上 下
49 / 54

49話 限界とその先に

しおりを挟む
 「少しお前は黙るといい」

 フネアスは黒い靄を出す紐のようなものを作った。
 それがフネアスの手から離れると、大蛇に如くのように動き始めた。
 
 「あれに縛られたら暫く動けなさそうだね。だからフネアス、君に返すよ」

 反射の力を使い、シーミナは大蛇を跳ね返した。
 予想外の出来事に、フネアスは反応する事が出来ず体を拘束された。

 「どうしてだ……! 全く動かない……!」
 「どれだけ力を入れても無理だよ。その蛇みたいなやつには、僕の反射の力が纏わりついているからね。力の効果が切れるまで逃げることが出来ないよ」

 運良くフネアスから一時的にでも自由を奪えた。
 でも相手が相手なだけに、僕の力は通常よりも早く切れてしまうはず。
 このままフネアスを元に戻す方法を探したいけど、他にやらなくてはいけない事もある。
 悩むけど……今は別の事を優先するべきだね。

 「リリルは気絶してる五人を、安全な場所に避難させてあげて」
 「分かった。ていうかシーミナさ、そんなに上手く力を――」
 「じゃあお願いね!」

 あ、行っちゃった。
 どうやって力の制御が出来るようにしたのか、聞こうと思ったのになぁ。


◇◆◇


 「どけクソ雑魚悪魔共! 皆殺しにしてやるよっ!」
 「ちょっとジューザラス! そんなに無理したら駄目だよ!」
 「うるせぇ! 俺は今むかついてんだよ! それに力も回復してきやがったから問題ねぇ!」
 
 ジューザラスはこう言っているが、実際はそれ程力は回復していない。
 ヘルラレンに至っては、普段の一割程しか回復していない。

 ジューザラスと同様、ヘルラレンも力を大量に消耗している。

 まったく……。
 私はついて行くだけでしんどいのに……どうしてジューザラスはこんなに元気なの……?
 意味がわからないよ……ん?
 
 ヘルラレンは呆れながらジューザラスを見ると、遠くの方から誰かが向かってきているのが見えた。
 だが明らかに雰囲気が悪魔ではない。
 どちらかといえば神に近い――。

 「ライ?」
 「あ? なんだ?」

 呼ばれるはずのない名が聞こえ、暴れていたジューザラスも動きを止める。
 二人は同じ場所を見つめ、目を見開く。

 「あいつ本当にライか?」
 「多分間違いないよ」

 距離は次第に縮まっていき、そして顔を捉えることのできる距離になった。

 「やあ、久しぶり」
 「やっぱりライじゃん」
 「てめぇ馬鹿かよ。久しぶりとか意味わからないこと言ってんのに、どうしてそこをスルーすんだよ」

 少し着眼点がおかしいヘルラレンに呆れながら、ジューザラスはシーミナとなったライに詰め寄った。
 だがそのことを知らない二人にとって、今のライは様子のおかしくなっているようにしか見えていない。

 「なんでライがここにいんだよ」
 「僕はライじゃなくて、今はシーミナだよ」
 「はぁ? 本当にどうしちまったんだよ。頭でもやられたか?」
 「まあ、確かにライは死にかけてたけど、問題ないよ」
 「変なこと急に言い出しやがって――」
 「待ってジューザラス。今のライは、本当にシーミナだよ」
 「そんな訳ねぇだろ」
 「こんなこと急に言われても混乱するよね」

 シーミナはジューザラスの肩に軽く手を乗せて、簡単に経緯を説明した。
 最初は幻覚でも見たと疑っていたジューザラスだったが、話を聞き終わる頃には納得していた。

 「それで二人に頼みがあるんだけど」
 「なんだ」
 「下級悪魔を殲滅して欲しいんだ」
 「え? それ本気で言ってる?」

 ヘルラレンは、信じられないことを聞いたかのような表情を見せた。

 下級悪魔はまだキリがない程残っている。
 勇者達は逃げ出し、さらに騎士や冒険者が苦戦していることで、悪魔側の戦力を削ることが出来ていない。
 それにも関わらず、シーミナは力を消耗しているジューザラス達に残りの悪魔の殲滅を頼んだのだ。
 ヘルラレンがあんな反応をするのも無理はない。

 「仕方ねぇな。俺達がその頼みを受けてやるよ」
 「え!? ……仕方ないかぁ。ジューザラスもやる気だし」
 「シーミナは早く戻ってフネアスを救ってやれ。今度はお前が救う番だ」
 「うん。ありがとう。じゃあ行くね」

 シーミナは二人に背を向けて走り出したが、足を止めて振り返った。 
 
 「それと……」
 「なんだ? まだなんかあんのか」
 「二人とも、今までありがとね」

 そう笑顔で言い残すと、また別の方向に向かって走っていった。
 
 「こんな時間が経って礼を言われんの、俺達ぐらいじゃねぇか?」
 「だろうね。何十年、何百年経っても感謝を伝えたり伝えられたりするのは、神の特権だね」
 
 二人は顔に笑みを浮かべると、周りで騎士達と交戦する悪魔達に目をやった。
  
 「じゃ、やるか。水の力で俺を浮かばせてくれ」
 「何やるの?」
 「残り少ない力で、このクソどもを殺すんだよ」
 「へぇ、面白そう」

 ヘルラレンは地面に手を当てると、残り少ない力を使用した。
 地面から水が溢れ始め、ジューザラスの足に纏わりついていくと、蔓のように伸びて空高く運んだ。

 「次は俺の出番だぜ」

 ジューザラスは胸の前で火球を作り出すと、それを右手で掴み空に向けて突き上げた。
 その火球は暗い空を照らし、大きさは勢いを強めながら大きくなっていく。
 
 「まだまだぁ!」

 火球はジューザラスと同じ程の大きさになっても、一向に止まる気配はない。
 それどころか、巨大化する速度を上げていっている。
 
 「おい! 悪魔ども!」
 
 どこまでも響き渡るような声で声を発すると、呼びかけに反応するかのように周囲にいた悪魔達はジューザラスに目を向けた。
 
 「今からこれをくれてやるよっ!」
 「ちょっと! そんなにぶつけたら人間も死んじゃうよ!?」
 「んなことわかってるに決まってんだろ。だからそうならねぇように、悪魔しか燃えねえ火球を作ったんだろうが」
 
 ジューザラスは神らしくない笑顔を浮かべる。
 その顔はまるで悪魔のような顔だ――。
 
 「死にやがれ。雑魚ども」

 地面に投げつけられる火球は、炎を撒き散らしながら落下していき、地面にぶつかると同時に辺り一面を赤く染め上げた。


◇◆◇


 「くぅ……!」
 「なんだ。これでもう終わりか」
 
 レレファスに首を掴まれて持ち上げられているルーレルは、血に染まる顔に苦痛の表情を浮かべた。

 「最初は中々戦いがある奴だと思っていたのだが……所詮はこんなものか。ふんっ!」
 「がぁ……!」

 地面に叩きつけられ、全身に悲鳴を上げる。
 私は……勝てない……。
 これが私の限界……。
 限界なのに勝てないなら……無理だ……。
 
 もう私に力は残っていない……。
 限界……限界……。

 限界……?
 どうして私は……悪魔に負けるのを認めている……?
 限界だからって言い訳にして……負けてもいいと思っている……?

 「そんなの……だめ……」
 「何の話だ」
  
 限界を迎えた。
 それでも勝てない。
 だから無理、ではない。

 限界を迎えた。
 それでも勝てない。
 

 「ついに狂ったか。まあ良い。どうせ殺すのだからな」

 レレファスは地面に倒れるルーレルの肩を掴み、持ち上げようとした。

 「……な」
 「なんだ?」
 「……触るな……」
 「貴様……何を――」
 「私に……触るな……!」

 ルーレルから出たとは思えない声で怒鳴りつけると、肩を掴む腕に噛み付いた。

 「っ!? 何をする!」

 腕に噛み付くという神とは思えぬ行動に、レレファスは反射的に投げ飛ばした。
 勢いよく投げ飛ばされたルーレルは、地面を無様に転がっていく――事はなかった。

 「貴様ぁ……!」

 力が残っていないにも関わらず、限界に達しているのにも関わらず、それでも受け身をとり立ち上がった。

 「まだ力が残っていたのか。何のために隠したのだ」
 「別に隠してない……。ただ……」
 
 下を向いていた顔が上がり、黒と赤に光る瞳にレレファスは睨みつけられる。
 
 それはさっきから何度も見た瞳。
 それなのにも関わらず、レレファスは体中に寒気を怯え、震えた。
 
 「限界を……超えただけ……」




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!! 「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。 クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。 召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。 理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。 ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。 これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

処理中です...