから、1人で帰るからね、バイバイ!

 あぁ、明日も一緒に帰ろうな!
 バイバイ!

(…私、なんか、間違ったこと、してしまってる、なんか、違う…)
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