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第2部
スカーレット・オルグレンの独白 7
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弟が渋々領地に戻ってから、ギルバートは王都に留まることが多くなった。
領地経営の目途がつき、ある程度を領地代官に任せることにしたのだという。私は期待した。
これから少しずつ、家族として歩み寄れるのではないかと。
アランもいるのだ。ギルバートだって、絆されるだろう。
しかしギルバートを目の敵にする使用人の手前、私からギルバートに歩み寄ることは躊躇われた。
夫であるギルバートから私を尊重する姿勢を見せてほしかった。
婚約者時代、どんなに愚弄しても、困った顔で受け入れてくれたギルバート。きっと今回もそうなる。
私は本当に愚かだったのだ。
メアリーが友人宅を訪れていたのは、彼女が分家屋敷では自由に手紙を書けなかったからだ。
全てを見張られていたのだ。
だから彼女は、女学校の友人を頼り、手紙を出した。
手紙の相手はギルバート。ギルバート・コールリッジだ。
私の夫である。
◇
気が付いた時には、全てが手遅れだった。
メアリー・ウォールデンは、実父と実弟からの恥辱に耐えていた。
心を閉ざし、絶望の中で一人輝く娘を愛し、娘だけを唯一の希望として生きていた。
だがその魔の手が自身の娘に伸びようとされて、立ち上がった。
何があっても娘を守ると決意したメアリーは、ギルバートに助けを求めた。
メアリーはギルバート同様、真面目な女性だった。
メアリーとギルバートの出会いは、ギルバートが私への贈り物を選ぶため、ウォールデン商店を訪ねたことが始まりだという。
当然私という婚約者がいると知っているメアリーは、ギルバートの求愛に応じなかった。
それ以前に、ギルバートはメアリーに求愛してはいなかった。
学問や内政問題に、外交といった健全な話題を討論する、ただの友人関係だった。
だが夜会で婚約者である私をいくらエスコートに誘っても、私が応じない。
ギルバートは私の態度に思い悩み、メアリーに相談した。
同じ女性であるメアリーならば、どう振舞えば私の態度が軟化するのか、好意を抱いてもらえるのか、わかるのではないかと。
メアリーは、そんな繊細な話を他人の自分にするなと突っぱねた。
そういった男女間の話を、異性である自分に振るのはマナー違反であり、婚約者である私に申し訳が立たない。
メアリーの助言をギルバートがそのまま実行すれば、後にそれを知った私が不快に思うだろうと。
メアリーはギルバート同様、潔癖な人物だったようだ。
だが、メアリーも夜会で私がギルバートを酷く愚弄する様子を幾度も見るなり、ギルバートを気の毒に思うようになった。
夜会でパートナーになるようなことはしなかったが、少しずつ、ギルバートとメアリーの距離は近づいた。
メアリーも自身の身の危機を感じていたため、家の恥を晒すことを覚悟で、身を守る術をギルバートに相談するようになった。
正義感の強いギルバートが、メアリーの置かれた状況を許せるはずがなかった。
ギルバートに婚約解消を決意させたのは、きっとそれだった。
ギルバートは、悪魔のような父と弟からメアリーを守るため、私に婚約解消を申し出たのだ。
ギルバートから全てを打ち明けられ、離縁を求められたときは、頭が真っ白になった。
もう既にギルバートとメアリーは結び付くことはないと思っていたのに。これからようやくギルバートとやり直せると期待していたのに。
またあの女が邪魔をする。
ギルバートは、アランに家督を譲り、信頼のできる親族と領地代官にアランの教育と後見を任せると言った。またアスコット子爵への援助も後続すると。
許せるものか。そんなこと、許せるはずがない。
絶対に離縁はしないと告げた。しかしギルバートは引かなかった。
「君がなんと言おうと、私はメアリーとその娘を守る。アランは私の息子だ。あの子の行く末に父親として責を持つが、私は君の夫としての義務を果たすつもりは、今後一切ない」
ギルバートの冷淡な眼差しには、私への憎悪に満ちていた。
ギルバートは、遂に私の所業を知ったのだ。
ギルバートの最愛のメアリーが地獄に落ちたのは、私が仕掛けた罠だったのだと。
「君が弟御を使って何をしたのか、私は知っている。もはや君を家族と見なすことはできない。人として許すこともできない」
吐き捨てるように私に怒りをぶつけるギルバート。
私は震えた。ギルバートに憎まれていると、全身で感じ取った。涙も出ない。
しかしギルバートは最後の情けで、アスコット子爵への金銭的援助を後続すると約束した。息子であるアランの血筋でもあるからと。
「これが私に出来る最大の譲歩だ。離縁しないと意地を張ったところで、私は君を愛さない」
ギルバートはタウンハウスを出て行き、王都に別邸を構えた。
そこでメアリーとその娘と暮らすのかと茫然自失となりながら、使用人達からギルバートの動向を聞いた。
だがギルバートはメアリーの娘を、その別邸に迎え入れなかった。
メアリーはギルバートと共に別邸で暮らしているようだったが、愛娘を大事に思うメアリーが、そう長らく離れて暮らせるはずがない。
おそらく愛娘は、ウォールデンが人質にとっているのだろう。
あの下劣なウォールデンのことだ。
メアリーの後釜としてその娘を養育するつもりなのかもしれない。
それを身に染みて知っているメアリーが、自身だけの幸福を追い求め、ギルバートと共にウォールデンから逃げることなどあり得ない。
私は浅ましく期待していた。
もしかすれば、また戻ってきてくれるのではないかと。
ギルバートはいつだって、許してくれた。私の元に戻ってきてくれた。
だから今回だって、きっと時間が経てば、やり直せる。
今度こそ、間違えない。ギルバートを冷たくあしらったりしない。
幼少時からこれまでの振る舞いも全て謝罪する。メアリーのことも、出来る限り償う。これまでは避けていたウォールデンの店を、贔屓にしてあげたっていい。
カドガン伯爵夫人として、ちゃんと社交も務める。アランのことも可愛がる。
だから家族として一からやり直したい。
だが久しぶりにタウンハウスへ帰ってきたギルバートに告げられたのは、アランとメアリーの娘を婚約させるというものだった。
ギルバートは次期カドガン伯爵の婚約者とすることで、メアリーの娘の身を守ろうとしたのだ。
メアリーの娘が誕生したそのときより、ギルバートとメアリーの間で婚約を定めていたとして、メアリーの娘を保護することの正当性、またウォールデン家がメアリーの娘についてなんらかの契約を成立させるより先んじて、既に契約を為していたのだという、その優先性を主張した。
コールリッジ家の当主でありカドガン伯爵であるギルバートが決めた婚約を、私が覆すことはできない。
私はギルバートの妻であるに過ぎない。
ギルバートがいるから、私はこうしてタウンハウスで平穏に、寝食に困ることもなく暮らしていられる。
もしギルバートが強引に私と離縁しようとすれば、それは可能だ。
私には何の力もない。
私の生家がギルバートより格上であれば、それは多少の困難を生じるかもしれないが、オルグレン=アスコット家はギルバートの情けで援助を受けている身。それもいつ打ち切られてもおかしくない。
私が今こうして生きているのは、全てギルバートが私を最後の最後で、見捨てずにいてくれるからなのだ。
ああ。夫も息子も、私の人生全てがあの女に奪われていく。
アランとメアリーの娘との初顔合わせに出向くと、そこにいた娘は、母親のメアリーそっくりの娘だった。
名まで同じ。
恨めしくて憎くて、悔しくて。
その娘を嫁として認めることなど出来るわけがないと思った。
だがその娘は、母親であるメアリーとギルバートを激しく罵った。
あれほどメアリーが愛し、守ろうとした娘。ギルバートが保護しようと心を尽くした娘。
その娘が二人を拒絶した。
私はこの娘の心を得ようと決意した。
この娘は、ほかの誰でもない、私の娘にするのだ。
我が子のように愛し慈しみ。愛に飢えたこの娘の心に入り込む。
そして見せつけるのだ。ギルバートとメアリーに。
私とアランと、この娘と。三人で幸せな家族を築くのだ。
ギルバートもあの女も、決して親と呼ばせるものか。私一人が、この二人の愛おしい子達の母となる。
許さない。決して許さない。
領地経営の目途がつき、ある程度を領地代官に任せることにしたのだという。私は期待した。
これから少しずつ、家族として歩み寄れるのではないかと。
アランもいるのだ。ギルバートだって、絆されるだろう。
しかしギルバートを目の敵にする使用人の手前、私からギルバートに歩み寄ることは躊躇われた。
夫であるギルバートから私を尊重する姿勢を見せてほしかった。
婚約者時代、どんなに愚弄しても、困った顔で受け入れてくれたギルバート。きっと今回もそうなる。
私は本当に愚かだったのだ。
メアリーが友人宅を訪れていたのは、彼女が分家屋敷では自由に手紙を書けなかったからだ。
全てを見張られていたのだ。
だから彼女は、女学校の友人を頼り、手紙を出した。
手紙の相手はギルバート。ギルバート・コールリッジだ。
私の夫である。
◇
気が付いた時には、全てが手遅れだった。
メアリー・ウォールデンは、実父と実弟からの恥辱に耐えていた。
心を閉ざし、絶望の中で一人輝く娘を愛し、娘だけを唯一の希望として生きていた。
だがその魔の手が自身の娘に伸びようとされて、立ち上がった。
何があっても娘を守ると決意したメアリーは、ギルバートに助けを求めた。
メアリーはギルバート同様、真面目な女性だった。
メアリーとギルバートの出会いは、ギルバートが私への贈り物を選ぶため、ウォールデン商店を訪ねたことが始まりだという。
当然私という婚約者がいると知っているメアリーは、ギルバートの求愛に応じなかった。
それ以前に、ギルバートはメアリーに求愛してはいなかった。
学問や内政問題に、外交といった健全な話題を討論する、ただの友人関係だった。
だが夜会で婚約者である私をいくらエスコートに誘っても、私が応じない。
ギルバートは私の態度に思い悩み、メアリーに相談した。
同じ女性であるメアリーならば、どう振舞えば私の態度が軟化するのか、好意を抱いてもらえるのか、わかるのではないかと。
メアリーは、そんな繊細な話を他人の自分にするなと突っぱねた。
そういった男女間の話を、異性である自分に振るのはマナー違反であり、婚約者である私に申し訳が立たない。
メアリーの助言をギルバートがそのまま実行すれば、後にそれを知った私が不快に思うだろうと。
メアリーはギルバート同様、潔癖な人物だったようだ。
だが、メアリーも夜会で私がギルバートを酷く愚弄する様子を幾度も見るなり、ギルバートを気の毒に思うようになった。
夜会でパートナーになるようなことはしなかったが、少しずつ、ギルバートとメアリーの距離は近づいた。
メアリーも自身の身の危機を感じていたため、家の恥を晒すことを覚悟で、身を守る術をギルバートに相談するようになった。
正義感の強いギルバートが、メアリーの置かれた状況を許せるはずがなかった。
ギルバートに婚約解消を決意させたのは、きっとそれだった。
ギルバートは、悪魔のような父と弟からメアリーを守るため、私に婚約解消を申し出たのだ。
ギルバートから全てを打ち明けられ、離縁を求められたときは、頭が真っ白になった。
もう既にギルバートとメアリーは結び付くことはないと思っていたのに。これからようやくギルバートとやり直せると期待していたのに。
またあの女が邪魔をする。
ギルバートは、アランに家督を譲り、信頼のできる親族と領地代官にアランの教育と後見を任せると言った。またアスコット子爵への援助も後続すると。
許せるものか。そんなこと、許せるはずがない。
絶対に離縁はしないと告げた。しかしギルバートは引かなかった。
「君がなんと言おうと、私はメアリーとその娘を守る。アランは私の息子だ。あの子の行く末に父親として責を持つが、私は君の夫としての義務を果たすつもりは、今後一切ない」
ギルバートの冷淡な眼差しには、私への憎悪に満ちていた。
ギルバートは、遂に私の所業を知ったのだ。
ギルバートの最愛のメアリーが地獄に落ちたのは、私が仕掛けた罠だったのだと。
「君が弟御を使って何をしたのか、私は知っている。もはや君を家族と見なすことはできない。人として許すこともできない」
吐き捨てるように私に怒りをぶつけるギルバート。
私は震えた。ギルバートに憎まれていると、全身で感じ取った。涙も出ない。
しかしギルバートは最後の情けで、アスコット子爵への金銭的援助を後続すると約束した。息子であるアランの血筋でもあるからと。
「これが私に出来る最大の譲歩だ。離縁しないと意地を張ったところで、私は君を愛さない」
ギルバートはタウンハウスを出て行き、王都に別邸を構えた。
そこでメアリーとその娘と暮らすのかと茫然自失となりながら、使用人達からギルバートの動向を聞いた。
だがギルバートはメアリーの娘を、その別邸に迎え入れなかった。
メアリーはギルバートと共に別邸で暮らしているようだったが、愛娘を大事に思うメアリーが、そう長らく離れて暮らせるはずがない。
おそらく愛娘は、ウォールデンが人質にとっているのだろう。
あの下劣なウォールデンのことだ。
メアリーの後釜としてその娘を養育するつもりなのかもしれない。
それを身に染みて知っているメアリーが、自身だけの幸福を追い求め、ギルバートと共にウォールデンから逃げることなどあり得ない。
私は浅ましく期待していた。
もしかすれば、また戻ってきてくれるのではないかと。
ギルバートはいつだって、許してくれた。私の元に戻ってきてくれた。
だから今回だって、きっと時間が経てば、やり直せる。
今度こそ、間違えない。ギルバートを冷たくあしらったりしない。
幼少時からこれまでの振る舞いも全て謝罪する。メアリーのことも、出来る限り償う。これまでは避けていたウォールデンの店を、贔屓にしてあげたっていい。
カドガン伯爵夫人として、ちゃんと社交も務める。アランのことも可愛がる。
だから家族として一からやり直したい。
だが久しぶりにタウンハウスへ帰ってきたギルバートに告げられたのは、アランとメアリーの娘を婚約させるというものだった。
ギルバートは次期カドガン伯爵の婚約者とすることで、メアリーの娘の身を守ろうとしたのだ。
メアリーの娘が誕生したそのときより、ギルバートとメアリーの間で婚約を定めていたとして、メアリーの娘を保護することの正当性、またウォールデン家がメアリーの娘についてなんらかの契約を成立させるより先んじて、既に契約を為していたのだという、その優先性を主張した。
コールリッジ家の当主でありカドガン伯爵であるギルバートが決めた婚約を、私が覆すことはできない。
私はギルバートの妻であるに過ぎない。
ギルバートがいるから、私はこうしてタウンハウスで平穏に、寝食に困ることもなく暮らしていられる。
もしギルバートが強引に私と離縁しようとすれば、それは可能だ。
私には何の力もない。
私の生家がギルバートより格上であれば、それは多少の困難を生じるかもしれないが、オルグレン=アスコット家はギルバートの情けで援助を受けている身。それもいつ打ち切られてもおかしくない。
私が今こうして生きているのは、全てギルバートが私を最後の最後で、見捨てずにいてくれるからなのだ。
ああ。夫も息子も、私の人生全てがあの女に奪われていく。
アランとメアリーの娘との初顔合わせに出向くと、そこにいた娘は、母親のメアリーそっくりの娘だった。
名まで同じ。
恨めしくて憎くて、悔しくて。
その娘を嫁として認めることなど出来るわけがないと思った。
だがその娘は、母親であるメアリーとギルバートを激しく罵った。
あれほどメアリーが愛し、守ろうとした娘。ギルバートが保護しようと心を尽くした娘。
その娘が二人を拒絶した。
私はこの娘の心を得ようと決意した。
この娘は、ほかの誰でもない、私の娘にするのだ。
我が子のように愛し慈しみ。愛に飢えたこの娘の心に入り込む。
そして見せつけるのだ。ギルバートとメアリーに。
私とアランと、この娘と。三人で幸せな家族を築くのだ。
ギルバートもあの女も、決して親と呼ばせるものか。私一人が、この二人の愛おしい子達の母となる。
許さない。決して許さない。
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