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81話 始まり
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この命燃え尽きるまで、我は必ず皆を守る。
ヴァミア、ミルマ、ベルゼルフでグラファに攻撃を与えて行くが、やはりどうしても劣勢になってしまう。
ベルゼルフが止めることの出来る時間も短くなって来た。
まだなのかカロス……!
これでは、いつまで持つか分からない……!
ベルゼルフは頭の中で必死に考える。
どうすれば目の前にいる化け物にダメージを与えていることができるか。
だが、全く答えが出てこない。
出てくるのは、“敗北”の2文字。
えぇい!
馬鹿なことを考えるな!
私たちはカロスが来るまで時間稼ぎをするのみ!
カロスの放つ技で必ず仕留めるために……何の音だ?
一瞬、グラファから意識が逸れるがすぐさま戻る。
この男は……鐘の音か?
鳴り止むことのない鐘の音。
ゴーン、ゴーン。
と、不気味で、しかし美しい音がどこからか聞こえてくる。
ヴァミアとミルマに目を向ければ、グラファに攻撃を仕掛けつつも少しだけキョロキョロと見ている。
だが、怒り狂っているグラファには聞こえていないようだ。
相変わらず馬鹿みたいな力でベルゼルフ達の攻撃を跳ね返していく。
何故鐘の音が……いや! 今そんなことはどうでもいいのだ! 今はコイツに少しでもダメージを――
「ワオオオォォォォォォォンンンッッッ!!!」
周りにいる者の思考を強制的に止めるかのような遠吠え。
この遠吠えは、間違えなくカロスのものだ。
恐らく準備が整った合図なんだな!
これでやっと時間稼ぎも終わりだな。
ベルゼルフは少しだけ心を休め、カロスがいるはずの岩へと視線を向ける。
ズシリ、ズシリと音を立てながら巨大な生物が少しずつ姿を現す。
銀色の毛を靡かせ、金の鋭い目を持つ氷結の白狼に相応しい姿――ではなかった。
「え……? カロス……どうしたんだよその姿ぁ……」
「カロス様の毛の色が……」
「……」
岩から姿を現したのは、誰も知る氷結の白狼の姿ではなかった。
代わりにそこにいたのは、体がさらに巨大化し、銀色の毛の面影が全くない漆黒の毛に、血に染まったような赤い目を持つ狼だった。
一体何が起こったのか、ベルゼルフも、ヴァミアも、ミルマも理解することができない。
「あとは我に任せてくれ」
喉の奥からグルグルと威嚇するような音を出しながら、グラファに近づいていった。
あまりの驚きに、誰もこの場から動くことはできない。
たった一人を除いて。
「氷結の白狼ィィィィ!!!」
カロスを目の前にしたことで、グラファの怒りはさらに増していった。
指を鳴らして一瞬でカロスの背後に回る。
俺を馬鹿にした、努力を否定したお前を!
今必ずここで殺す!
カロスの背中に触れるために、右腕を伸ばしてさらに接近する。
カロスとグラファの距離は、もう数メートルしかない。
この距離ではもう反応することは不可能だとグラファは考えた。
俺の腕に触れれば、今までの倍以上の重力がお前を襲う!
これでお前は死ぬのだ!
俺も努力否定したことを後悔すればいい――
「今の我に、そんな攻撃は通用しない」
「あぇ……?」
グラファは意味がわからなかった。
カロスの背後に接近して、あと少しで背中に触れれる距離まで接近したのに、何故か気付けば自分の腹を漆黒の氷が貫いていたのだから。
ヴァミア、ミルマ、ベルゼルフでグラファに攻撃を与えて行くが、やはりどうしても劣勢になってしまう。
ベルゼルフが止めることの出来る時間も短くなって来た。
まだなのかカロス……!
これでは、いつまで持つか分からない……!
ベルゼルフは頭の中で必死に考える。
どうすれば目の前にいる化け物にダメージを与えていることができるか。
だが、全く答えが出てこない。
出てくるのは、“敗北”の2文字。
えぇい!
馬鹿なことを考えるな!
私たちはカロスが来るまで時間稼ぎをするのみ!
カロスの放つ技で必ず仕留めるために……何の音だ?
一瞬、グラファから意識が逸れるがすぐさま戻る。
この男は……鐘の音か?
鳴り止むことのない鐘の音。
ゴーン、ゴーン。
と、不気味で、しかし美しい音がどこからか聞こえてくる。
ヴァミアとミルマに目を向ければ、グラファに攻撃を仕掛けつつも少しだけキョロキョロと見ている。
だが、怒り狂っているグラファには聞こえていないようだ。
相変わらず馬鹿みたいな力でベルゼルフ達の攻撃を跳ね返していく。
何故鐘の音が……いや! 今そんなことはどうでもいいのだ! 今はコイツに少しでもダメージを――
「ワオオオォォォォォォォンンンッッッ!!!」
周りにいる者の思考を強制的に止めるかのような遠吠え。
この遠吠えは、間違えなくカロスのものだ。
恐らく準備が整った合図なんだな!
これでやっと時間稼ぎも終わりだな。
ベルゼルフは少しだけ心を休め、カロスがいるはずの岩へと視線を向ける。
ズシリ、ズシリと音を立てながら巨大な生物が少しずつ姿を現す。
銀色の毛を靡かせ、金の鋭い目を持つ氷結の白狼に相応しい姿――ではなかった。
「え……? カロス……どうしたんだよその姿ぁ……」
「カロス様の毛の色が……」
「……」
岩から姿を現したのは、誰も知る氷結の白狼の姿ではなかった。
代わりにそこにいたのは、体がさらに巨大化し、銀色の毛の面影が全くない漆黒の毛に、血に染まったような赤い目を持つ狼だった。
一体何が起こったのか、ベルゼルフも、ヴァミアも、ミルマも理解することができない。
「あとは我に任せてくれ」
喉の奥からグルグルと威嚇するような音を出しながら、グラファに近づいていった。
あまりの驚きに、誰もこの場から動くことはできない。
たった一人を除いて。
「氷結の白狼ィィィィ!!!」
カロスを目の前にしたことで、グラファの怒りはさらに増していった。
指を鳴らして一瞬でカロスの背後に回る。
俺を馬鹿にした、努力を否定したお前を!
今必ずここで殺す!
カロスの背中に触れるために、右腕を伸ばしてさらに接近する。
カロスとグラファの距離は、もう数メートルしかない。
この距離ではもう反応することは不可能だとグラファは考えた。
俺の腕に触れれば、今までの倍以上の重力がお前を襲う!
これでお前は死ぬのだ!
俺も努力否定したことを後悔すればいい――
「今の我に、そんな攻撃は通用しない」
「あぇ……?」
グラファは意味がわからなかった。
カロスの背後に接近して、あと少しで背中に触れれる距離まで接近したのに、何故か気付けば自分の腹を漆黒の氷が貫いていたのだから。
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