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第2部
41 これで万事が解決! ……かな?
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舞踏会最後のダンスを終え、別れの挨拶にと出向けば、アボット侯爵が陽気に手を打ち鳴らしているところだった。
「そういうわけだ、セシル。これで万事が解決! よかったよかった」
「いや。まだ解決してはいない」
「しつこいな」
うんざりした様子で呆れ声をあげるアボット侯爵に、アスコット子爵はむっとしたようだった。「イーサンがこの席を設けたんだろ」と非難する。
「ならば近いうちに晩餐会でも開くさ」
アボット侯爵は肩をすくめた。それから快活な笑顔を浮かべ、ダンスホールより戻ったわたし達へと振り返る。
「皆々様、是が非にでもご参加願いたい」
優雅な仕草でアボット侯爵が片方の手を大きく振って胸に当て、片足を半歩退いては、軽く頭を下げた。
「当然わらわも招くのであろうな、侯爵」
アンジーがアボット侯爵へと手を差し出す。
「もちろんですとも。王女殿下に再び我が屋敷へお越しいただけるとは。この上なく光栄にございます」
アボット侯爵はアンジーの手を取り、その指先に額を寄せることで敬愛と恭順の礼を尽くした。
「その時分には、ルドウィック坊ちゃんへの招待状は、ファルマス公爵邸に宛てるべきか。はたまたレッドフォード侯爵邸宛てにすべきか」
悪戯なウィンクのあと、アボット侯爵は礼節に則り、アンジーの手をエインズワース様へと譲った。エインズワース様は喜びを隠さず、幸福に満ちた笑顔を示した。
「どちらでも構いません。ファルマス公もレッドフォード侯も、二人ともが僕の父です。僕の所属がどちらであれ、彼等が僕の新たな、そして素晴らしい交友を歓迎してくれるだろうことは、疑いの余地がない」
アンジーとエインズワース様は成就した恋の幸福を互いの瞳の中に認め、笑い合った。
「そのときはアスコット子爵。令夫人も来られるとよいな」
アンジーが微笑むと、アスコット子爵は息をのんだ。
「王都には既におるのじゃろう。おぬしが令夫人を遠く離れた領地に一人残すことはあるまい。社交シーズンはまだ長い」
「殿下にはお見通しであられましたか」
視線を床に落とし、アスコット子爵は自嘲気味に息を漏らした。
「今宵は寂しい思いをさせたろう。令夫人に会えること、楽しみにしておるぞ」
アンジーとエインズワース様の退場が告げられ、アボット侯爵邸の舞踏会は仕舞いとなり、わたしの人生でただ一度きりであるデビュタントボールは、波乱万丈を経たものの、無事に幕を下ろした。
◇
コールリッジ=カドガン家所有の馬車は、収容人数を増やして帰路についた。四頭曳の馬車に、車内は四人の男女。
凍えるような寒さと暗闇を切り裂いては進んでいく。
「今夜は本当に、驚くことばかりだったわ」
ぐったりとした様子でオルグレン婦人は溜息をついた。
「母上には申し訳ないことをいたしました」
「いいえ。これでよかったのだわ」
オルグレン婦人は微笑み、アラン様に手をのばした。アラン様がその手を取り、小さく上下に振るように握り合うと、二人の手は離れた。
「これでよかったのよ、セシル」
アラン様に伝えたのと同じ言葉を繰り返して頷くと、オルグレン婦人は隣り合うアスコット子爵へと顔を向けた。
「もし当時――ギルが彼女と出会い、愛し合う前に。私達三人がまだ社交界へと飛び出してはおらず、カドガン伯爵領のマナーハウスで共に学んでいた頃。私達三人で過ごすことが、永遠に続くだろうと信じていた日々の中で」
姉弟の眼差しは交差しながらも、どちらもがここではない、どこか遠く彼方を見ているように細められていた。
「ギルとの婚約をセシル、あなたが実際に引き裂いてみせたのならば。私はきっとあなたを生涯許さなかったでしょうね」
陶然と懐かしき過去に浸っていたアスコット子爵は、途端現実に引き戻されたような顔つきになり、絶句した。
オルグレン婦人は真っ青な顔色の死人然としたアスコット子爵には目もくれず、夢見るような様子で続けた。
「それがたとえ、あなたの好意と善意に基づくものだと後々理解できたとしても。物心ついてより育った私の恋心は、邪魔者を決して許さなかったに違いないわ。ええ、それは間違いない」
オルグレン婦人はここにきてようやく、アスコット子爵へ同情のまなざしを向けた。
「セシル。あなたもそうでしょうけれど、オルグレンの人間は執念深いのよ。ネズミを前にした猫よりも、カエルを前にした蛇よりも」
「それは怖い」
アラン様がボソリと呟く。
そういえばアラン様もオルグレン家の血を引いている。思わずアラン様から距離をとってしまい、アラン様は慌ててわたしの手を取った。
「メアリー、安心してくれ。容姿もそうだが、俺の性質のほとんどはオルグレン家ではなく、コールリッジ家を濃く継いでいる。オルグレンの妖精一族らしさが、俺には見当たらないだろう?」
必死なアラン様がおかしくて、ついからかいたくなる。
「まぁ。でしたらアラン様はわたしに執着してはくださらないのね」
しょんぼりと肩を落とせば、アラン様は顔を真っ赤にさせ反論しよう口を開き、しかしそこで止まった。
「そんなはずがないとわかって言っているな?」
「あら、つまらない。アラン様ったら、今夜一晩ですっかりからかわれてくださらなくなって」
「ほう? そんなことを良心の呵責なしに言えるのなら、俺の方でもまた、メアリーを領地に拘束することに何ら咎めるものを感じないな」
一枚上手のような口ぶりのアラン様に悔しくなり、なにか一泡吹かせることはできないかしら。と、そう思ったところで、エインズワース様の台詞を思い出した。
『メアリー嬢、あいつに一泡吹かせてやらないかい?』
エインズワース様はさっぱりとした笑顔でそう言ったのだ。「僕達の愛をこめて、コールリッジが感動して涙するようなお説教をしようね」と続けて。
「なんだ? どうした?」
急に黙り込んだわたしに、アラン様が不安げに瞳を揺らして尋ねた。子犬のような愛くるしい瞳に、くすりと笑ってしまう。
「いいえ。ご安心なさって。アラン様のお可愛らしい姿を、きっとすぐにまた見られるのだわって。それらを想像してしまっただけですわ」
アラン様は不満そうに眉をひそめたけれど、「お手柔らかに頼む」と苦笑いした。
わたしがエインズワーズ様に返したのとまるで同じ台詞をアラン様が口にしたことに、ますますクスクス笑いが止まらなくなった。
「まあともかく。叔父上も母上も、まさしく好物に狙いを定めた猫以上に猫であり、蛇以上に蛇であると。母上のその見解には、俺も賛成の意を表明する」
「やはり違う馬車で帰ればよかったな。若い恋人同士の熱気は、年寄りの体には毒だ。それも独り身とあってはね」
アスコット子爵のからかうような口ぶりに、「あなたは独り身ではないでしょう」とたしなめながらも、オルグレン婦人は同情を寄せた。
「今夜は彼女を一人、タウンハウスへと居残りさせてしまったわ。申し訳なかったわね」
「いや。久しぶりの王都で、これほどの規模の舞踏会。その上今夜のような騒ぎとあっては、きっと耐えられなかったろうから、これでよかったんだ」
「それもそうね」
オルグレン婦人は頷き、「私も疲れ果てたわ」と笑った。
「王女殿下御自ら、お声がけくださったし、イーサンも近日晩餐会を開くというから、姉さんも僕も妻も。奮い立っていかないとな」
「ええ。それにはまず、十分に休まなければね」
姉弟は笑い合い、それからオルグレン婦人は「大切な弟まで憎み、失うことにならずによかった」と言った。
「だからこれでよかったの」
華やかな舞踏会帰りの疲労は確かに、オルグレン婦人の体力を奪っていると知れたけれど、きっぱりと断言したその顔は、晴れ晴れとしていた。
「そういうわけだ、セシル。これで万事が解決! よかったよかった」
「いや。まだ解決してはいない」
「しつこいな」
うんざりした様子で呆れ声をあげるアボット侯爵に、アスコット子爵はむっとしたようだった。「イーサンがこの席を設けたんだろ」と非難する。
「ならば近いうちに晩餐会でも開くさ」
アボット侯爵は肩をすくめた。それから快活な笑顔を浮かべ、ダンスホールより戻ったわたし達へと振り返る。
「皆々様、是が非にでもご参加願いたい」
優雅な仕草でアボット侯爵が片方の手を大きく振って胸に当て、片足を半歩退いては、軽く頭を下げた。
「当然わらわも招くのであろうな、侯爵」
アンジーがアボット侯爵へと手を差し出す。
「もちろんですとも。王女殿下に再び我が屋敷へお越しいただけるとは。この上なく光栄にございます」
アボット侯爵はアンジーの手を取り、その指先に額を寄せることで敬愛と恭順の礼を尽くした。
「その時分には、ルドウィック坊ちゃんへの招待状は、ファルマス公爵邸に宛てるべきか。はたまたレッドフォード侯爵邸宛てにすべきか」
悪戯なウィンクのあと、アボット侯爵は礼節に則り、アンジーの手をエインズワース様へと譲った。エインズワース様は喜びを隠さず、幸福に満ちた笑顔を示した。
「どちらでも構いません。ファルマス公もレッドフォード侯も、二人ともが僕の父です。僕の所属がどちらであれ、彼等が僕の新たな、そして素晴らしい交友を歓迎してくれるだろうことは、疑いの余地がない」
アンジーとエインズワース様は成就した恋の幸福を互いの瞳の中に認め、笑い合った。
「そのときはアスコット子爵。令夫人も来られるとよいな」
アンジーが微笑むと、アスコット子爵は息をのんだ。
「王都には既におるのじゃろう。おぬしが令夫人を遠く離れた領地に一人残すことはあるまい。社交シーズンはまだ長い」
「殿下にはお見通しであられましたか」
視線を床に落とし、アスコット子爵は自嘲気味に息を漏らした。
「今宵は寂しい思いをさせたろう。令夫人に会えること、楽しみにしておるぞ」
アンジーとエインズワース様の退場が告げられ、アボット侯爵邸の舞踏会は仕舞いとなり、わたしの人生でただ一度きりであるデビュタントボールは、波乱万丈を経たものの、無事に幕を下ろした。
◇
コールリッジ=カドガン家所有の馬車は、収容人数を増やして帰路についた。四頭曳の馬車に、車内は四人の男女。
凍えるような寒さと暗闇を切り裂いては進んでいく。
「今夜は本当に、驚くことばかりだったわ」
ぐったりとした様子でオルグレン婦人は溜息をついた。
「母上には申し訳ないことをいたしました」
「いいえ。これでよかったのだわ」
オルグレン婦人は微笑み、アラン様に手をのばした。アラン様がその手を取り、小さく上下に振るように握り合うと、二人の手は離れた。
「これでよかったのよ、セシル」
アラン様に伝えたのと同じ言葉を繰り返して頷くと、オルグレン婦人は隣り合うアスコット子爵へと顔を向けた。
「もし当時――ギルが彼女と出会い、愛し合う前に。私達三人がまだ社交界へと飛び出してはおらず、カドガン伯爵領のマナーハウスで共に学んでいた頃。私達三人で過ごすことが、永遠に続くだろうと信じていた日々の中で」
姉弟の眼差しは交差しながらも、どちらもがここではない、どこか遠く彼方を見ているように細められていた。
「ギルとの婚約をセシル、あなたが実際に引き裂いてみせたのならば。私はきっとあなたを生涯許さなかったでしょうね」
陶然と懐かしき過去に浸っていたアスコット子爵は、途端現実に引き戻されたような顔つきになり、絶句した。
オルグレン婦人は真っ青な顔色の死人然としたアスコット子爵には目もくれず、夢見るような様子で続けた。
「それがたとえ、あなたの好意と善意に基づくものだと後々理解できたとしても。物心ついてより育った私の恋心は、邪魔者を決して許さなかったに違いないわ。ええ、それは間違いない」
オルグレン婦人はここにきてようやく、アスコット子爵へ同情のまなざしを向けた。
「セシル。あなたもそうでしょうけれど、オルグレンの人間は執念深いのよ。ネズミを前にした猫よりも、カエルを前にした蛇よりも」
「それは怖い」
アラン様がボソリと呟く。
そういえばアラン様もオルグレン家の血を引いている。思わずアラン様から距離をとってしまい、アラン様は慌ててわたしの手を取った。
「メアリー、安心してくれ。容姿もそうだが、俺の性質のほとんどはオルグレン家ではなく、コールリッジ家を濃く継いでいる。オルグレンの妖精一族らしさが、俺には見当たらないだろう?」
必死なアラン様がおかしくて、ついからかいたくなる。
「まぁ。でしたらアラン様はわたしに執着してはくださらないのね」
しょんぼりと肩を落とせば、アラン様は顔を真っ赤にさせ反論しよう口を開き、しかしそこで止まった。
「そんなはずがないとわかって言っているな?」
「あら、つまらない。アラン様ったら、今夜一晩ですっかりからかわれてくださらなくなって」
「ほう? そんなことを良心の呵責なしに言えるのなら、俺の方でもまた、メアリーを領地に拘束することに何ら咎めるものを感じないな」
一枚上手のような口ぶりのアラン様に悔しくなり、なにか一泡吹かせることはできないかしら。と、そう思ったところで、エインズワース様の台詞を思い出した。
『メアリー嬢、あいつに一泡吹かせてやらないかい?』
エインズワース様はさっぱりとした笑顔でそう言ったのだ。「僕達の愛をこめて、コールリッジが感動して涙するようなお説教をしようね」と続けて。
「なんだ? どうした?」
急に黙り込んだわたしに、アラン様が不安げに瞳を揺らして尋ねた。子犬のような愛くるしい瞳に、くすりと笑ってしまう。
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わたしがエインズワーズ様に返したのとまるで同じ台詞をアラン様が口にしたことに、ますますクスクス笑いが止まらなくなった。
「まあともかく。叔父上も母上も、まさしく好物に狙いを定めた猫以上に猫であり、蛇以上に蛇であると。母上のその見解には、俺も賛成の意を表明する」
「やはり違う馬車で帰ればよかったな。若い恋人同士の熱気は、年寄りの体には毒だ。それも独り身とあってはね」
アスコット子爵のからかうような口ぶりに、「あなたは独り身ではないでしょう」とたしなめながらも、オルグレン婦人は同情を寄せた。
「今夜は彼女を一人、タウンハウスへと居残りさせてしまったわ。申し訳なかったわね」
「いや。久しぶりの王都で、これほどの規模の舞踏会。その上今夜のような騒ぎとあっては、きっと耐えられなかったろうから、これでよかったんだ」
「それもそうね」
オルグレン婦人は頷き、「私も疲れ果てたわ」と笑った。
「王女殿下御自ら、お声がけくださったし、イーサンも近日晩餐会を開くというから、姉さんも僕も妻も。奮い立っていかないとな」
「ええ。それにはまず、十分に休まなければね」
姉弟は笑い合い、それからオルグレン婦人は「大切な弟まで憎み、失うことにならずによかった」と言った。
「だからこれでよかったの」
華やかな舞踏会帰りの疲労は確かに、オルグレン婦人の体力を奪っていると知れたけれど、きっぱりと断言したその顔は、晴れ晴れとしていた。
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