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第一章
第五話 姉王女エーベルの婚約
しおりを挟むそれから暫くして、コーエンの双子の姉王女エーベルの婚約が決まった。
ゲルプ王国同様、神聖アース帝国の属国であり、一つ国を挟んだ国の王太子が相手だった。
年は五つ年下の十一歳。コーエンとエーベルの弟王子であるゲルプ王国第三王子バルドゥールと同い年だ。
コーエンはかつての遊び場、王子王女のための小さな庭園を目を細めて遠くから眺めると、踵を返した。足早に自身の執務室に戻る。
無言で立ち去るコーエンの背を護衛騎士が静かに追う。
幼い頃はあんなに大きく見えた岩場は、今ではコーエンの腰までしかなく、昼間の白い陽に照らされた岩肌は、あの頃にはなかった苔に隙間なくびっしりと覆われていた。
「コーエン」
執務室へ向かうコーエンを呼び止める声。ビクリとコーエンの肩が揺れる。
振り返るまでもなく、誰の声かわかっていた。コーエンは眉根を寄せて目を閉じる。それからニヤリと口元を弛ませて後ろを振り返った。
「よお。エーベル。やっと決まったなあ。おめでとさん!」
祝福を口にしたコーエンは目を見開いた。エーベルの後ろに兄王子リヒャードが立っていたからだ。
エーベルは頬を薄っすらと染め、はにかんで応える。
「あー。ありがと。って言っても、婚約決まる前に、友好国の王子王女として儀礼的な挨拶しか交わしたことないけどね」
コーエンはリヒャードの何もかもを見抜くような目から逃れて、エーベルに向き合った。
「まぁな。俺もそんくらいしか知らねえけど、外面と噂はとりあえず悪くねぇだろ? なんかこう、うちの兄弟にはいねえ感じのヤツだなーって印象。女は好きなんじゃねえの? ああいうの」
エーベルは困ったように眉尻を下げる。
「うーん……。確かに悪い印象はない……けど」
「けど?」
コーエンの問いにエーベルが視線を彷徨わせ、リヒャードを見上げる。リヒャードはそれを受けてエーベルの頭を撫でた。
コーエンはドキリとする。まさかエーベルにまで見抜かれているわけがない。その筈だ。
エーベルはふうと小さく息をついた。
「……なんかさ。あの子、バルと同い年だから弟にしか見えないっていうか。その弟のバルより幼く見えるっていうか。いやまあ、贅沢なこと言ってるのはわかってるんだけど。ほら。あたし、もう十六でしょ? 今すぐどこかに嫁いでもおかしくない年齢なのになあって……」
今すぐどこかに嫁いでもおかしくない。
その言葉にコーエンは固まった。
エーベルがどこかに嫁ぐのはわかっている。
これまで候補者はあれども婚約者が決まらなかったのは、父国王が王女エーベルの嫁ぎ先として、国内貴族ではなく他国の王太子に狙いを定めているのだろうということも察していた。
しかし丁度釣り合う年頃の王子に王太子はおらず、スペアとして可能性のある第二王子とて、年の近い者がいない。第三、第四王子といった、立太子される可能性の低い王子ばかり。
だからエーベルの婚約者探しは長引いていた。
今回決まった王太子は、第三王子で本来は王太子ではなかった。だが彼の国で第一王子、第二王子が揃って罪人として処されたのだ。
彼等の母は正妃だったのだが、国王は正妃を疎んじ側妃を寵愛していたため、耐えかねた正妃が側妃に毒を盛ったらしい。毒に倒れた側妃を嘆き悲しんだ国王は、愛する側妃の命を奪った者を必ず見つけよと怒り狂った。そしてその犯人は正妃ということになった。
国王はもともと疎んじていた正妃に、更に憎悪を募らせ、残虐な方法でもって処刑した。国王は正妃の目の前で自ら、息子である第一王子、第二王子を嬲り殺し、絶望の中身動き一つしなくなった正妃に油をかけ、木に括りつけて処刑場に晒し、その身に炎に焚べたという。
あまりに凄惨な処罰に、近隣諸国は交友関係を見直し始めた。
それに焦った官僚達は議員の召集をかけ議会を開き、渋る国王を強引に退位させ、第三王子が成人するまで、王弟に束の間の王位を任せた。
そういった血生臭く不穏な経緯で立太子したのが、ゲルプ王国王女エーベルの婚約者である。
リヒャードは固まるコーエンに一瞥をくれると、エーベルの頭をもう一度撫でた。
「今すぐになど寂しいことを口にしないでくれ。私はまだエーベルにこの城にいてもらいたい。コーエンも同じ思いだ。それに彼の国が落ち着くには暫くかかる。此度国王となった彼は信頼の置ける者だが、かといって臣下を束ね、一度蔓延った不安を民から払うことは骨が折れることだろう。エーベルの婚約者となった王太子も同様。見目は確かにバルドゥールと比べても幼いが、気骨のしっかりとした少年だ」
「……うん。そうだね。あたしも今すぐ嫁ぎたいなんて思ってない。なんかこう、寂しくなったっていうか。うーん……お兄様やコーエン、バルよりいい男なんているのかなって、不安になったっていうか……」
コーエンはエーベルの言葉を聞いてほっと安堵する。それからエーベルに目を凝らすと、エーベルはリヒャードとコーエンに向けて、いつもの温かな橙色の光を差し向けていた。一方薄ぼんやりと青い靄を纏っている。
言葉通り、相手の王子に対して、また凄惨な事件のあった国に対して不安があるのだろう。
コーエンはニヤニヤと厭らしく笑ってエーベルの顔を覗き込んだ。
「エーベルはブラコンだからなー。そりゃ兄貴ほどの男は他にはいねぇかもしんねーけど。でもま、相手さんは五歳年下だろ? これからいい男に育つって! いや、エーベルが育ててやれば?」
エーベルはぱっと顔を輝かせてコーエンの手を取った。
「そっか! その手があったか! これから会う度、手紙を送る度にお兄様の逸話を教えればいいよね!」
「そーそー。って俺のことは自慢しねーの?」
「……コーエンの良さは説明しにくい」
「片割れのくせに! 冷てぇな」
「ごめんって。でもコーエンがいい男だってこと、あたしはよく知ってるよ!」
「そらそーだろ」
エーベルは楽しそうに笑うと「さっそく手紙書いてくる!」と立ち去った。コーエンは「頑張れー」と手を振り見送る。
エーベルとその侍女、護衛騎士の姿が遠く廊下の先に見えなくなると、コーエンはリヒャードへと振り返った。
「……あの国、エーベルが嫁ぐまでに落ち着くかな?」
「落ち着かぬことには嫁がせはしない。たとえ陛下がなんと言おうと、私が何としても止める」
リヒャードの決意に満ちた声色に、コーエンはヘラっと笑った。
「そっか。兄貴がそー言うんなら安心だ」
リヒャードは眉根をきつく寄せ、険しい顔つきを更に険しくさせた。眉間の皺が恐ろしいことになっている。コーエンの侍従ときたら、リヒャードの顔が見えないところを探し求めて、コーエンの陰に隠れてしまった。
「……コーエン。私はお前のことも心配だ」
「なんでだよー。俺が好色王子なんて、フザけた名前で呼ばれてるから? でもアレはほら、皇女様の侍女が意趣返ししただけっていうか……」
「その噂の元がバチルダの侍女ではなく、お前の侍従がお前の命によって故意に流したものだということは知っている」
「さすが兄貴。知られてたかー」
くるりとリヒャードに背を向けるコーエン。リヒャードの目から逃げようとしていたコーエンの侍従が、真っ青な顔で今にも倒れそうになっている。コーエンに命じられて、主が不利益を被るだろう蔑称を流したのは、この侍従だ。
コーエンは侍従の肩に手を置いた。
「いや。お前のせいじゃねぇから。兄貴も別に怒ってないって」
「怒ってるぞ」
「えっ」
侍従は最早虫の息だ。ふらーっと後ろに倒れそうになるのを、コーエンが「おっと!」と慌ててその背に腕を回した。
コーエンは護衛騎士に侍従を任せると、再度リヒャードに振り返る。
「いや、だって俺が悪いだけで……」
「当然だ。お前が悪いに決まっている」
「じゃあコイツのことは、」
「だが、主が誤った道へ進もうとしているにも関わらず、諫言するどころか諾々と従うのみなど、職務を放棄しているのではないか」
リヒャードはギロリと凶悪な目つきで侍従を見るも、侍従の意識は既にお花畑へと飛び立っていた。
「とは言え。配下の責は上に立つ者の責。つまりコーエン、お前が全て悪い」
「……仰せの通りで」
コーエンがしょんぼりと肩を落とす。リヒャードはグシャグシャとやや乱暴にコーエンの頭を撫でた。
「お前の身の処し様については信頼している。だからその噂も必要なものだったのだろう。だがな」
リヒャードは口の端をあげて不敵に笑む。
「お前は私の可愛い弟なのだ。それを他人に侮辱されれば腹が立つ。私の兄としての気持ちもたまには汲んでくれ」
「えっ。えっ。兄貴が……兄貴がデレた!」
リヒャードが顔を顰める。
「デレたとは何だ」
「デレデレになったっていう意味で……いや、これ夢じゃねぇの? 兄貴がホントに俺の頭撫でた?」
「気に入ったのなら、またしてやる」
「マジかよ!!! 俺、頑張る!」
頬を紅潮させ目を輝かせながら身を乗り出してリヒャードに詰め寄るコーエン。リヒャードは半歩下がった。
「……ああ。励むといい。だが……」
リヒャードの琥珀色の目が鋭く光る。コーエンはリヒャードから目を背けた。
「何かあるのなら、何かあったのなら。言いにこい。お前の話を聞く場を設けてやる。他に漏らすこともしないし、責めることもしない」
コーエンは目をそらしたまま、軽薄な声色で返した。
「そっかー。それはありがてぇな! ヘクセがさぁ、ブッ飛んだことばっか言うから、ちょっと困ってんだ」
「……そうか。それは折を見て話を聞こう。私の予定をお前の侍従に知らせるから、都合のいいときを知らせろ」
「いや、でもまあ、こんなのただの惚気話かって感じだし? 兄貴の手を煩わせるほどじゃねぇから!」
「それでもいいぞ。私はコーエンの話を聞きたい」
「何それ! 俺愛されてる! じゃあマジで予定入れるからな! 兄貴の公務押しても知らねぇぞ!」
「少しコーエンとの時間を設けるくらいで、滞るような仕事はしておらん」
「だよな! 兄貴だもん! 知ってる!」
リヒャードは額に手を当て、疲れたように嘆息する。
「……まあなんでもいい。私がお前を気にかけていることは忘れてくれるな」
「おう! めちゃくちゃ嬉しいわ! 今夜はいい夢が見られそうだぜ」
エーベルと同じ灰青色の瞳をキラキラと輝かせるコーエンに、リヒャードは目を細めた。
「……それならよかった」
コーエンの肩にポンと節くれだった手をのせると、リヒャードは「ではな」と去っていく。コーエンは「またなー!」とブンブン音が鳴るほど力強く大きく手を振った。
リヒャードのお陰で今夜の悪夢は軽くて済みそうだ、とコーエンは口元を緩めた。
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