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6話 命をかけた戦い
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「それでは行きますわよ」
フェイの声とともに命をかけた戦いが始まった。
「ハァァァァァァーーー!!!」
「遅いわよ」
俺は掛け声とともにフェイに向かって走り出したが俺の目の前から一瞬で姿を消した。
「どこに...」
「ここよ」
そして後ろから激しい衝撃が走った。
「クッ...!」
速い……速すぎる……!
ていうか、どうしたらマジックストーンの力を使えるようになるんだよ!
「あら? まだその石の力は使わないのかしら? それとも“使わない”んじゃなくて“使えない”のかしらね」
「さあ、それはどうかグガァッ……!」
「炎の牙」
俺は火に包まれながらさらに十メートル後ろに吹き飛ばされた。
「クゥッ...」
「もうおしまいかしら?魔獣のお・う・さ・ま」
「もしかしたらまだ我が主にマジックストーンの力が……魔獣の力が完全に宿っていなかったのか……?」
「フフフ。もうボロボロね。かわいそうだからこれで終わりにしてあげるわ。炎の槍
やばい……このままじゃ負ける……。
何かいい方法はないのか……。
フェイの周りに何時十本もの炎の槍が出現した。
「さようなら。フフフ」
フェイは笑いながらそう俺に向けて言った。するとフェイの周りにあった複数の炎の槍が俺に向けて一直線に飛んできた。
「我が主!」
俺は負けてしまうのだろうか。マジックストーンの力を一切使うことができなかった。
俺は何をやってもダメなのか?魔法もダメ。剣術もダメ。
何もかもダメダメダメダメ……。
今回も結局ダメなのか……。
いや、ダメでもいい!
ボロボロになって、カロスにダメなやつだと思われてもいい!
途中がどんなにカッコ悪くて、どんなにダメダメだったとしても、求めてた結果になれば途中なんてどうでもいい!
だから俺がどんなにダメでも必ず求める結果にして見せる!
「俺は絶対に負けない!」
するとマジックストーンが眩い紫の光を放って俺を包み込んだ。
「なに!?」
「これは...!」
俺が驚いている間に体はどんどん変化していく。
魔獣に。
「我が主の体がどんどん変わっていく...。あれがマジックストーンに王と認められた者が得ることができる力、魔獣の力なのか...」
「こ、これが魔獣の力...」
俺は光が収まったあとに自分の体を見てみた。腕が太い魔獣の腕になっていた。
「この腕は雷光虎の...」
「腕が変わったからなんだっていうのかしら?どうせ私には勝てないのにね」
俺は思いっきり右腕を前に突き出した。
すると俺のほうに飛んできていた炎の槍が全て爆発するようにして消えた。
「なっ...!一体何をして...どこだ!」
「これはさっきのお返しだ。雷光打撃フラッシュブロー」
「いつのまに...!」
俺の右手が大量の電気を帯びながらフェイの顔面に放たれた。
フェイの身体中にもし人間だったら即死レベルの電気が流れ何十メートルも吹き飛ばしていった。
炎の槍が爆発した直後に俺は足に力を込めた。すると、魔獣の力のおかげなのか一蹴りだけでフェイの真横に高速で移動し、俺は魔獣の技を放つことができた。
「フェイ様が……」
「嘘だろ……」
「おい! それよりも早く助けに行くぞ!」
「は、はい!」
フェイは俺のあの一撃だけですっかり気絶してしまった。
フェイの配下と思われる者たちはフェイが負けると思っていなかったのか勝負の結果に唖然としながらもフェイを救出に向かった。
「流石は我が主です」
「最初から負けそうになっていたけどな。ていうかなんでカロスは俺のことを主って言う……」
「さっきは悪かったわ」
おお、もう気絶から目が覚めたのか。早いな。
「おい、お前はさっき、勝負に負けたら我が主の質問に何にでも答え、口の利き方を変えると言ったな?ならその口の利き方を直したらどうだ?」
「くぅ……」
「別に俺への口の利き方なんてなんでもいいって。それよりももう大丈夫なのか?」
「そんなの大丈夫に決まって……大丈夫でございま、イタッ……」
全然大丈夫じゃなさそうだな……
「ちょっと何するのよ」
「いいから、ちょっと動くな」
俺はフェイに近づき魔獣の力で傷を癒していった。
「なんで敵の傷を癒すのかしら? また私と戦いたいのかしら?」
「敵? もう戦う理由ないんだから敵じゃないだろ」
「は? 何を言って――」
「流石は我が主です!」
「ちょっと待ちな……」
「じゃあ傷も治ったことだし質問していいか?」
「え、あ、いいですわよ……」
「フェイたちはどこで住んでいるんだ?」
「住んでる場所? 面白いことを聞くのですわね。私たちは森で村を作って暮らしていますわよ」
「村?」
「私たちは村で住むときは人間の姿で過ごしていますわ。実際魔獣の姿より人間の姿の方がすごしやすいですからね」
そうか。ファイアーウルフたちは村で住んでいるのか。
「そこの村にはすべてのファイアーウルフが住んでいるのか?」
「いいえ。そんなことはございませんわ。私たちの村に住んでいるのは、ここ付近の地域に生息しているファイアーウルフだけですわ」
「そうか。わかった」
「こんな情報を知ってどう致しますの?」
「いいか、俺がこれから言うことをよく聞け」
「な、なにかしら」
「二日以内にここの地域のファイアーウルフたちはすべて殺される」
フェイの声とともに命をかけた戦いが始まった。
「ハァァァァァァーーー!!!」
「遅いわよ」
俺は掛け声とともにフェイに向かって走り出したが俺の目の前から一瞬で姿を消した。
「どこに...」
「ここよ」
そして後ろから激しい衝撃が走った。
「クッ...!」
速い……速すぎる……!
ていうか、どうしたらマジックストーンの力を使えるようになるんだよ!
「あら? まだその石の力は使わないのかしら? それとも“使わない”んじゃなくて“使えない”のかしらね」
「さあ、それはどうかグガァッ……!」
「炎の牙」
俺は火に包まれながらさらに十メートル後ろに吹き飛ばされた。
「クゥッ...」
「もうおしまいかしら?魔獣のお・う・さ・ま」
「もしかしたらまだ我が主にマジックストーンの力が……魔獣の力が完全に宿っていなかったのか……?」
「フフフ。もうボロボロね。かわいそうだからこれで終わりにしてあげるわ。炎の槍
やばい……このままじゃ負ける……。
何かいい方法はないのか……。
フェイの周りに何時十本もの炎の槍が出現した。
「さようなら。フフフ」
フェイは笑いながらそう俺に向けて言った。するとフェイの周りにあった複数の炎の槍が俺に向けて一直線に飛んできた。
「我が主!」
俺は負けてしまうのだろうか。マジックストーンの力を一切使うことができなかった。
俺は何をやってもダメなのか?魔法もダメ。剣術もダメ。
何もかもダメダメダメダメ……。
今回も結局ダメなのか……。
いや、ダメでもいい!
ボロボロになって、カロスにダメなやつだと思われてもいい!
途中がどんなにカッコ悪くて、どんなにダメダメだったとしても、求めてた結果になれば途中なんてどうでもいい!
だから俺がどんなにダメでも必ず求める結果にして見せる!
「俺は絶対に負けない!」
するとマジックストーンが眩い紫の光を放って俺を包み込んだ。
「なに!?」
「これは...!」
俺が驚いている間に体はどんどん変化していく。
魔獣に。
「我が主の体がどんどん変わっていく...。あれがマジックストーンに王と認められた者が得ることができる力、魔獣の力なのか...」
「こ、これが魔獣の力...」
俺は光が収まったあとに自分の体を見てみた。腕が太い魔獣の腕になっていた。
「この腕は雷光虎の...」
「腕が変わったからなんだっていうのかしら?どうせ私には勝てないのにね」
俺は思いっきり右腕を前に突き出した。
すると俺のほうに飛んできていた炎の槍が全て爆発するようにして消えた。
「なっ...!一体何をして...どこだ!」
「これはさっきのお返しだ。雷光打撃フラッシュブロー」
「いつのまに...!」
俺の右手が大量の電気を帯びながらフェイの顔面に放たれた。
フェイの身体中にもし人間だったら即死レベルの電気が流れ何十メートルも吹き飛ばしていった。
炎の槍が爆発した直後に俺は足に力を込めた。すると、魔獣の力のおかげなのか一蹴りだけでフェイの真横に高速で移動し、俺は魔獣の技を放つことができた。
「フェイ様が……」
「嘘だろ……」
「おい! それよりも早く助けに行くぞ!」
「は、はい!」
フェイは俺のあの一撃だけですっかり気絶してしまった。
フェイの配下と思われる者たちはフェイが負けると思っていなかったのか勝負の結果に唖然としながらもフェイを救出に向かった。
「流石は我が主です」
「最初から負けそうになっていたけどな。ていうかなんでカロスは俺のことを主って言う……」
「さっきは悪かったわ」
おお、もう気絶から目が覚めたのか。早いな。
「おい、お前はさっき、勝負に負けたら我が主の質問に何にでも答え、口の利き方を変えると言ったな?ならその口の利き方を直したらどうだ?」
「くぅ……」
「別に俺への口の利き方なんてなんでもいいって。それよりももう大丈夫なのか?」
「そんなの大丈夫に決まって……大丈夫でございま、イタッ……」
全然大丈夫じゃなさそうだな……
「ちょっと何するのよ」
「いいから、ちょっと動くな」
俺はフェイに近づき魔獣の力で傷を癒していった。
「なんで敵の傷を癒すのかしら? また私と戦いたいのかしら?」
「敵? もう戦う理由ないんだから敵じゃないだろ」
「は? 何を言って――」
「流石は我が主です!」
「ちょっと待ちな……」
「じゃあ傷も治ったことだし質問していいか?」
「え、あ、いいですわよ……」
「フェイたちはどこで住んでいるんだ?」
「住んでる場所? 面白いことを聞くのですわね。私たちは森で村を作って暮らしていますわよ」
「村?」
「私たちは村で住むときは人間の姿で過ごしていますわ。実際魔獣の姿より人間の姿の方がすごしやすいですからね」
そうか。ファイアーウルフたちは村で住んでいるのか。
「そこの村にはすべてのファイアーウルフが住んでいるのか?」
「いいえ。そんなことはございませんわ。私たちの村に住んでいるのは、ここ付近の地域に生息しているファイアーウルフだけですわ」
「そうか。わかった」
「こんな情報を知ってどう致しますの?」
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