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第2部
セシル・オルグレンの回顧録 5
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「セシルお前さ、カドガン伯爵領での教育全部に手ぇ抜いてるだろ。ギルバート坊っちゃんよりずっと優秀なくせしやがって」
「イーサンだってずっと御令兄の影に隠れてたくせに」
じろりと睨むと、イーサンが僕の頬を力いっぱい引っ張った。
「いひゃい。やめろ」
「うるせえ。いいか? 俺が兄貴達を立ててたのは、文官になりたかったからだ。無能どもに邪魔だてされたくなかったんだよ。お前だって知ってるだろ」
伸びるとこまで引っ張られ、もうこれ以上は伸びないというところで手を離され、薄い肉しかついていない頬がぶるんと揺れる。
「知ってますよ。結局無能に邪魔されたところまで」
痛む頬を擦っていると、イーサンがベチン、と僕の頭を叩いた。
「八つ当たりはやめてください」
引っ張ったり叩いたり、好き勝手しやがって。
女々しい見た目のくせに手ばかり出るチンピラを睨みつけると、イーサンは肩を落とし眉尻を下げた。
「進退維谷だよ。まったく」
すっかり諦めたように空笑いするイーサンに怒りが沸く。
「はあ!? 何寝ぼけたこと言ってるんですか? 貴方にはアボット侯爵になってもらわなくちゃ困るんだ!」
「は? お前、俺が四男だってわかって言ってんのか? そもそも親父殿だってまた家督を譲り受けてないんだぞ。あのクソジジイ、死ぬまで家督相続なんてしないぞ」
目を丸くして心底驚いている様子のイーサン。ぶん殴りたい。
こいつは僕になんて言った? 甘えるなって貴族としての義務を果たせって言ったじゃないか!
立ち上がってイーサンの胸倉を掴む。
「イーサンの言葉をそのまま返すよ! 甘えるな!
一度の失敗くらいなんだよ、貴族には責任と義務があるんだろ! 放棄するのか! イーサンがアボット侯爵にならなかったら、侯爵領の民はどうなるんだ? オルグレン一族は?
貴方達当主一家だけが没落するので済むのなら、勝手にすればいいけど、それに巻き込まれる方はたまったものじゃない!
後悔と自責の念でヘタれるのは死んでからにしろ!」
息を切らして怒鳴りつけると、イーサンはズルズルと背凭れに体を滑らせていった。天を仰いだかと思うと、イーサンは両手で顔を覆った。
「……お前さあ。ほんと、なーにが領主の器じゃない、だよ……」
イーサンの肩が震え出す。まさか泣いてる?
ええ……。やめてくれよ……。
胸倉を掴んでいた手を放し、イーサンから距離を取る。するとイーサンが俯いた。
「……っく。ぶっくくっ! おっまえ、ほんとヤなガキだなあ!」
腰を折って大笑いし始めたイーサンに冷めた目を送る。なんだよ。泣いてたんじゃないのか。
「あー……。腹いて。ほんとフザけたガキだよなあ……」
片手で顔を覆ったまま、イーサンは屈めていた上体を起こした。
「……わかったよ。親父殿も兄貴達も蹴落としてやる」
「当然です。そのために貴方をカドガン伯爵に紹介したんだ」
まさかファルマス公爵令息とレッドフォード侯爵令息に繋がりがあるなんて知らなかったから。知っていればわざわざカドガン伯爵に紹介したりなんてしなかった。
「そうかよ。道理でアボット侯爵に悪感情を持ってるに違いないカドガン伯が俺を買ってくれたわけだよ」
「……え?」
イーサンの言葉に驚いてイーサンを凝視すると、イーサンは顔を覆っていた手を外して不敵に口の端を歪めた。
「事あるごとにカドガン伯から賛辞を受けてな。気色わりぃなって思ってたんだ。俺はまったくの他人であるカドガン伯に寄子の面倒を押し付けた、無能で無責任なアボット侯爵の孫だぜ? 何か裏でもあんのかって思うだろ」
「え……でも、僕はカドガン伯爵にイーサンがアボット侯爵になる手助けをしてほしいなんて言ったことは……」
「そりゃそうだ。カドガン伯に散々世話になってるセシルが言えることじゃねえ。そもそも俺の意思を確認せずに動くお前じゃないだろ? こうやって囲い込みはするだろうけどよ。お前は他に選択肢のないとこまで落とし込んで最終確認してようやく動くヤツだろ。いやあ、お前、ほんとに貴族向いてるよな」
人聞きの悪い。僕はそんな策略家じゃない。
「だからよ。そんなもん、カドガン伯はお見通しだったってわけだ。セシルが俺のことをアボット侯爵にさせたがっていることも、オルグレン一族の結束を固めようとしていることも、カドガン伯の援助なしでアスコット子爵領を立て直そうとしていることも」
イーサンはニヤリと笑って僕の肩を叩いた。
「伯爵はご存知だと思うぜ? お前が相当切れ者だってこともな。それでいてギルバート坊ちゃんにアスコット子爵位を譲ってもいいと思うくらい、怠惰で投げやりなことも」
思わず頬が引き攣る。
「中央の政治には傍観を決め込んでるが、カドガン伯の目は本物ってことだな」
イーサンの目が鋭く光る。
「……だからセシル。お前も腹を決めろ。レティのことはギルバート坊っちゃんに任せるんだ。あの坊っちゃんならレティを大事にするだろう。悪いようにはしないさ」
窓から差し込む午後の白い光がイーサンの背後から照らして輪郭を象り、イーサンの顔を黒く塗り潰す。白い光の中に、姉さんの姿が浮かび上がった気がした。
※レティはスカーレットの愛称です。
スカーレット・オルグレン……セシル・オルグレンの姉(後のアラン・コールリッジの母)
「イーサンだってずっと御令兄の影に隠れてたくせに」
じろりと睨むと、イーサンが僕の頬を力いっぱい引っ張った。
「いひゃい。やめろ」
「うるせえ。いいか? 俺が兄貴達を立ててたのは、文官になりたかったからだ。無能どもに邪魔だてされたくなかったんだよ。お前だって知ってるだろ」
伸びるとこまで引っ張られ、もうこれ以上は伸びないというところで手を離され、薄い肉しかついていない頬がぶるんと揺れる。
「知ってますよ。結局無能に邪魔されたところまで」
痛む頬を擦っていると、イーサンがベチン、と僕の頭を叩いた。
「八つ当たりはやめてください」
引っ張ったり叩いたり、好き勝手しやがって。
女々しい見た目のくせに手ばかり出るチンピラを睨みつけると、イーサンは肩を落とし眉尻を下げた。
「進退維谷だよ。まったく」
すっかり諦めたように空笑いするイーサンに怒りが沸く。
「はあ!? 何寝ぼけたこと言ってるんですか? 貴方にはアボット侯爵になってもらわなくちゃ困るんだ!」
「は? お前、俺が四男だってわかって言ってんのか? そもそも親父殿だってまた家督を譲り受けてないんだぞ。あのクソジジイ、死ぬまで家督相続なんてしないぞ」
目を丸くして心底驚いている様子のイーサン。ぶん殴りたい。
こいつは僕になんて言った? 甘えるなって貴族としての義務を果たせって言ったじゃないか!
立ち上がってイーサンの胸倉を掴む。
「イーサンの言葉をそのまま返すよ! 甘えるな!
一度の失敗くらいなんだよ、貴族には責任と義務があるんだろ! 放棄するのか! イーサンがアボット侯爵にならなかったら、侯爵領の民はどうなるんだ? オルグレン一族は?
貴方達当主一家だけが没落するので済むのなら、勝手にすればいいけど、それに巻き込まれる方はたまったものじゃない!
後悔と自責の念でヘタれるのは死んでからにしろ!」
息を切らして怒鳴りつけると、イーサンはズルズルと背凭れに体を滑らせていった。天を仰いだかと思うと、イーサンは両手で顔を覆った。
「……お前さあ。ほんと、なーにが領主の器じゃない、だよ……」
イーサンの肩が震え出す。まさか泣いてる?
ええ……。やめてくれよ……。
胸倉を掴んでいた手を放し、イーサンから距離を取る。するとイーサンが俯いた。
「……っく。ぶっくくっ! おっまえ、ほんとヤなガキだなあ!」
腰を折って大笑いし始めたイーサンに冷めた目を送る。なんだよ。泣いてたんじゃないのか。
「あー……。腹いて。ほんとフザけたガキだよなあ……」
片手で顔を覆ったまま、イーサンは屈めていた上体を起こした。
「……わかったよ。親父殿も兄貴達も蹴落としてやる」
「当然です。そのために貴方をカドガン伯爵に紹介したんだ」
まさかファルマス公爵令息とレッドフォード侯爵令息に繋がりがあるなんて知らなかったから。知っていればわざわざカドガン伯爵に紹介したりなんてしなかった。
「そうかよ。道理でアボット侯爵に悪感情を持ってるに違いないカドガン伯が俺を買ってくれたわけだよ」
「……え?」
イーサンの言葉に驚いてイーサンを凝視すると、イーサンは顔を覆っていた手を外して不敵に口の端を歪めた。
「事あるごとにカドガン伯から賛辞を受けてな。気色わりぃなって思ってたんだ。俺はまったくの他人であるカドガン伯に寄子の面倒を押し付けた、無能で無責任なアボット侯爵の孫だぜ? 何か裏でもあんのかって思うだろ」
「え……でも、僕はカドガン伯爵にイーサンがアボット侯爵になる手助けをしてほしいなんて言ったことは……」
「そりゃそうだ。カドガン伯に散々世話になってるセシルが言えることじゃねえ。そもそも俺の意思を確認せずに動くお前じゃないだろ? こうやって囲い込みはするだろうけどよ。お前は他に選択肢のないとこまで落とし込んで最終確認してようやく動くヤツだろ。いやあ、お前、ほんとに貴族向いてるよな」
人聞きの悪い。僕はそんな策略家じゃない。
「だからよ。そんなもん、カドガン伯はお見通しだったってわけだ。セシルが俺のことをアボット侯爵にさせたがっていることも、オルグレン一族の結束を固めようとしていることも、カドガン伯の援助なしでアスコット子爵領を立て直そうとしていることも」
イーサンはニヤリと笑って僕の肩を叩いた。
「伯爵はご存知だと思うぜ? お前が相当切れ者だってこともな。それでいてギルバート坊ちゃんにアスコット子爵位を譲ってもいいと思うくらい、怠惰で投げやりなことも」
思わず頬が引き攣る。
「中央の政治には傍観を決め込んでるが、カドガン伯の目は本物ってことだな」
イーサンの目が鋭く光る。
「……だからセシル。お前も腹を決めろ。レティのことはギルバート坊っちゃんに任せるんだ。あの坊っちゃんならレティを大事にするだろう。悪いようにはしないさ」
窓から差し込む午後の白い光がイーサンの背後から照らして輪郭を象り、イーサンの顔を黒く塗り潰す。白い光の中に、姉さんの姿が浮かび上がった気がした。
※レティはスカーレットの愛称です。
スカーレット・オルグレン……セシル・オルグレンの姉(後のアラン・コールリッジの母)
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