最強魔獣使いとなった俺、全ての魔獣の能力を使えるようになる〜最強魔獣使いになったんで元ギルドを潰してやろうと思います〜

東雲ハヤブサ

文字の大きさ
上 下
20 / 93

19話 新たな炎

しおりを挟む
 「リウス様は一体どこに行ってしまわれたのだろうか」

 カロスは犬のサイズから普段のサイズに戻り、リウスの帰りを待っていた。

 「カ、カロス様……」

 「なんだ?」

 ブルブルと体を震わせながら若いファイアーウルフが近づいていた。

 「特訓の続きをお願いします……」

 「別に良いのだがお前とフェイ以外倒れているのだが?」

 ファイアーウルフ達はリウスの指示で特訓することになったのだが、当然相手が悪すぎた。
 
 リウスとフェイが出会った時に、フェイがカロスに向かって、

 「数を集めて戦ったらあなたでも勝てない」

 などと挑発していたが実際はただフェイが強がっただけであり、カロスにとったらファイアーウルフを100匹集めたところで、1匹相手にしている時とほとんど同じ感覚なのだ。

 「ハアハア……、あなたねぇ、手加減というものを知らないのかしら……?」

 「何を言っている。我は最初から手加減はしないと言ったはずだ。それにどうした、我を踏み潰すのではなかったのか?」

 「ちょっとは黙ったらどうかしら?それに私がまだ本気を出していないだけだわ」

 「そうか。ならそんなにボロボロになる前に本気を出すんだったな」

 カロスは腕の毛を舐めながらフェイを軽く挑発した。

 「それにしても……」

 カロスはそう言いかけると、隣に立っている若いファイアーウルフに目をやった。

 「お前、よく我の攻撃を受けても倒れずにいられるな。名前はなんという?」

 カロスに声をかけられると、ビクッと肩を震わせたあと、怯えながら声を出した。

 「お、俺の名前はミルマと言います」

 「そうか。ミルマというのか。少しだけ我と1対1で勝負しないか?」

 「ええ!?」

 ミルマは、カロスの提案に後退りしながら驚きの声を発した。

 「フェイ様ぁ……」

 ミルマは少し離れた場所にいる、フェイに助けて欲しそうな目で見つめた。

 「あなたにこれほどの力があるなんて驚いたわ」

 「え?それだけ……?」

 「なら始めるとするか」

 「え?ちょっ!!!」

 カロスの勝手な始まりの合図とともに、ミルマとの戦闘が開始された。

 地面は一瞬にして氷で埋め尽くされ、草も岩も凍りついた。だが……

 「やはり、ミルマのいる場所だけは凍らないか……」

 なぜかミルマの付近だけは全く凍らず、それどころか一歩歩けば凍りついていた場所も一瞬で溶かしてしまった。

 「反撃させてもらいます! 炎の槍ファイアーランス

 するとミルマの周りに何本もの炎の槍が出現し、轟音をたてながらカロスに向かって飛んでいった。

 速さと炎の勢いが他のファイアーウルフ達と比べて格段に上だ……!やはりこいつは我が思った通りの存在だ……!







 

 その頃、エンファは光を失った目でリウスを見つめていた。

 「だがな……今回の戦争、どう考えたって勝敗は最初から決まっているも同然だ。俺はそんな勝負を見たいと思わない。だから俺がこの手で……この戦争という命を賭けたギャンブルを……狂わせてやる」

 エンファの目に光が戻り、リウスから縄で縛られるミミィに目線を変え、周りの男達に指示を出した。

 「そのガキの縄をほどけ」

 
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

野生児少女の生存日記

花見酒
ファンタジー
とある村に住んでいた少女、とある鑑定式にて自身の適性が無属性だった事で危険な森に置き去りにされ、その森で生き延びた少女の物語

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

伝説の魔術師の弟子になれたけど、収納魔法だけで満足です

カタナヅキ
ファンタジー
※弟子「究極魔法とかいいので収納魔法だけ教えて」師匠「Σ(゚Д゚)エー」 数十年前に異世界から召喚された人間が存在した。その人間は世界中のあらゆる魔法を習得し、伝説の魔術師と謳われた。だが、彼は全ての魔法を覚えた途端に人々の前から姿を消す。 ある日に一人の少年が山奥に暮らす老人の元に尋ねた。この老人こそが伝説の魔術師その人であり、少年は彼に弟子入りを志願する。老人は寿命を終える前に自分が覚えた魔法を少年に託し、伝説の魔術師の称号を彼に受け継いでほしいと思った。 「よし、収納魔法はちゃんと覚えたな?では、次の魔法を……」 「あ、そういうのいいんで」 「えっ!?」 異空間に物体を取り込む「収納魔法」を覚えると、魔術師の弟子は師の元から離れて旅立つ―― ――後にこの少年は「収納魔導士」なる渾名を付けられることになる。

S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る

神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】 元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。 ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、 理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。 今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。 様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。 カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。 ハーレム要素多め。 ※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。 よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz 他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。 たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。 物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz 今後とも応援よろしくお願い致します。

処理中です...