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49話 獣人の国
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「なぁ、獣人の国にはいつ着くんだ。ずっと暗闇をただ歩き続けてるだけだが」
「もうそろそろ着きますよ。ほら、見えてきました」
暗闇の中に入ってからすでに1時間近く歩き続けた頃、遠くの方で暗闇を照らす明かりが見えた。
その明かりを目指して歩いていくと、夜になり日が暮れた空が見えた。
「私が辺りを確認してきますのでここでお待ちください」
ゼーラは俺に暗闇で待つように指示を出すと、一人で外に出て行ってしまった。
こんな何もない、暗い場所で待ちたくないんだよな。
それから十分くらい待ったが、ゼーラは一向に帰ってくる気配がない。
もしかして、何かあったのか?
外が気になり、頭だけ地上に出してみると目の前には巨大な壁に囲まれ国があり、正面には国の入り口であろう門があった。
ていうか本当にどこに行ったんだ?
安全を確認するといってもそんな遠くまで行く必要はないだろうに。
俺も外に出てみるか。
俺は、手を地上に着いて足を浮かすとそのまま腕に力を入れて体を持ち上げた。
そして地上に片足を出して体を転がし、地面に上がった。
もう外も真っ暗だな。
こんな時間帯に歩き回っていたら怪しまれる可能性があるから、誰にも気付かれないようにしないと……。
ドーーーンッ!!!
そして静かに足を進めようとした時、巨大な壁で囲まれる街の中で爆発が起こった。
なんで街の中で爆発が起きるんだ……!
もしかしてゼーラが関わってたりしないよな……。
俺は、嫌な予感を覚えて急いで街へと続く門へ向かった。
門は鉄で作られていている上に、隙間がないため中を確認することができない。
俺はどうせ意味がないだろうと思いながら、鉄の門を強く叩いてみた。
だが、中から聞こえる悲鳴や大きな音でやはり門が開くことはなかった。
仕方ない、こうなったら上から行くしかないか。
これで不法侵入だとか言われたら……まあ、逃げればいいだろう。
俺は背中に死神鳥の翼を生やし、壁よりもさらに高いところまで上昇していった。
爆発した場所はどこだ……あ、あそこか。
爆発場所は、ちょうど門の近くであったらしく獣人の国の兵士のような人達が30人近く集まってきていた。
俺は人影のないような場所に着地して、問題の場所に向かうと、次第に興味本位で獣人が集まってきていて混乱が起きていた。
これはまずいな。この人だかりだと全然近づくことができない。
本当に邪魔だな。なんでこう、何かが起こると皆んな集まってくるんだろうか。
全員吹き飛ばしてやりたい……
心の隅でそんなことを思ってしまうが、その衝動をなんとか抑えて力尽くで前に進んでいった。
イッタっ!何回も足踏むなよ!
こんなところで足止め食らってる場合じゃないんだよ!
早くゼーラを見つけてエンファ達と合流しないといけないのに……!
俺はとにかく前に進み続けてようやく先頭近くまで辿り着くことに成功した。
ここまで来たら見えるんじゃないか?
つま先で立って背伸びをすると、ぎりぎり向こうの様子を確認することができた。
そして俺の視界の先には予想通りの出来事が起こっていた。
「もうそろそろ着きますよ。ほら、見えてきました」
暗闇の中に入ってからすでに1時間近く歩き続けた頃、遠くの方で暗闇を照らす明かりが見えた。
その明かりを目指して歩いていくと、夜になり日が暮れた空が見えた。
「私が辺りを確認してきますのでここでお待ちください」
ゼーラは俺に暗闇で待つように指示を出すと、一人で外に出て行ってしまった。
こんな何もない、暗い場所で待ちたくないんだよな。
それから十分くらい待ったが、ゼーラは一向に帰ってくる気配がない。
もしかして、何かあったのか?
外が気になり、頭だけ地上に出してみると目の前には巨大な壁に囲まれ国があり、正面には国の入り口であろう門があった。
ていうか本当にどこに行ったんだ?
安全を確認するといってもそんな遠くまで行く必要はないだろうに。
俺も外に出てみるか。
俺は、手を地上に着いて足を浮かすとそのまま腕に力を入れて体を持ち上げた。
そして地上に片足を出して体を転がし、地面に上がった。
もう外も真っ暗だな。
こんな時間帯に歩き回っていたら怪しまれる可能性があるから、誰にも気付かれないようにしないと……。
ドーーーンッ!!!
そして静かに足を進めようとした時、巨大な壁で囲まれる街の中で爆発が起こった。
なんで街の中で爆発が起きるんだ……!
もしかしてゼーラが関わってたりしないよな……。
俺は、嫌な予感を覚えて急いで街へと続く門へ向かった。
門は鉄で作られていている上に、隙間がないため中を確認することができない。
俺はどうせ意味がないだろうと思いながら、鉄の門を強く叩いてみた。
だが、中から聞こえる悲鳴や大きな音でやはり門が開くことはなかった。
仕方ない、こうなったら上から行くしかないか。
これで不法侵入だとか言われたら……まあ、逃げればいいだろう。
俺は背中に死神鳥の翼を生やし、壁よりもさらに高いところまで上昇していった。
爆発した場所はどこだ……あ、あそこか。
爆発場所は、ちょうど門の近くであったらしく獣人の国の兵士のような人達が30人近く集まってきていた。
俺は人影のないような場所に着地して、問題の場所に向かうと、次第に興味本位で獣人が集まってきていて混乱が起きていた。
これはまずいな。この人だかりだと全然近づくことができない。
本当に邪魔だな。なんでこう、何かが起こると皆んな集まってくるんだろうか。
全員吹き飛ばしてやりたい……
心の隅でそんなことを思ってしまうが、その衝動をなんとか抑えて力尽くで前に進んでいった。
イッタっ!何回も足踏むなよ!
こんなところで足止め食らってる場合じゃないんだよ!
早くゼーラを見つけてエンファ達と合流しないといけないのに……!
俺はとにかく前に進み続けてようやく先頭近くまで辿り着くことに成功した。
ここまで来たら見えるんじゃないか?
つま先で立って背伸びをすると、ぎりぎり向こうの様子を確認することができた。
そして俺の視界の先には予想通りの出来事が起こっていた。
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