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65話 出発
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「何があったんだ……?」
少し離れた場所にある幕を、森の中から見ていると突如、ヒビが入ったと思ったらそのまま崩れていってしまった。
「あれー? 壊れていってるよ」
「本当だな。何かあったのか?」
目の前に広がる光景に、皆な目を奪われた。
どうやらグーレに聞いたところによると、あの幕はカロスと同じ五大魔獣の一角の時操の金鳥のものらしい。
時操の金鳥は、どうやらカロスに助けてもらった事があるらしく、仲が良いわけではないが、悪くもないらしい。
そのため、グーレ曰く今は敵対せずに手を組んでいる可能性が高いのだとか。
それに時操の金鳥は、時を操ることが出来るらしく、それに対応出来るようになるまでは非常に戦いづらいらしい。
いまいち、時を操るっていうのが想像が使いないが、強力な力であることは間違い無いだろう。
でも、そんな力を持つ五大魔獣の幕はあんな風に簡単に壊れてしまうものなのだろうか。
「なあ、あの幕って誰でも壊せるのか?」
「そんなわけがあるか。あいつの幕はそんな簡単には破壊できない。私でさえ時間がかかる」
「ていうことは、破壊できないってわけでは無いんだな?」
「まあ、確かにそうだ。しかし、あの幕を破壊できるのは、時操の金鳥と同等、あるいはそれ以上の力を持っている者だけだ」
嘘だろ……つまり、今あの場にはカロスやグーレと同じぐらいの力を持つヤツが居るってことか……。
エンファがマラオス王国軍を裏切ってミミィを連れて行かなかった事で、少しこちらが優勢になると思っていたが、相手からしたら他にも策があった訳か。
「あ……そういえば、俺の仲間がパーティー序列1位のリーダーが魔王に匹敵するほどの力を持っているって言っていたけど、もしかしたらそいつがやったんじゃないか?」
「その情報が本当に正しいかどうかは知らないが、恐らくそれはない。さっきも言ったようにあの幕を破壊するのには時間がかかる」
そのままグーレは話を続けながら、考えるように顎に手を当てた。
「もしその情報が正しいとしたら、五大魔獣よりも魔王の方が力を持つため、普通に考えれば時操の金鳥が負ける。だが、あそこには、確信はないが高確率で氷結の白狼も居るはずだ。それを考えれば、負けることはあり得ず、その為、幕を破壊することは非常に困難のはずだ」
「ていうことはつまり……」
「ああ、幕の外から破壊された可能性が高い」
俺はそれを聞いて冷や汗が流れた。
今はない幕の中には、魔王に匹敵するやつが居るはずだ。
もしあの幕の中にカロスが居たとしたら、一体どれだけの強者をカロスは相手をしなくてはいけないのか。
「マジかよ……でも、まだあそこにカロスが居るかはわからないだろ?」
「確かにな。だが、あの幕を完成させるには時間がかかる。それに幕を張っている間は、時操の金鳥は攻撃することが出来ない。つまり誰かがその間守らなけらばならない。私は長い間生きているが、あの幕は一度しか見たことがないのだ。つまりそれだけ大変な作業という事なのだろう。だから、闇雲にやるとは思えない」
「ていうことは……やっぱり……」
「その為私は、あの場に氷結の白狼がいる可能性が高いと考えているのだ」
つまり、あそこにカロスがいた場合、万を超える敵を相手にしながら、魔王に匹敵するやつと戦っているって事か……。
時操の金鳥が味方になっていたとしても、有利な状況に変わることは難しいはずだ。
もう作戦なんて考えてる場合じゃないな……。
少しでも、あの場所にカロスが居る可能性があるなら、今すぐに行かなくてはいけない。
「ねぇ、どうやって倒す?」
「うーん、俺は――」
「ちょっといいか」
後ろで何やら相談していたの急に遮って、俺は言葉を続けた。
「急だが、今からあそこに向かう」
そうして、今は破壊されて消えてしまった幕を俺は指差した。
「こんな急に決めた俺に、ついて来てくれるか?」
覇獣士たちは顔を見合わせ、グーレはニヤッと笑い、ミルマは俺を真剣な眼差しで見た。
反応はそれぞれだが、帰ってきた返答は同じだった。
「「「「「もちろん!」」」」」
「俺はリウス様について行きます」
「もし行かないと言ったら、どうしてやろうかと思ったぞ」
「ありがとう、みんな」
そして俺は、カロス達がいるかもしれない場所を、もう一度振り返ってみた。
「よし、行こう」
俺の掛け声と共に、一歩を踏み出し全速力で目的の場所へ向かった。
少し離れた場所にある幕を、森の中から見ていると突如、ヒビが入ったと思ったらそのまま崩れていってしまった。
「あれー? 壊れていってるよ」
「本当だな。何かあったのか?」
目の前に広がる光景に、皆な目を奪われた。
どうやらグーレに聞いたところによると、あの幕はカロスと同じ五大魔獣の一角の時操の金鳥のものらしい。
時操の金鳥は、どうやらカロスに助けてもらった事があるらしく、仲が良いわけではないが、悪くもないらしい。
そのため、グーレ曰く今は敵対せずに手を組んでいる可能性が高いのだとか。
それに時操の金鳥は、時を操ることが出来るらしく、それに対応出来るようになるまでは非常に戦いづらいらしい。
いまいち、時を操るっていうのが想像が使いないが、強力な力であることは間違い無いだろう。
でも、そんな力を持つ五大魔獣の幕はあんな風に簡単に壊れてしまうものなのだろうか。
「なあ、あの幕って誰でも壊せるのか?」
「そんなわけがあるか。あいつの幕はそんな簡単には破壊できない。私でさえ時間がかかる」
「ていうことは、破壊できないってわけでは無いんだな?」
「まあ、確かにそうだ。しかし、あの幕を破壊できるのは、時操の金鳥と同等、あるいはそれ以上の力を持っている者だけだ」
嘘だろ……つまり、今あの場にはカロスやグーレと同じぐらいの力を持つヤツが居るってことか……。
エンファがマラオス王国軍を裏切ってミミィを連れて行かなかった事で、少しこちらが優勢になると思っていたが、相手からしたら他にも策があった訳か。
「あ……そういえば、俺の仲間がパーティー序列1位のリーダーが魔王に匹敵するほどの力を持っているって言っていたけど、もしかしたらそいつがやったんじゃないか?」
「その情報が本当に正しいかどうかは知らないが、恐らくそれはない。さっきも言ったようにあの幕を破壊するのには時間がかかる」
そのままグーレは話を続けながら、考えるように顎に手を当てた。
「もしその情報が正しいとしたら、五大魔獣よりも魔王の方が力を持つため、普通に考えれば時操の金鳥が負ける。だが、あそこには、確信はないが高確率で氷結の白狼も居るはずだ。それを考えれば、負けることはあり得ず、その為、幕を破壊することは非常に困難のはずだ」
「ていうことはつまり……」
「ああ、幕の外から破壊された可能性が高い」
俺はそれを聞いて冷や汗が流れた。
今はない幕の中には、魔王に匹敵するやつが居るはずだ。
もしあの幕の中にカロスが居たとしたら、一体どれだけの強者をカロスは相手をしなくてはいけないのか。
「マジかよ……でも、まだあそこにカロスが居るかはわからないだろ?」
「確かにな。だが、あの幕を完成させるには時間がかかる。それに幕を張っている間は、時操の金鳥は攻撃することが出来ない。つまり誰かがその間守らなけらばならない。私は長い間生きているが、あの幕は一度しか見たことがないのだ。つまりそれだけ大変な作業という事なのだろう。だから、闇雲にやるとは思えない」
「ていうことは……やっぱり……」
「その為私は、あの場に氷結の白狼がいる可能性が高いと考えているのだ」
つまり、あそこにカロスがいた場合、万を超える敵を相手にしながら、魔王に匹敵するやつと戦っているって事か……。
時操の金鳥が味方になっていたとしても、有利な状況に変わることは難しいはずだ。
もう作戦なんて考えてる場合じゃないな……。
少しでも、あの場所にカロスが居る可能性があるなら、今すぐに行かなくてはいけない。
「ねぇ、どうやって倒す?」
「うーん、俺は――」
「ちょっといいか」
後ろで何やら相談していたの急に遮って、俺は言葉を続けた。
「急だが、今からあそこに向かう」
そうして、今は破壊されて消えてしまった幕を俺は指差した。
「こんな急に決めた俺に、ついて来てくれるか?」
覇獣士たちは顔を見合わせ、グーレはニヤッと笑い、ミルマは俺を真剣な眼差しで見た。
反応はそれぞれだが、帰ってきた返答は同じだった。
「「「「「もちろん!」」」」」
「俺はリウス様について行きます」
「もし行かないと言ったら、どうしてやろうかと思ったぞ」
「ありがとう、みんな」
そして俺は、カロス達がいるかもしれない場所を、もう一度振り返ってみた。
「よし、行こう」
俺の掛け声と共に、一歩を踏み出し全速力で目的の場所へ向かった。
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