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第一章 ダフネはアポロンに恋をした

00 酔いどれくだまき女と俺様チャラ男

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 普段聞かない音楽を。Spotifyの最新ヒットの一番左の曲を選んだ。
 流れてくる流行歌らしきもの。耳につく。馴染みがない。違和感のかたまり。ただうるさい。

 スワイプしてアプリを終了させ、スマホをベッドに放る。腕をぐんと伸ばした。

「あいきゃんひーゆー、ばんばんばん」

 両手でピストルの形をつくって、声に合わせて打ち鳴らす。
 ばんばんばん。三発だ。

 人差し指の先から紫煙が立ち込めるのを妄想する。
 くちびるを尖らせて、ふっと吹いてみせる。これってハードボイルドってやつだろうか。
 でも実際にピストルの銃口に口元を寄せたら、きっと熱いんじゃないだろうか。火傷でもしたら、ハードボイルドがかたなしだ。かっこ悪い。

「あーあ。かっこわる……」

 窓から入り込む風が生ぬるい。だけどじめっとべたつくのではなく、さらっとしている。秋の気配。まだ日中は暑い。

 酒に倦んだ頭はもう、回らない。窓を開け放って、気持ちよく酔って大声で歌う。
 絶対に歌詞の間違ってる英語の歌。
 男が教えてくれた女性ボーカリストのバンド。日本じゃあんまり有名じゃないらしい。
 へえーって感心したように、冗長な語りを全部受け売りで聞いた。
 いつの間にか、このバンドの曲しか聞かなくなった。
 あとはセックスのあとの『アズ・タイム・ゴーズ・バイ』。男が歌ってくれる。
 歌詞カードと必死に睨めっこして一緒に口ずさめるように練習した。
 意味は男が教えてくれた。

 なんたってハーフってやつだ。
 お父さんがアメリカ人。アメリカ人って、今思えば、ルーツどこ。日系だってアメリカ人だ。
 だけどは、お父さんがアメリカ人ってかっこいい。ただそれだけだった。

「そりゃあーさあー。あたま空っぽのバッカ女ですよぉおおおおお!」

 気が大きくなって窓から上半身を乗り出してみる。
 誰かぎょっとしないかな、とアパートの真下を覗き込んでみるけど、学生は学業に勤しみ、一般的会社員の皆様は働きアリになる平日の昼間。誰も通りかかりやしない。
 平日休みだ、文句あっかーと昼間から酒を飲む惨めな女なんか、誰も見ていない。

 そりゃそうだ。
 だってここは都会でもなんでもない。畑だって見えちゃう長閑な場所。
 だけどそれほど高齢化が進んでいるわけでもなくて、住人はそこそこ若いし、最寄り駅周辺には居酒屋も無料案内所も――キャバもガールズバーも風俗もホスクラもある。

 それでも都内に出るのは、電車をいくつ乗り継ぎしなくちゃいけないんだっていう、ベッドタウンからもちょい外れた場所。そのうえ最寄り駅まで自転車を飛ばして四十分。部屋は広くて、家賃は安い。
 そんでもって、ここは二階。
 若い女が窓から身を乗り出していたところで、そこまでぎょっとする高さでもない。たぶん。

 つまりは。半端な田舎者。
 出ようと思えば、都内だって行ける。ちゃんと日帰りで。日帰りで、とか言っている時点で田舎者丸出し。

「……あいりありぃどぅー、えん、ふぉーわりずわーす、あいらーびゅー……ってか。憧れちゃったんだよねぇ……」

 だって憧れちゃったのだ。
 男はかっこよかった。誰よりかっこよかったんだ。
 見た目だけ? 上等だ。男の肩をそびやかした風にえらそうに歩く、あの歩き方。日本人じゃちょっと珍しい胸板の厚さ。でっかい手。
 ウエストの位置は高いくせに、腰をおとして履くカーキ色のミリパンに小汚くてグダグダのドクターマーチン。
 外国人風に自然な感じに、まだらにブリーチをほどこしたダークブロンド。日の光を浴びるとオリーブ色に見える瞳。ちゃんと歯列矯正した白い歯。

 90年代のロックスターかよっていうシルバーアクセじゃらじゃら。
 だけどそこは90年代らしいクロムハーツじゃなくて、スピネリキルコリンのピアス、ホーセンブースのリングとブレスレットとウォレットチェーン。
 これがまた、むかつくくらい似合う。

 華奢なゴールドジュエリーが好きだったのに、いつの間にかあたしもシルバーアクセサリーにまみれていた。じゃらっとね。
 日曜の夜は男の分とまとめて二人でシルバー磨き。派手な見た目だけど、そういうのはマメなやつだった。革靴はいっさい磨かないけど。



 「俺の好きな格好させたい」と男に連れられて行ったセレクトショップ。
 着せ替え人形になってしばらくすると「これが似合う」と満足げに頷いた男が、上下一式買ってくれた。
 NOWOSというドメスティックブランドのお洋服。ベージュのチノシャツジャケットに褪せたカーキ色のシルクリネンのニットビスチェ、ライトブルーのフレアデニム。

 エルメスやグッチにヴィトン、ボッテガ、ロエベ、セリーヌといった百貨店に入っているようなハイブランドに連れて行かれなかったことに安心していたのに、レジで値段を告げられたときには卒倒しそうになった。

 せめとものお返しにと、店内を物色する中で男が手に取ったトゥアレグシルバーのバングルをプレゼントすることにした。
 それでもあまりの値段の差に、リングもどうかと勧めたけれど、「もうつける指がねぇし」と断られた。
 その上いいこと思いついたとばかりに「どうせならペアリング買おうぜ」と腕を引かれ、ハリーウィンストンに連れて行かれそうになった。
 必死に止めた。涙目になった。
 立ち止まった男がニヤニヤして言ったこと。

「ハリーウィンストンなんか、俺に買えるわけねーだろ」

 なんだそれ。知るか。

 あたしにとってみれば、買ってくれたお洋服の値段だって、目玉が飛び出た。
 男のつけているシルバーアクセサリーをロンハーマンで見て、その値段に目をやったときなんか、ショーケースに並ぶ品と男の身につけたそれとを何度も交互に見てしまった。



 見た目だけ? 上等だよ。上等すぎたんだ。
 ちょっとしわがれた低い声も。無表情だと冷たく整って怖い位の美貌――うん、美貌。大げさじゃなくてさ。
 ヤンキーみたいな恰好のくせ、気品の漂う氷の貴公子みたいな整った顔が、笑うとくしゃっと崩れるのも。
 大好きで、憧れて、たまらなかったんだ。

「すき……。すきだったんだよぉ……」

 ああもうだめだ。涙腺崩壊だ。

 うわぁあああああん、とみっともなく泣いてわめいて。乱暴にはらった腕に酒瓶があたって、薬草臭いスピリッツがフロアに広がった。
 男が好きだった酒。だけど職場ホスクラでは飲まないと言っていた。
 鹿のラベルがちょっと可愛い、ハーブの強烈な個性的な酒。イエーガーマイスター。ホスクラの壊れた価格は無視して酒屋で買えば、高くもないし、安すぎるわけでもない。

 すきだよ。すきだったんだよ。
 音楽もファッションも酒も、なんでもかっこよかった男が、本当にすきだったんだ。







 起き上がると、頭がガンガンした。左耳がジンジンとする。
 痛い。
 そりゃそうだ。最後は豪快に床にぶちまけたけど、アルコール度数35度の700mlを三分の二は飲んだ。暴走列車、アル中駅まで一直線。終着駅は廃人か肝癌。果ては死あるのみ。それは人類みんなか。

 ははは、と力なく笑ってあたりを見渡すと、転がっているはずの酒瓶がない。あれ。どこいった。
 片づけたけど忘れたのかな。あれだけ飲んだのだから、まあ記憶がなくてもおかしくはない。

「はー……。いま何時だろ……」

 今日は確か、資源ごみの日だった。溜まった酒瓶にビールと発泡酒の缶。ペットボトルにネット通販の段ボール。ポストにつっこまれるチラシ。
 うちの区画のゴミ収集は朝の8時半までってことになっているのに、実際に収集車がくるのは、たいてい昼過ぎ。だから間に合うかなって思ってたけど。まぁ無理だ。
 ああ、また来週かぁ、と痛む頭を振る。

「いまは夜の9時だ。ゴミは出した。紙ゴミくらいまとめとけ。あと飲み過ぎだ。ばかやろう」
「…………え?」

 誰もいないはずの部屋に、なぜか味噌汁の匂い。
 あれ? 味噌汁? 味噌はきらしてたはずだ。だって男がいないから。

 男は毎食味噌汁がないと我慢ならんとか、外国人風気取ってるくせに、食べるものは定食屋のメニューみたいなものが好きで。でもあたしは別に味噌汁なんかあってもなくてもよくて。なんなら休日の朝ごはんは白米じゃなくてホットケーキとかトーストなんかがよくて。
 もっと言えば、コーヒーだけでも十分。

「しじみの味噌汁。飲めよ。二日酔いに効く」
「あ……れ……? おかしいな? しじみ信者の声がするぞ? ついにどっちの耳もやられたかな? それとも頭かな?」

 幻聴が聞こえる。
 どうせなら幻覚も見えないかな、と下心丸出しで顔を上げると、そこには真っ黒な短髪で、量販店の垢抜けない、ネイビーのリクルートスーツを着た、真面目そうな知らない男がいた。

 いや。だれ、この人。

「えっ? どちらさまですか?」
「三歩歩いたら脳みそ落っことすのか? おまえはニワトリか?」

 お綺麗な顔を露骨に歪めて男が吐き捨てる。

「え、ええ? え? いや、いやいやいや。え?」
「おまえはそれしか言えねーのかよ。俺様が戻ってきてやったんだから、泣いて感謝しろ」
「いやいや。俺様って。………はあ?」

 男の言う通り、泣いて感謝しているというわけではないのに、涙がボロボロと溢れてくる。
 おかしいな。昼間あんなに泣いて泣きわめいて。泣きすぎて目も鼻も痛くなって、もう涙なんてサヨナラさぁああ! って笑って寝たはずなんだけど。

「ぶっさいく。もうちっと綺麗に泣けよ」
「なにが! あなただって、その恰好、めちゃくちゃダサい!」
「……あん? もういっぺん言ってみろ? ぶっ殺すぞ?」

 にっこりと笑って鼻先を近づけてきた、その男からは去年あたしがあげた香水の匂い。モンタルのデイドリーム。
 LEDの冷たい白い光で瞳は茶色からオリーブ色に色を変えて。すっかり短くなった髪は愛用してたワックスの匂いもちょっとして。
 なによりぎゅっと背中に腕を回してみれば、こんなに胸板厚い男なんて、あたしは他に知らない。

「おかえり……。おかえり……っ!」

 うわぁああああん、とまたもや号泣すると、男は嫌そうな顔をして、そのぶ厚くって大きい手で、あたしの顔を押しのけた。

「これ一着しかねーんだよ。鼻水つけんな」
「買ってあげる……っ! もっといいスーツ、買ってあげるからっ! だからぎゅってしたい……!」
「ばっか。おまえのセンスなんか信用できねーから、いらねぇよ」

 そのリクルートスーツはどうなの?
 のどから出かかった言葉は飲み込んだ。
 男が着ているスーツに見覚えはなく、男が好むようにも見えず。いかにも量販店のものですといわんばかりのシルエットに、安っぽい光沢感を醸し出していた。

 だけど。そんなことはどうでもいい。それより目の前の男だ。もう二度と帰ってこないかもしれないと思っていた。失われたはずのアポロン。

「わかってる! ごめんなさい! でも、でもっ! ぎゅってしたいの! さみしかった! 死んじゃう……っ! さみしいと死んじゃうんだよ! あなたがそういうふうに、あたしをつくりかえた!」
「死なねぇよ! ばかやろう! 俺がいなくたって、おまえはフツーに働いてたじゃねーかよ! そんでフツーに休みに飲んだくれてるだけだろ!」

 泣いて縋ると、もう男はあたしを押しのけなかった。それどころか。背中と頭に腕を回してぎゅうぎゅうと抱きしめてくれる。
 この腕の強さ。筋肉まみれで弾力に富む、ぶっとい腕。その腕が与えてくれる、息が止まるくらいの、この痛みと圧迫感。

 生きてるって思う。あたしも男も。生きてる。二人でここにいる。
 二人でいっしょに、ここで生きてる。

「うっ、うっ。だって働いてお金稼がないと、あなたが帰ってきたとき、何も貢げない……」
「貢ぐなっつってんだろ! 薄給のくせしやがって!」
「だってあなたの身につけるもの、全部高いし」
「これ以上服とかいらねーし」
「うそつき! クローゼットぱんぱんになって、置き場所なくなって、あたしの部屋にまで進出してきたくせに!」
「だからもういらねーって。 仕事変わって、私服着る機会も減るし。っていうか、おまえの給料じゃ無理」
「ここのアパートの不労所得がある!」
「アホか! そういうことをホイホイ他人に言うんじゃねぇよ! 薄々そうかもしれねーとは思ってたけど! 金づるにされるぞ!」
「金づるでいい! いくらでも搾り取って! その代わりそばにいて!」
「俺は嫌だっつーの! 一緒にやってくんなら、貢ぐんじゃねぇっ!」
「だって! あなたホストやめちゃうし! あたしが貢がなかったら、もしかしたらあなた、今度こそ見たことのない誰かと枕するのかって…」
「ホストやめて枕する意味ってあんのかよ」
「…………お小遣い稼ぎ?」
「てめぇ……。ビッチも大概にしろよ」
「ビッチじゃないですぅう! あなたとつきあう前はぴっちぴちの処女でしたぁあ! くっそ真面目に、よいこちゃんに生きてきましたぁあ!」
「知ってるわ! 俺がおまえをコッチに引き込んだんだ! だから責任とるっつってんだよ!」

 責任?

「…………は?」

 頭が冷えた。一気に冷えた。高ぶってた感情全部。
 ぎゅうぎゅうと抱きつぶすつもりなのかという男の腕から出られないのはわかりきっているから、思い切り頭を振り上げた。頭突きだ。男の尖った顎がささった。痛い。

「いってぇ! くそアマ! 何すんだ!」

 押さえつけられていた背中と頭は解放され、男は涙目で顎をさすっている。
 ああ、本当に黒髪短髪になっちゃった。これもまた似合ってるけど。かっこいいけど。スーツ姿も色っぽくてたまらないけど。

「ダメだよ。責任なんて取らなくていい」

 じっと男の目を見る。綺麗な目だな。少年みたいに澄んで、純粋で。ひねくれてるけど、実は真っ直ぐで、熱くて。
 あたしの大好きな目。それが悲しそうに歪むのは、見たくない。見たくないのに。

「……取らせてくれよ。責任」

 うまく音を拾ってくれない左耳が、男のぶ厚い手で覆われる。
 男の手は耳元で動いていて体温も感触もよく感じられるけれど、どこか音は遠い。
 だけど右耳はちゃんと、罪悪感に押し潰されそうに苦しむ、男の声の震える具合まで微に入り細に入り。しっかりと拾う。

「俺がおまえの耳になるなんて、クソみてぇなこと、もう言わねーから」

 手術後は水の中をたゆたうような、あのとぷとぷとした音は、もう聞こえなくなった。
 きっと近いうち――一月もしないうちに、聴力も戻る。伯父が院長であり、父も勤める総合病院の耳鼻咽喉科で、医師もそう言っていた。

 たから責任なんて、取らなくていいのだ。
 これは男のエースだった彼女の前で、彼女の気持ちを一切考えず、能天気に浮かれていた、あたしの罰なのだから。


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