【完結】悪女を断罪した王太子が聖女を最愛とするまで

空原海

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あとがき

ご覧くださりありがとうございました! +裏話と関連作について

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 最後までご覧くださり、ありがとうございました。
 ご感想やエール、お気に入り追加など、励みになりました。
 ものすごく、ものすごく嬉しかったです。
 ご覧くださる方がいるというのは、なんて幸せなのでしょう……!

 今作は他サイト様で、最終章である第三章をたんなる夫婦のイチャコラ短編として投稿した後に、序章を短編として投稿。
 そこから閑話をまた短編として投稿。
 次に第一章を連載作として投稿、最後に第二章を付け加え、一つの作品としてまとめる、という変則的な書き方をしたお話でした。

 第三章を短編として執筆している際には、関連作の端役であったリヒャードの、ラブラブ夫婦っぷりが書きたかっただけでしたので、さほど重苦しいトラウマは背負っておりませんでした。
 弟王子(コーエン)の優秀さに鬱々としていた少年時代があったんだよね、程度。

 しかし。

 これまた関連作により、リヒャードに超ド級トラウマがないと不自然だなぁと。

 そして悪女となった令嬢について、その悲劇(序章)を執筆中に

「はて。これはもしや、ルイ16世在位時のフランス革命と重ねられるのではないか」

と考えたことが、物語の筋道をつける上で、いくつかある着想のひとつとなりました。

 ルイ16世といえば、派手なスキャンダルを持つ王妃マリー・アントワネットに振り回され、錠前作りが趣味の、地味で無能な王という印象がどちらかといえば多いように思います。私もそうでした。
 しかしながらどうやら、彼は頑張った王様だったようなのですよね。

 即位前から続く財政難を受け継ぎ、改革しようとめちゃめちゃ奮闘して。
 けれど高等法院を復活させてしまった(失策!)ことで、保守派貴族の反対にあい、改革が進められなかった。
 その結果、市民の不満が高まり、国外逃亡しようとした末に処刑。
 
 頑張ってたんだけどなぁ、王様。
 改革進まんかったの、保守派貴族のせいやんなぁ。失策したなぁ。

 そこで「もし復活させた高等法院で、保守派貴族の反対に遭わなければ?」ということで、リヒャードの立憲君主制による議会の権力を強化しつつ、保守派貴族の粛清。
 高等法院は正確には議会ではないそうなのですが、話が小難しくなりそうだったので、議会へと設定変更。
 また、立憲君主制をおしすすめるゲルプ王国へ、他国からの妨害が及ばないように、帝国の後押し(帝国の干渉はありそう)と神の加護というチートなカードを投入。

 史実ではなく、マイファンタジー設定でごり押しました。ご都合主義ばんざい。

 さあ、国王一家処刑の一途をたどらず、市民革命ではなく、王室内部からの立憲君主制をすすめる、国王リヒャードがめっちゃ苦労しそうな話を書くぞ! と意気込んだものの。
 アホな脳みそでは、資料の読み込みが足らず、消化しきれず。
 それら内政物語を異世界恋愛へと落とし込めませんでした。

 そのため、ご覧くださった方々の中で、消化不良であるところも多いかもしれません。
 もう少し勉強して、ファンタジー世界をあれこれ書けるようになったら、続編など書けたらいいなぁと考えています。

 反省点は次回に生かしたいと思います。
 もしよろしければ、ご感想、ご指摘をいただけますと幸いです。



(関連作について)

 また今作は、ゲルプ王国のなかよし兄姉弟の王子さま、王女さまを中心にしたシリーズの、第二弾目のお話でした。

 第一弾が、ちょっぴりぬけてる末っ子王子、バルドゥールのお話で、「末っ子王子は、他国の亡命王女を一途に恋う」。
 こちらは投稿済みで、ほのぼの一途なラブファンタジーです。

 第三弾が、軽薄好色男の妻帯者、ちょっとワケあり第二王子・コーエンのお話で「好色王子の悪巧みは魔女とともに」。
 こちらはシリアスだったり、コメディだったりが入り混じります。
 コーエンの双子の姉、第一王女エーベルの番外編もこちらに入ります。

 今作の閑話で出てきた、ヤンデレ公爵令息フルトブラントがヒーローのスピンオフが、「水の精ウンディーネと騎士フルトブラント、『にじゅういっせいきのにほん』に降り立つ」。
 こちらはフーケー著(1811年)『ウンディーネ』、スラヴ神話のオマージュで、ラブコメです。
 ヤンデレにはなりません。

 すべてハッピーエンドです♡

 通してご覧いただくことで伏線(らしきもの)がつながるようにしています。
 すこしずつ投稿していく予定です。

 ゲルプ王国の王子王女たちの物語に、今後もおつきあいいただけますと、とっても嬉しいです。
 よろしくお願いいたします。



空原海
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感想 14

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みんなの感想(14件)

えすく
2023.04.17 えすく

完結おめでとうございます!!

コレはある意味、処刑された侯爵令嬢の一人勝ちのようなものかと?
生きて仲睦まじい2人を見聞きするのも耐えられないだろう😭
来世では平民でも良いから愛し愛される穏やかな人生になれるように呪いをかける๛ก(꒪ͧд꒪ͧก)


何せ、私本人がこのバカップルの睦事を読んでて拒絶反応起こしてしまったわ🤣
R18は好きなのですが、なぜかこの2人のは🫠🤢 申し訳ないです😭

空原海
2023.04.17 空原海

えすく様

最後までお付き合いくださり、ありがとうございます!
うふふ♡
素敵な呪いをありがとうございます!
めっちゃ溺愛されて、これ以上なく幸せに穏やかに暮らしてほしいです♡
そして万が一、「俺よりこいつのほうがいいんじゃね」とか言い出すクソ男に失恋することがあれば、「ふざけんじゃねー」って言える、しがらみのない環境だといいなぁ、なんて。

拒絶反応、失礼いたしました。
いえいえ!
ご感想いただきまして、とてもありがたく、そして嬉しいです。
ふたりとも、好感度が最悪だからですよね(笑)
あれ、R18でした……?
R15かな、かと思っていました……。

解除
ノコノコ
2023.04.17 ノコノコ

完結おめでとうございます。

三章は駈け足過ぎちゃいましたかね、スピンオフを書くため仕方ないんでしょうが。
最愛になった皇女様に余り魅力を感じなかったのが残念です。序章の悪女さんに全部持っていかれた感じです。

空原海
2023.04.17 空原海

ノコノコ様

最後までお付き合いくださり、ありがとうございます!
おっしゃる通り、三章は駆け足が過ぎて、番外編ちょこっとって感じですよね。
スピンオフについてもすでに他サイトさまで完結しているので、時間うんぬんの問題ではなく、第二章と第三章のあいだにくるべき物語(ヒーロー・ヒロインが手と手を取り合って、試練に立ち向かう、みたいな)が練り上げられずでした。

皇女の魅力がなかったのも、おそらくそこにも原因がありそうです。
序章のインパクトを覆せませんでしたね。
とっても参考になります!

読んでいただけたことがまず嬉しく、そのうえご感想をありがとうございました♡

解除
lily
2023.04.17 lily

最初の序章にあるように、
「終生仲睦まじく暮らした」と書いてあるから、結局バチルダとリヒャードのどちらかが死ぬ、不幸になることはないのは現段階で決まってるということか😢

空原海
2023.04.17 空原海

lilyさま

ご感想ありがとうございます。
そうだったのです。
幼馴染のご令嬢へと、lilyさまのお優しいお心を寄せてくださって、とても嬉しかったです。

解除

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